神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

図書館

南洋協会が夢見た帝国日本の南洋博物館及び南洋図書館

中島俊郎「表象としてのジェームズ・ブルック」の抜刷を御恵投いただきました。ありがとうございます。「土俗研究者にして日本学術探検協会理事長の三吉朋十もチャーチワードのムー大陸に騙された。そして、三島由紀夫も?ーー森谷裕美子「三吉朋十と土俗学」への…

『東壁』(関西文庫協会)の編集委員川村猪蔵は、日出新聞記者だった

『図案会誌』2巻1号(京都図案会雑誌部、明治40年4月)の編集人に川村猪蔵という人がいた。このことは、「明治期の京都における染織図案史の修正を迫る『京都図案会誌』を発見 - 神保町系オタオタ日記」の注で言及したことがある。今回、その川村の経歴が判明し…

昭和14年南洋パラオに出現した帝国日本の書籍館ーー畑井新喜司パラオ熱帯生物研究所長は大東亜書籍館の夢を見るかーー

坂野徹『〈島〉の科学者:パラオ熱帯生物研究所と帝国日本の南洋研究』(勁草書房、令和元年6月)に、「書籍館」が出てくる。パラオ研の所長畑井新喜司が昭和13年に東北帝国大学を退官したことを記念に、翌年12月研究所に図書庫が作られた。畑井はそれを「書籍館」…

昨年翻刻された西田直二郎日記を読むー西田天香、石神徳門、竹林熊彦ら豪華メンバーが登場ーー

京大大学文書館が所蔵する西田直二郎日記の翻刻、入山洋子「西田直二郎日記(1)」『京都大学大学文書館研究紀要』18号(Kyoto University Research Information Repository: ブラウズ)が発表されて、1年が経つ。すっかり読むのを忘れていたが、ようやく読了。様…

顕真学苑旧蔵の板原闡教『宗祖ニ関スル典籍分類表』(昭和17年)ーー和歌山県二里ヶ浜の開道舎文庫ーー

最近京都の古書店の目録や店頭でよく見かける「顕真学苑蔵書」印の押された本。三密堂書店の100円均一台で見つけた板原闡教『宗祖ニ関スル典籍分類表』もそれだった。仏教系図書館の図書分類表かと思って、買ってみた。 分類は、一伝記、二年表、三旧蹟、四筆…

九鬼隆治の皇道宣揚会による皇道図書館計画ーー並木軍平による皇道図書館の前史?ーー

並木軍平が群馬県に仮文庫を創立した皇道図書館については、その目録『皇道図書館蔵書目録第1輯』(皇道図書館創立事務所、昭和18年12月。以下「蔵書目録」という)が小林昌樹編・解題で金沢文圃閣から復刻されている。同図書館の名誉顧問は、日本大学皇道学院…

奈良県立図書館司書仲川明から飯田衛宛年賀状(昭和10年)ーーナルシスト?の図書館員仲川明ーー

先月の寸葉会で入手した仲川明から奈良県山辺郡朝和村の飯田衛宛昭和10年年賀状。勤務先が、奈良県立図書館なので購入。「プロフイルにて御挨拶申上げます」とある。無名の人かと思ったら、『図書館人物事典』に立項されていた。明治32年生、昭和46年没。大…

三密堂書店で槙村正直『私用文』(書籍会社、明治7年)を発見ーー「夢見る京都集書院」の世界ーー

三密堂書店で槙村正直『私用文』(書籍会社、明治7年4月)を購入。昨年から店内にあった。しかし、表紙の「槙村正直 私用文初編」だけを見て、京都府知事を務めた槙村個人の著作ではなく、京都府が作成した教科書で名義だけ槙村にしたのだろう、教科書なら幾つか…

昭和9年鹿児島県立図書館で奥田啓市館長と会った大場磐雄と藤島武二

大場磐雄「楽石雑筆〈中〉」*1を読書中。そうしたら、奥田啓市鹿児島県立図書館長を発見。 (昭和九年) ◎一月五日(略) 九時過の列車にて別れ鹿児島着十一時少過、山田五十麿氏*2にあう、氏の遺物は図書館にありというを以て一同そこに赴く、図書館長に逢い便宜…

