神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

トンデモ

満洲の唐木順三とスメラ学の前波仲尾

古田晁と臼井吉見とともに昭和15年筑摩書房を創業した唐木順三の評伝である澤村修治『唐木順三ーーあめつちとともにーー』が、昨年ミネルヴァ書房から刊行された。読んでみると、トンデモネタがあって驚き。唐木は、昭和5年5月三木清の斡旋で満洲教育専門学…

50年後の太平洋と1万2千年前のムー大陸を夢見た三好武二

昨年知恩寺の古本まつりで買った友松円諦主幹の『真理』1年5号(全日本真理運動本部、昭和10年5月)。全体的に折れ曲がっていて状態はよくなくて500円だが、三好武ニ「南方熊楠研究」が載っているので購入。三好武ニといっても、その名前にビビビと来るのは、…

戦前期朝鮮における生気療法家秋田春蔵

福田與『満点の星を仰ぎて』(福田図書室、昭和61年10月)に福田の長姉糸野の夫である秋田春蔵という人物が出てくる。朝鮮の京城で漁具製造販売の卸問屋を表看板でするほか、自動車の路線を購入して不便な奥地に車を走らせたり、禿げ山を購入して盛んに植樹な…

財団法人佐藤新興生活館生活図書館旧蔵の仏教社会学院編『新興類似宗教批判』

東京古書会館の何展で買ったか不明だが、水平書館の千円の値札が残っている。大東出版社から昭和11年2月発行。 目次は、 新興宗教批判 椎尾弁匡 邪教は何故繁盛するか 高島米峰 擬似宗教は人心を□毒す 加藤咄堂 謂る邪教の教学的批判 石津照璽 精神病学から…

岡田播陽の娘がはまった関東断食寮

岡田誠三『自分人間』(中央公論社、昭和52年1月)に岡田播陽の娘で、誠三の妹に当たる照子が昭和13年9月列車から転落死した話が出てくる。残された日記によると、 上京した照子はかねて予定していたように、東海道線国府津の町外れの海べりにある断食寮で数回…

国際政経学会常務理事増田正雄の敗戦前後

「戦時下のユダヤ研究会と丸山敏雄の日記」で紹介したユダヤ研究会と丸山の関係は、昭和19年から始まっている。『丸山敏雄全集』17巻(倫理研究所、昭和54年5月)に次のようにある。 (昭和十九年) 五月六日(土)猶太研究会 (略) 午後一時より読売五階講堂にて山…

下鴨納涼古本まつりでは藤井会編『藤井療法の真価と輝く寿像』を

今年の下鴨納涼古本まつりも終わってしまって、次の青空古本まつりは来月の天神さんと四天王寺である。さて、上記は竹岡書店の3冊500円のコーナーで発見。この1冊が欲しかったが、1冊売りはしないということで後2冊探すのに苦労した。最終日は10冊500円にな…

天神さんの古本まつりで拾った村雲龍三『革身術』

昨年天神さんの古本まつりの100円均一コーナーで拾った一冊。昔、井村宏次先生の霊術本や田中聡氏の健康法本を愛読していたので、今でも戦前の怪しそうな療術本を見かけるとつい買ってしまう。本書は、大阪市住吉区天王寺町の村雲革身術普及会から昭和2年11…

田多井四郎治のウエツブミ研究会と田中治郎左衛門

今日は某先生の書庫に唖然・騒然・愕然とした一日であった。 さて、『丸山敏雄全集』17巻(倫理研究所、昭和54年5月)にウエツブミ研究会が出てくる。 (昭和十七年) 五月二十三日(土)晴 (略) 一時に飯田橋から下りて、営林局会議室で、ウエツブミ研究会に出席…

戦時下のユダヤ研究会と丸山敏雄の日記

久しぶりに驚愕の日記を発見。『丸山敏雄全集』日記篇(社団法人倫理研究所)だが、この日記が凄い。増田正雄のユダヤ研究会、田多井四郎治のウエツブミ研究会、契丹古伝などがボンボン出てくる。未知のトンデモ本にも言及されていてたまげました。とりあえず…

