神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

図書館

昭和14年における仏教専門図書館叡山文庫の概要及び所蔵記録の分類

百萬遍知恩寺秋の古本まつりでは色々珍しいものが買えたので、追々紹介していきたい。今回は、玉城文庫の3冊500円コーナーで見つけた『比叡山』17巻186号(比叡山発行所、昭和15年3月)。同誌は数冊出ていたが、今井常吉「叡山文庫所蔵記録の分類及閲覧に関して…

秋田県立秋田図書館横手分館旧蔵の『秋田考古会々誌』(秋田考古会)ーー柳田國男が顧問を務めた秋田考古会ーー

京都古書会館で開催された京都まちなか古本市では、紐閉じされた『秋田考古会々誌』1巻2号,大正14年11月から2巻1号,昭和3年2月までを入手。福田屋書店の和本の棚を念のためチエックしたら、紛れていた。500円。秋田県立図書館が1巻1号,大正14年8月から3巻6号…

第三高等学校の『嶽水会雑誌』(明治42年)に仏教大学学生梅原真隆の演説記事

第三高等学校の校友会雑誌『嶽水会雑誌』(第三高等学校嶽水会)は復刻版も出ているので、1度は通覧してみたいものである。明治32年3月創刊、嶽水会の当初の会長は、校長の折田彦市であった。原本は、43号(明治42年6月)を三密堂書店の100円均一台で見つけてい…

姉崎正治が創設した三高仏教青年会と中井正一の青春

百万遍知恩寺の古本まつりで見つけた『会報』26号(三高同窓会、昭和39年)は、菊田太郎「仏教青年会の第二期」が載っているので購入*1。三高仏教青年会は3期に分かれるという。卒業年を補って要約すると、 ・第1期 北畠貞顕(明治26年卒) 下間空教(明治34年卒) …

『出版月評』(月評社)に図書館記事を書いたのは誰だ?

最初の出版物批評の専門雑誌とされる『出版月評』は、明治20年8月から24年8月まで40冊刊行された。全冊の復刻版も出ているし、私が奈良の朝倉文庫(2月に閉店)で買った日本近代文学館編『復刻日本の雑誌』(講談社)による創刊号復刻版もある。『日本近代文学大…

中学生だった寿岳文章の心をとらえた東枝書店ーー東枝書店の『図書総目録』(大正2年)から見るーー

中島俊郎先生に御恵与いただいた『向日庵』3号(特定非営利活動法人向日庵、令和2年1月)の佐藤光「寿岳文章のウィリアム・ブレイク研究」に東枝書店が出てきた。寿岳「ブレイク研究への序説」『ブレイクとホヰットマン』1巻1号,昭和6年が初出で、 私の追憶は、私…

東海堂書店のPR誌『図書雑誌月報』の昭和5年新年号『新刊雑誌名著書籍目録』

平成28年7月に入手しているので、たにまち月いち古書即売会で入手したか。東海堂書店のPR誌『図書雑誌月報』25巻1号,昭和5年1月が出てきた。巻数から逆算すると、明治39年創刊ということになる。表紙には「新刊雑誌名著書籍目録」とある。表紙に「夢見る京都の…

出版史料としても使える『小中村清矩日記』(汲古書院)ーー上野図書館に寄贈された『歌舞音楽略史』ーー

国会図書館は小中村清矩『歌舞音楽略史』乾・坤(小中村清矩、明治21年2月)を2点所蔵している。1つは帝国図書館に寄贈され冑山文庫となっている根岸武香旧蔵書である。もう1つは国立国会図書館の印が押されたものである。明治の刊行時に内務省から交付された…

漱石全集の補足を書いた日ーー紅野敏郎先生の没後10周年ーー

岩波書店の伝統的看板たる『漱石全集』の定本版も着々と刊行され、近く完結予定である。かつて、紅野敏郎先生が旧全集の書簡篇に書いた注について、私は「紅野敏郎先生の図書館員知らず - 神保町系オタオタ日記」と書いたことがある。紅野先生に「図書館員知…

慶應義塾図書館の國分剛二と柳田國男の関係

『荘内』6号(荘内社、昭和13年7月)が手元にある。発行兼編輯人は斎藤恵太郎、荘内社は東京市芝区に所在。常田書店の300円を100円に下げた値札が貼ってあるので、西部古書会館で買ったのだろう。目次を挙げておこう。 柳田國男や國分剛二が書いているので、買…