昭和14年における仏教専門図書館叡山文庫の概要及び所蔵記録の分類

百萬遍知恩寺秋の古本まつりでは色々珍しいものが買えたので、追々紹介していきたい。今回は、玉城文庫の3冊500円コーナーで見つけた『比叡山』17巻186号(比叡山発行所、昭和15年3月)。同誌は数冊出ていたが、今井常吉「叡山文庫所蔵記録の分類及閲覧に関して…

秋田県立秋田図書館横手分館旧蔵の『秋田考古会々誌』(秋田考古会)ーー柳田國男が顧問を務めた秋田考古会ーー

京都古書会館で開催された京都まちなか古本市では、紐閉じされた『秋田考古会々誌』1巻2号,大正14年11月から2巻1号,昭和3年2月までを入手。福田屋書店の和本の棚を念のためチエックしたら、紛れていた。500円。秋田県立図書館が1巻1号,大正14年8月から3巻6号…

第三高等学校の『嶽水会雑誌』(明治42年)に仏教大学学生梅原真隆の演説記事

第三高等学校の校友会雑誌『嶽水会雑誌』(第三高等学校嶽水会)は復刻版も出ているので、1度は通覧してみたいものである。明治32年3月創刊、嶽水会の当初の会長は、校長の折田彦市であった。原本は、43号(明治42年6月)を三密堂書店の100円均一台で見つけてい…

姉崎正治が創設した三高仏教青年会と中井正一の青春

百万遍知恩寺の古本まつりで見つけた『会報』26号(三高同窓会、昭和39年)は、菊田太郎「仏教青年会の第二期」が載っているので購入*1。三高仏教青年会は3期に分かれるという。卒業年を補って要約すると、 ・第1期 北畠貞顕(明治26年卒) 下間空教(明治34年卒) …

『出版月評』(月評社)に図書館記事を書いたのは誰だ?

最初の出版物批評の専門雑誌とされる『出版月評』は、明治20年8月から24年8月まで40冊刊行された。全冊の復刻版も出ているし、私が奈良の朝倉文庫(2月に閉店)で買った日本近代文学館編『復刻日本の雑誌』(講談社)による創刊号復刻版もある。『日本近代文学大…

中学生だった寿岳文章の心をとらえた東枝書店ーー東枝書店の『図書総目録』(大正2年)から見るーー

中島俊郎先生に御恵与いただいた『向日庵』3号(特定非営利活動法人向日庵、令和2年1月)の佐藤光「寿岳文章のウィリアム・ブレイク研究」に東枝書店が出てきた。寿岳「ブレイク研究への序説」『ブレイクとホヰットマン』1巻1号,昭和6年が初出で、 私の追憶は、私…

東海堂書店のPR誌『図書雑誌月報』の昭和5年新年号『新刊雑誌名著書籍目録』

平成28年7月に入手しているので、たにまち月いち古書即売会で入手したか。東海堂書店のPR誌『図書雑誌月報』25巻1号,昭和5年1月が出てきた。巻数から逆算すると、明治39年創刊ということになる。表紙には「新刊雑誌名著書籍目録」とある。表紙に「夢見る京都の…

出版史料としても使える『小中村清矩日記』(汲古書院)ーー上野図書館に寄贈された『歌舞音楽略史』ーー

国会図書館は小中村清矩『歌舞音楽略史』乾・坤(小中村清矩、明治21年2月)を2点所蔵している。1つは帝国図書館に寄贈され冑山文庫となっている根岸武香旧蔵書である。もう1つは国立国会図書館の印が押されたものである。明治の刊行時に内務省から交付された…

漱石全集の補足を書いた日ーー紅野敏郎先生の没後10周年ーー

岩波書店の伝統的看板たる『漱石全集』の定本版も着々と刊行され、近く完結予定である。かつて、紅野敏郎先生が旧全集の書簡篇に書いた注について、私は「紅野敏郎先生の図書館員知らず - 神保町系オタオタ日記」と書いたことがある。紅野先生に「図書館員知…

慶應義塾図書館の國分剛二と柳田國男の関係

『荘内』6号(荘内社、昭和13年7月)が手元にある。発行兼編輯人は斎藤恵太郎、荘内社は東京市芝区に所在。常田書店の300円を100円に下げた値札が貼ってあるので、西部古書会館で買ったのだろう。目次を挙げておこう。 柳田國男や國分剛二が書いているので、買…