宮田昌明『西田天香』(ミネルヴァ書房)に日ユ同祖論

山科にある一燈園の西田天香については、『天華香洞録』に村井弦斎のタラコン湯が出てくることを紹介したことがある*1。しかし、西田そのものについては、真っ当すぎて面白くなさそうだと思って、伝記を読んだりはしてこなかった。今回、ミネルヴァ日本評伝…

酒井勝軍の孫が小説の主人公になる時代

その昔、『地球ロマン』復刊全6号や『迷宮』全3号という雑誌で取り上げられた戦前のトンデモない人達も、今や小説や漫画の登場人物となり、身近な(?)存在となっている。 安彦良和『虹色のトロツキー』の安江仙弘、大塚英志氏の木島日記シリーズの藤沢親雄ら…

京都大学鞍馬山UFO研究会の女性会長

田口ランディ『マアジナル』(角川書店、平成23年5月)に京都大学鞍馬山UFO研究会の初代会長岡田淳子という女性が出てくる。年に一度の鞍馬の星祭りに山の頂上で部員らとピンク・レディーの「UFO」を踊ると、空飛ぶ円盤がやって来たという。京大で実在したの…

田澤耕『列伝』(中公新書)で解けた村井二郎の謎

八幡書店(はちまんしょてん)から復刻された三村三郎『ユダヤ問題と裏返して見た日本歴史』(日猶関係研究会、昭和28年8月)という本がある。かわじ・もとたか『畸人傳・伝』(かわじ・もとたか、1995年8月)で言及されてはいないが、一種の奇人伝でもある…

『雑誌新聞発行部数事典』で謎の心霊雑誌をハツケン

これまた『雑誌新聞発行部数事典』を見ていて、「あれっ」と思った一冊。『心霊研究』創刊号(山陰心霊科学研究会、昭和11年4月)、12年3月9日処分だが、心霊雑誌で発禁というのも珍しい、『出版警察報』103号を見ると、松江市で発行されたもので、処分理由…

『雑誌新聞発行部数事典』でハツキン雑誌『静坐の生活』をハツケン

『雑誌新聞発行部数事典ーー昭和戦前期 附.発禁本部数総覧』(金沢文圃閣)を読破。ていうか、書名だけ斜め読み。そしたら発禁になったオモロイ本を色々発見。『昭和書籍雑誌新聞発禁年表』の書名も同様に全部見たはずだが当時と今とでは関心領域が異なるの…

プロトコールはトンデモだと昇曙夢言い

『科学知識』19巻3号(科学知識普及会、昭和14年3月)に昇曙夢「『プロトコール』の正体」が掲載されている。そこで昇は、ユダヤ人に対する非難の主な動機であり、反ヤダヤ主義者の虎の巻である秘密の書『シオンの議定書』が眉唾物であると指摘している。議…

臨川書店の古書バーゲンで井上活泉編『恩光集』(国文社、昭和15年6月)

臨川書店の月1回のバーゲンで100円。非売品、277頁。国文社は、京都市下京区猪熊通七条南入に所在。状態は良くないが、山室軍平の遺稿「心の病と其の救治」や生長の家総裁谷口雅春「他のために」などが載っているので、拾う。井上という人物は知らなかったが…

オカルティストとしての下中彌三郎

中島岳志『下中彌三郎』(平凡社、2015年3月)は、超国家主義者としての側面が中心で、オカルティストとしての下中はあまり出てこない。その点で、やや物足りないものがあった。それでも、323頁で紹介された「万教帰一」『無派』昭和37年8月号は面白かった。…

吉田東洲の本に尾島真治登場

尾島真治という心霊学を研究していたらしいキリスト者については、「中山忠直の暴走する妄想(その1)」、「長尾真治ではなく尾島真治だった」や「『古人今人』の「知人消息」欄の資料的価値」で紹介したところである。その尾島が「戦後も活躍した藤沢親雄…

