図書館
今年6月亡くなられた西川祐子先生が編者の一人となり解説も書かれた岸田俊子著、大木基子・西川編『湘煙選集3:湘煙日記』(不二出版、昭和61年5月)を読んでみた。『~日記』の類はだいぶ読んだつもりでも、まだまだ残っていますね。岸田俊子は、戸籍では万…
先日大阪歴史博物館の特集展示「ーわたしが難波橋のライオン像をつくりました!!ーなにわの彫刻家・天岡均一没後100年記念展」(7月8日まで)を観覧。《金剛力士像》(明治44年)のキャプションに注目した。 (略)均一の俳友で尼崎市立図書館員であった永…
これも噂の南部堂から平安蚤の市で購入した一品。大正8年8月23日付けで、発信者の「春城生」は、大正6年に早稲田大学初代図書館長を辞した市島春城(本名謙吉)と思われる。ナンブさんなので安く、500円か1,000円だったか。 宛名の小田嶋彦太郎は、『早稲田…
今や「居場所としての図書館」の筆頭として脚光を浴びる石川県立図書館(田村俊作館長)。同図書館の戦前における館長(昭和6~15年)として中田邦造がいた。西田幾多郎の門下生でもあったので、現在石川県かほく市の西田幾多郎記念哲学館で「図書館社会教育…
知恩寺秋の古本まつりも11月5日で終了。私の古本生活も一段落である。今回の古本まつりでは、特に竹岡書店の均一台で色々拾えました。写真を挙げた『演劇博物館の栞』(早稲田大学坪内博士記念演劇博物館、昭和15年12月)や『歌舞伎劇場図大展覧会目録:演劇…
「グーグルブックス」で「神保町系オタオタ日記」を検索したら、見慣れない本がヒット。平山周吉『満洲国グランドホテル』(芸術新聞社、令和4年4月)である。拙ブログに言及していただきまして、ありがとうございます。同書の「第二十回 「満洲国に絶望した…
『青野季吉日記』(河出書房新社、昭和39年7月)昭和20年1月29日の条に、拓殖大学図書館員だった牛島軍平らしき人が出てくる。これは、「拓殖大学図書館員牛島軍平 - 神保町系オタオタ日記」で紹介したところである。牛島は、館界には足跡を残しておらず、『…
昨年知恩寺の古本まつりで竹岡書店の8冊まで500円台から、『趣味之北日本』3号(郷土研究社、昭和6年11月。以下「本誌」という)を発見。郷土研究社は金沢市に所在し、発行兼編集人は金沢市の大蔵一郎である。『書誌学』5号(日本書誌学会、昭和41年7月)所収の山…
『近代出版研究』創刊号(皓星社発売)が大成功した近代出版研究所長小林昌樹君の「宗教と図書館の近代史」が、昨年2月から3月まで『佛教タイムス』に連載された。内容は、「小林 昌樹 (Masaki KOBAYASHI) - マイポータル - researchmap」の「MISC」で見ることができ…
岡崎のブックス・ヘリングで入手した冊子『教化問題並に悪思想防止策:文部大臣に建言書の写』(皇道普及会事務所、昭和4年4月)については、「大連にあった皇道普及会の会長大石萬壽ーー昭和4年日本の古典神典を翻訳して猶太民族に配れと文部大臣に提言ーー - …
『大阪図書館第二回図書展覧会』(大阪図書館、明治39年4月)は、4年前に神戸の古書つのぶえで入手したようだ。17頁、300円。明治期の小冊子が安いとつい買ってしまうが、本書は今なら買わないかもしれない。出品目録なので、書名、発行年などの書誌事項しか記…
石井敦先生の『簡約日本図書館先賢事典:未定稿』(石井敦、平成7年3月)の向こうを張って、「オタどん編著『簡約大日本図書館先賢事典 未定稿』 - 神保町系オタオタ日記」をまとめたことがある。その後、館界でこれに刺激を受けたか(まさか)、日本図書館文化史…
知恩寺秋の古本まつりで其中堂から入手した梅原真隆の個人雑誌『道』(親鸞聖人研究発行所、のち道発行所)を見ていたら、廿日出逸暁(はつかで・いつあき)の名前が出てきて驚いた。一つは、125号,昭和10年10月の「道味」欄で、金剛山に来た廿日出からの「去三日以…
中島俊郎「表象としてのジェームズ・ブルック」の抜刷を御恵投いただきました。ありがとうございます。「土俗研究者にして日本学術探検協会理事長の三吉朋十もチャーチワードのムー大陸に騙された。そして、三島由紀夫も?ーー森谷裕美子「三吉朋十と土俗学」への…
『図案会誌』2巻1号(京都図案会雑誌部、明治40年4月)の編集人に川村猪蔵という人がいた。このことは、「明治期の京都における染織図案史の修正を迫る『京都図案会誌』を発見 - 神保町系オタオタ日記」の注で言及したことがある。今回、その川村の経歴が判明し…