日本大学総長山岡萬之助が主宰した宗教雑誌『宇宙』(宇宙社)と大東信教協会

先日の人文研における古本バトルに引っ張り出されて、『宇宙』など3誌を紹介。『宇宙』についてはあまり調べずに臨んでしまったが、その後色々判明したので補足しておこう。『宇宙』8巻3号(宇宙社、昭和8年3月)を見つけたのは、今年の知恩寺の古本まつりに行…

大正6年慶應義塾図書館の閲覧室で開かれた福澤先生十七年忌晩餐会

福澤諭吉は明治34年2月3日逝去。今なお慶應の塾生・塾員(卒業生)から福澤先生と呼ばれているようだ。「日本の古本屋メルマガ」で「『図書館絵葉書』を発見した人」として紹介された書物蔵氏も慶應文学部卒で塾員である。その書物蔵氏は、大学図書館で学生嘱託と…

大正4年における富士屋ホテル文庫の蔵書

名著永嶺重敏『の誕生 明治30年代の活字メディアと読書文化』(日本エディタースクール出版部)が刊行されて15年。そろそろ文庫化してほしいものである。出すならちくま学芸文庫か講談社学術文庫か。解説はドカーンと書物蔵氏を抜擢してほしいなあ(*_*) わしも…

澁川驍の詳細年譜・著作目録が索引付きで刊行されていた

図書館で山﨑柄根編著『昭和の作家澁川驍 年譜・著作目録』(研成社、令和元年8月)を発見。偶然にも同日書物蔵氏も書店で見つけたらしい。戦前は帝国大学新聞社や東京帝国大学図書館、戦後は国会図書館等に勤めた澁川。拙ブログでも話題にしたことがある人物…

堀内庸村と共に青年日本社(青年文化振興会)を創立した東白陵

三密堂書店の100円均一台で東白陵という木津高校の教師であった画家の伝記を見つけた。牧野芳子『鹿背山の画教仙人東白陵』(平成12年7月)である。知らない画家だし、木津高校とは縁もゆかりもないが、略年譜の昭和7年の条に「堀内庸村氏と青年文化振興会[マ…

京都帝国大学附属図書館の兵働竹酔

冨山房の『国民百科大辞典』14巻(昭和13年4月)の「寄稿家名鑑」には、数名の図書館学・書誌学関係者が見える。 庄司浅水 [製本・書籍] 田中敬 大阪商大図書館嘱託 [図書学] 長沢規矩也 法政大学講師 [書誌学(支那)] 弥吉光長 丸善株式会社 [図書館] 著…

佐賀図書館長西村謙三の印が押された西周訳『性法説約』

吉岡書店で見つけた西魯人(西周)訳『性法説約』については、「吉岡書店で西魯人訳『性法説約』を」で言及したところである。最初に本書を発見した金子一郎氏の本には「宮尾」印が押されていたらしいが、実は私のにも印が押されていた。 読めなかったのだが、twit…

書砦・梁山泊京都店の本で知った御所内の京都府立図書館の状況

今年の下鴨納涼古本まつりも今日で終わった。初日は某書店の均一台に一番乗りしたがカラブリであった。まあ、そういうこともある。さて、古本まつり3日目に行った帰りに寺町の書砦・梁山泊京都店をのぞいてきた。ここは図書館のように広く、ずらりと書棚が並…

もう一人の満鉄調査屋流転ーー『印度資源論』の真の訳者に迫る検印の謎ー

なんか知らんうちに小林昌樹編・解説『満鉄調査部から国会図書館へーー調査屋流転』(金沢文圃閣)なる本が出てた。戦前満鉄の調査マンで戦後国会図書館の調査及び立法考査局長や副館長を務めた枝吉勇の自伝『調査屋流転』と併せて国会図書館職員名簿などの復…

謎の極東簡易図書館ーー下田歌子編『和文教科書』に押された蔵書印ーー

初日に古本猛者らと廻ったみやこめっせの古本まつりも最終日ということで、また行ってきました。ヨドニカ文庫の戦前期教科書300円コーナーでしつこく猟書。2月の京都古書会館の古本まつりの時に見つけたが結局買わなかった「極東簡易図書館蔵書」印のある源歌…

