神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

2024-06-01から1ヶ月間の記事一覧

法藏館図書目録大正15年版と令和6年版

令和6年版の『法藏館図書目録』が出ていたので貰ってきた。「法藏館の歩みと理念」から一部を引用しておこう。 慶長年間(1596-1615) 大坂城落城のころに本家丁子屋初代西村九郎右衛門、大坂より京都へ転居。のち五条橋通扇屋町で一向宗(浄土真宗)の仏書…

日本基督室町教会へ通う谷口善之と京大YMCA

先々月だったか臨川書店の古書バーゲンで『地塩洛水:京都大学YMCA百年史』(京都大学キリスト教青年会、平成15年3月)を500円で入手。同書の「京大YMCA百年史年表」で、谷口善之が理事長(昭和7~9、14~19、28~29、33~34、36~41年)や副理事長…

尼崎市立図書館員永尾利三郎と難波橋ライオン像の天岡均一

先日大阪歴史博物館の特集展示「ーわたしが難波橋のライオン像をつくりました!!ーなにわの彫刻家・天岡均一没後100年記念展」(7月8日まで)を観覧。《金剛力士像》(明治44年)のキャプションに注目した。 (略)均一の俳友で尼崎市立図書館員であった永…

早稲田大学初代図書館長市島春城と伊藤仁斎の旧宅

これも噂の南部堂から平安蚤の市で購入した一品。大正8年8月23日付けで、発信者の「春城生」は、大正6年に早稲田大学初代図書館長を辞した市島春城(本名謙吉)と思われる。ナンブさんなので安く、500円か1,000円だったか。 宛名の小田嶋彦太郎は、『早稲田…

種字彫刻師君塚樹石と平楽寺書店の井上四郎

市谷の杜 本と活字館の「活字の種を作った人々」展が6月2日に終了した。印刷博物館には何度も行っているが、本と活字館はまだ行ったことがない。同展では、種字彫刻師の一人として君塚樹石を紹介していたので、観に行きたかった。 私が君塚を知ったのは、平…

噂の南部堂から武井武雄の『がり通』18号(榛の会、昭和19年1月)

今年は武井武雄生誕130年記念ということで、長野県岡谷市のイルフ童画館で「新コレクション展」を6月17日まで開催中である。そこで、今回は4月の平安蚤の市で南部堂から入手した『がり通』18号(榛の会、昭和19年1月)を紹介しよう。南部堂は東京古書会館の…

関西初の活人画に出演した金子錦二と虎屋町小文ー井上章一先生が選んだ京谷啓徳『凱旋門と活人画の風俗史』(講談社選書メチエ)ー

朝お出かけすると、たまに日文研へ出勤途上と思われる井上章一所長とすれ違うことがある。その井上先生が、講談社選書メチエ創刊30周年記念の冊子『執筆者150人が選んだ524+冊:1994~2024年ベストセレクション』(講談社)の「私が選ぶ選書メチエの『この…

南方科学研究所設立に奔走する羽田亨京都帝国大学総長と民族研究所の岡正雄

大佛次郎の戦時中の日記*1に戦後奈良教育大学教授となる地理学者林宏とジャカルタの南方文化研究所が出てくることは、「戦時下ジャカルタで南方文化研究所を開設する地理学者林宏ー大佛次郎『南方ノート』からー - 神保町系オタオタ日記」で紹介したところで…

大正大学出版部最初の刊行物『華鬘』創刊号(大正15年11月)

昨年11月西宮神社で第1回えべっさん古本まつりが開催された。下鴨納涼古本まつりを意識したものであったようだ。遠方なので、初日のみ参加した。大盛況で初回から成功と言ってよいだろう。ただ、合同レジと各店レジのエリアに分かれていたのは、ややこしかっ…

『近代仏教』31号に『「日本心霊学会」研究』(人文書院)の書評(木村悠之介)

昨年5月東北大学でシンポジウム「近代仏教史とオカルト研究ー吉永進一が残した課題の可能性ー」が開催された。京都でやってくれたらのぞきに行けたが、仙台では中々厳しいものがあった。しかし、幸い先月刊行された『近代仏教』31号(日本近代仏教史研究会)…