日本大学総長山岡萬之助が主宰した宗教雑誌『宇宙』(宇宙社)と大東信教協会

先日の人文研における古本バトルに引っ張り出されて、『宇宙』など3誌を紹介。『宇宙』についてはあまり調べずに臨んでしまったが、その後色々判明したので補足しておこう。『宇宙』8巻3号(宇宙社、昭和8年3月)を見つけたのは、今年の知恩寺の古本まつりに行…

大正6年慶應義塾図書館の閲覧室で開かれた福澤先生十七年忌晩餐会

福澤諭吉は明治34年2月3日逝去。今なお慶應の塾生・塾員(卒業生)から福澤先生と呼ばれているようだ。「日本の古本屋メルマガ」で「『図書館絵葉書』を発見した人」として紹介された書物蔵氏も慶應文学部卒で塾員である。その書物蔵氏は、大学図書館で学生嘱託と…

大正4年における富士屋ホテル文庫の蔵書

名著永嶺重敏『の誕生 明治30年代の活字メディアと読書文化』(日本エディタースクール出版部)が刊行されて15年。そろそろ文庫化してほしいものである。出すならちくま学芸文庫か講談社学術文庫か。解説はドカーンと書物蔵氏を抜擢してほしいなあ(*_*) わしも…

澁川驍の詳細年譜・著作目録が索引付きで刊行されていた

図書館で山﨑柄根編著『昭和の作家澁川驍 年譜・著作目録』(研成社、令和元年8月)を発見。偶然にも同日書物蔵氏も書店で見つけたらしい。戦前は帝国大学新聞社や東京帝国大学図書館、戦後は国会図書館等に勤めた澁川。拙ブログでも話題にしたことがある人物…

堀内庸村と共に青年日本社(青年文化振興会)を創立した東白陵

三密堂書店の100円均一台で東白陵という木津高校の教師であった画家の伝記を見つけた。牧野芳子『鹿背山の画教仙人東白陵』(平成12年7月)である。知らない画家だし、木津高校とは縁もゆかりもないが、略年譜の昭和7年の条に「堀内庸村氏と青年文化振興会[マ…

京都帝国大学附属図書館の兵働竹酔

冨山房の『国民百科大辞典』14巻(昭和13年4月)の「寄稿家名鑑」には、数名の図書館学・書誌学関係者が見える。 庄司浅水 [製本・書籍] 田中敬 大阪商大図書館嘱託 [図書学] 長沢規矩也 法政大学講師 [書誌学(支那)] 弥吉光長 丸善株式会社 [図書館] 著…

佐賀図書館長西村謙三の印が押された西周訳『性法説約』

吉岡書店で見つけた西魯人(西周)訳『性法説約』については、「吉岡書店で西魯人訳『性法説約』を」で言及したところである。最初に本書を発見した金子一郎氏の本には「宮尾」印が押されていたらしいが、実は私のにも印が押されていた。 読めなかったのだが、twit…

書砦・梁山泊京都店の本で知った御所内の京都府立図書館の状況

今年の下鴨納涼古本まつりも今日で終わった。初日は某書店の均一台に一番乗りしたがカラブリであった。まあ、そういうこともある。さて、古本まつり3日目に行った帰りに寺町の書砦・梁山泊京都店をのぞいてきた。ここは図書館のように広く、ずらりと書棚が並…

もう一人の満鉄調査屋流転ーー『印度資源論』の真の訳者に迫る検印の謎ー

なんか知らんうちに小林昌樹編・解説『満鉄調査部から国会図書館へーー調査屋流転』(金沢文圃閣)なる本が出てた。戦前満鉄の調査マンで戦後国会図書館の調査及び立法考査局長や副館長を務めた枝吉勇の自伝『調査屋流転』と併せて国会図書館職員名簿などの復…

謎の極東簡易図書館ーー下田歌子編『和文教科書』に押された蔵書印ーー

初日に古本猛者らと廻ったみやこめっせの古本まつりも最終日ということで、また行ってきました。ヨドニカ文庫の戦前期教科書300円コーナーでしつこく猟書。2月の京都古書会館の古本まつりの時に見つけたが結局買わなかった「極東簡易図書館蔵書」印のある源歌…

天理図書館の金子和正旧蔵『小汀文庫珍本展観入札目録』

四天王寺春の大古本祭5日目。東京から古本猛者が押しかけてくるというので、100円均一コーナーで待機していると、追加されたらしい箱を発見。目録・図録などが入っていて、『小汀文庫稀書珍本展観入札目録』(東京古典会、昭和47年)が2冊あった。一方には書…