心霊学を研究する柏木義円

「読めば読むほど味が出る『柏木義円日記』」で言及した明治40年の『心霊雑誌』、キリスト教関係の雑誌ではないかとの御教示をいただきました。原本はどこにもなさそうなので確認できないが、その可能性は高い。柏木義円は、明治35年5月から群馬県の安中教会…

酒井温理と太霊道の時代

酒井温理が片野真佐子編『柏木義円日記補遺』(行路社、2001年3月)にも出てきました。 (大正八年)一月二十六日(略)辞シテ青山行電車ニ乗リ酒井温理氏ニ至ル。上原欽二君ト語リテ夕刻ニ至レバ酒井氏御帰宅、夕食ヲ共ニシ御夫婦喜ンデ歓待セラル。大[ママ…

酒井勝軍ならぬ、もう一人の酒井なる酒井温理

酒井温理という人物が酒井勝軍の周囲にいたことについては、「酒井勝軍の死とトンデモない人達」で言及したところである。これに補足すると、 ・三村三郎『ユダヤ問題と裏返して見た日本歴史』(日猶関係研究会、昭和28年8月)に、戦前の学界における親ユダ…

読めば読むほど味が出る『柏木義円日記』

『真崎甚三郎日記』とか柳田国男の『炭焼日記』は、読み返す度に様々な発見がある。この飯沼二郎・片野真佐子編『柏木義円日記』(行路社、1998年3月)も読みづらい日記だが、再読していると色々面白い発見がある。 (明治四十年)八月十四日(略)「心霊雑…

唯書房出品の『密教講演集』第一輯(密教青年会・新密教社、大正9年1月)

大阪古書会館で唯書房出品の上記を800円で。目次は、 密教とデモクラシー 密教青年会講師 佐藤独嘯 弘法大師と将来の仏教 同 和田性海 生命主義の宗教 文学博士 福来友吉 真言密教の宇宙観 前豊山大学長・大僧正 権田雷斧 密教に関心はないが、福来の講演が…

『精神統一』も『太霊道之教義』も持ってた創刊号コレクター神原甚造

『太霊道』創刊号(宇宙霊学寮、大正6年11月1日初版・同月20日51版)を入手。発行兼編輯人は、伊藤延次。CiNiiで検索すると、香川大学図書館神原文庫と東京大学明治新聞雑誌文庫が創刊号を持っていた。神原文庫って何だっけなあとホームページを見てみると、…

『健康之研究』(健康之研究社)の出版広告がオモシロ

某所で『向上』9巻5号(修養団本部、大正4年5月)を300円で。発行兼編輯人は蓮沼門三。ググったら、修養団は現在も公益財団法人として存在しているようだ。 さて、本誌をパラパラめくっていたら、『健康之研究』という雑誌の広告が載っていて、とても面白そ…

木村鷹太郎も真っ青、名古屋国語国文学会の織田善雄

柳田國男関係の論文抜刷をいただいたので、柳田関係のネタを。 竹内文書(竹内文献)について柳田へ語る織田善雄という人物が柳田の『炭焼日記』に登場することを最初に言及したのが、大塚英志先生である。わしがその後「柳田國男と「偽史」関係者織田善雄」…

戦後も活躍した藤沢親雄

珍しく生身の人間と藤沢親雄について話す機会があったので、最近仕入れた藤沢ネタをアップ。大阪古書会館で拾った吉田東洲『人物遍歴縦横録』(古今評論社、昭和53年2月)。全然未知の本だが、目次を見てみると、人名がずらずらと並ぶ。おっ、藤沢親雄の名が…

佐藤卓己「「メディア流言」の時代」第四回「二・二六事件の『流言蜚語』と太古秘史のデモクラシー」

佐藤先生の『考える人』連載「「メディア流言」の時代」は終了したが、第四回(同誌2014年秋号)に偽史ネタが。 発禁になった中山忠直『我が日本学』(上田屋書店、1939年)や藤沢親雄、更には森田朋子論文「スメラ学塾をめぐる知識人達の軌跡ーー太平洋戦争…