坂野徹『〈島〉の科学者:パラオ熱帯生物研究所と帝国日本の南洋研究』(勁草書房、令和元年6月)に、「書籍館」が出てくる。パラオ研の所長畑井新喜司が昭和13年に東北帝国大学を退官したことを記念に、翌年12月研究所に図書庫が作られた。畑井はそれを「書籍館」…
京大大学文書館が所蔵する西田直二郎日記の翻刻、入山洋子「西田直二郎日記(1)」『京都大学大学文書館研究紀要』18号(Kyoto University Research Information Repository: ブラウズ)が発表されて、1年が経つ。すっかり読むのを忘れていたが、ようやく読了。様…
最近京都の古書店の目録や店頭でよく見かける「顕真学苑蔵書」印の押された本。三密堂書店の100円均一台で見つけた板原闡教『宗祖ニ関スル典籍分類表』もそれだった。仏教系図書館の図書分類表かと思って、買ってみた。 分類は、一伝記、二年表、三旧蹟、四筆…
並木軍平が群馬県に仮文庫を創立した皇道図書館については、その目録『皇道図書館蔵書目録第1輯』(皇道図書館創立事務所、昭和18年12月。以下「蔵書目録」という)が小林昌樹編・解題で金沢文圃閣から復刻されている。同図書館の名誉顧問は、日本大学皇道学院…
先月の寸葉会で入手した仲川明から奈良県山辺郡朝和村の飯田衛宛昭和10年年賀状。勤務先が、奈良県立図書館なので購入。「プロフイルにて御挨拶申上げます」とある。無名の人かと思ったら、『図書館人物事典』に立項されていた。明治32年生、昭和46年没。大…
三密堂書店で槙村正直『私用文』(書籍会社、明治7年4月)を購入。昨年から店内にあった。しかし、表紙の「槙村正直 私用文初編」だけを見て、京都府知事を務めた槙村個人の著作ではなく、京都府が作成した教科書で名義だけ槙村にしたのだろう、教科書なら幾つか…
大場磐雄「楽石雑筆〈中〉」*1を読書中。そうしたら、奥田啓市鹿児島県立図書館長を発見。 (昭和九年) ◎一月五日(略) 九時過の列車にて別れ鹿児島着十一時少過、山田五十麿氏*2にあう、氏の遺物は図書館にありというを以て一同そこに赴く、図書館長に逢い便宜…
百萬遍知恩寺秋の古本まつりでは色々珍しいものが買えたので、追々紹介していきたい。今回は、玉城文庫の3冊500円コーナーで見つけた『比叡山』17巻186号(比叡山発行所、昭和15年3月)。同誌は数冊出ていたが、今井常吉「叡山文庫所蔵記録の分類及閲覧に関して…
京都古書会館で開催された京都まちなか古本市では、紐閉じされた『秋田考古会々誌』1巻2号,大正14年11月から2巻1号,昭和3年2月までを入手。福田屋書店の和本の棚を念のためチエックしたら、紛れていた。500円。秋田県立図書館が1巻1号,大正14年8月から3巻6号…
第三高等学校の校友会雑誌『嶽水会雑誌』(第三高等学校嶽水会)は復刻版も出ているので、1度は通覧してみたいものである。明治32年3月創刊、嶽水会の当初の会長は、校長の折田彦市であった。原本は、43号(明治42年6月)を三密堂書店の100円均一台で見つけてい…
百万遍知恩寺の古本まつりで見つけた『会報』26号(三高同窓会、昭和39年)は、菊田太郎「仏教青年会の第二期」が載っているので購入*1。三高仏教青年会は3期に分かれるという。卒業年を補って要約すると、 ・第1期 北畠貞顕(明治26年卒) 下間空教(明治34年卒) …
最初の出版物批評の専門雑誌とされる『出版月評』は、明治20年8月から24年8月まで40冊刊行された。全冊の復刻版も出ているし、私が奈良の朝倉文庫(2月に閉店)で買った日本近代文学館編『復刻日本の雑誌』(講談社)による創刊号復刻版もある。『日本近代文学大…
中島俊郎先生に御恵与いただいた『向日庵』3号(特定非営利活動法人向日庵、令和2年1月)の佐藤光「寿岳文章のウィリアム・ブレイク研究」に東枝書店が出てきた。寿岳「ブレイク研究への序説」『ブレイクとホヰットマン』1巻1号,昭和6年が初出で、 私の追憶は、私…
平成28年7月に入手しているので、たにまち月いち古書即売会で入手したか。東海堂書店のPR誌『図書雑誌月報』25巻1号,昭和5年1月が出てきた。巻数から逆算すると、明治39年創刊ということになる。表紙には「新刊雑誌名著書籍目録」とある。表紙に「夢見る京都の…
国会図書館は小中村清矩『歌舞音楽略史』乾・坤(小中村清矩、明治21年2月)を2点所蔵している。1つは帝国図書館に寄贈され冑山文庫となっている根岸武香旧蔵書である。もう1つは国立国会図書館の印が押されたものである。明治の刊行時に内務省から交付された…