天理図書館の金子和正旧蔵『小汀文庫珍本展観入札目録』

四天王寺春の大古本祭5日目。東京から古本猛者が押しかけてくるというので、100円均一コーナーで待機していると、追加されたらしい箱を発見。目録・図録などが入っていて、『小汀文庫稀書珍本展観入札目録』(東京古典会、昭和47年)が2冊あった。一方には書…

大正4年お札博士フレデリック・スタールが京都府立図書館で見た納札集

上の絵葉書の中央に写っている外人が誰かわかるだろうか。先日ナンダカアヤシゲな人に見せたら、ズバリと「お札博士スタール」と解答していた。スタール博士は来日中着物を着ていたことで知られるが、この写真では洋服のようだ。私も中央の人物がスタール博…

内田文庫主任彌吉光長と霊感透視家山本精一郎の『民俗の風景』(朝日書房)

一昨年文庫櫂で『民俗の風景』2巻1号(朝日書房、昭和10年1月。以下「本誌」という)なる雑誌を発見。表紙に霊感透視家山本精一郎主宰というアヤシゲな表記があるので購入。32頁。昭和9年8月創刊の『古典風俗』を改題したようだ。目次の一部をあげると、 山村に…

大阪CIE図書館のアメリカ人館長と対立して辞めた動物学者筒井嘉隆

これまた尚学堂で見つけた牛尾桃里画・筒井嘉隆文『ニッポンの鳥』(童画社、昭和17年11月)。表紙に破れがあって、1500円。3万部発行されているが、児童書なので残存数は意外に少ないか。国際児童文学館と三康図書館が所蔵。冒頭筒井は「お母様方に」で、 (略)…

今なお大月健が遊びに来る善行堂

ぱる出版の『日本アナキズム運動人名事典』(平成16年4月)の増補改訂版が出るようだ。この事典の「荒川畔村」「小倉清三郎」「坂本紅蓮洞」「添田亜蝉坊」「武林無想庵」「辻潤」「脇清吉」などを書いたのは大月健である。大月没後刊行された評論集『イメージとしての唯一者…

「小村侯記念図書館」印の押された森宣次郎『日支条約改訂問題の研究と批判』(大阪屋号書店)

蔵書印の面白さを知ったのは、岡村敬二『「満洲国」資料集積機関概観』(不二出版、平成16年6月)だったか。その後、「蔵書印/出版広告」さん(@NIJL_collectors)と知り合ったり、岡村先生の『戦前期外地活動図書館職員人名辞書』(武久出版、平成29年7月)に書物蔵…

明治34年1月京都府立図書館へ通う山本宣治

今年は山宣こと山本宣治の生誕130年・没後90年らしいので、宣治と京都府立図書館の関係についてアップしてみよう。 『山本宣治全集』6巻(汐文社、昭和54年10月)で大正3年7月17日付け竹久夢二宛山本宣治書簡へ次のような注がある。 (略)夢二と宣治との交際は…

大正6年1月京都府立図書館でラブレターを書く土田杏村

大阪市平野区の古書からたちがtwitter(@kosyokaratachi)で『土田杏村全集』から杏村の書庫・書斎を紹介していたので、便乗して杏村ネタを。杏村の没後刊行された『妻に與へた土田杏村の手紙』(第一書房、昭和16年12月)には、大正5年5月から6年11月までに杏村…

バルザック研究家水野亮を生んだ信濃図書館

どこで入手したか、創元社の月報『創元』1巻5号(昭和15年8月)が手元にある。『神保町が好きだ!2018』の例の「出版社・書店等PR誌一覧」(飯澤文夫)によれば、昭和15年1月創刊、昭和17年12月終刊。高橋輝次『ぼくの創元社覚え書』(亀鳴屋、平成25年10月)には青…

明治41年京都御苑内の京都府立図書館で法学を勉強する若者がいた

京都府立図書館は明治31年6月京都御苑内の博覧会協会東館を借り受け、開設された。その後、明治42年4月に現在地の岡崎に移転して開館したので、今年で岡崎開館110周年ということになる。そのため、2月24日(日)まで同図書館で記念展示「京都府立図書館 岡崎110…