トンデモ
昨年12月平安蚤の市で酒井勝軍『太古日本のピラミツド』(国教宣明団、昭和9年7月)発行の案内状を購入した。pieinthesky氏からで、1,000円。近代ピラミッド協会創立のきっかけとなった武内裕『日本のピラミッド』(大陸書房、昭和50年12月)がセンセーショ…
ランキング参加中歴史 4年前の秋、星野画廊近くの神宮道を歩いていたら、ある看板にビックリ。京都写真美術館の「西田茂雄写真展 ソロモンの秘宝発掘に挑んだ男」で、会期は11月19日~24日であった。展示によれば、明治34年生まれの宮中要春(みやなか・とし…
「グーグルブックス」で「神保町系オタオタ日記」を検索したら、見慣れない本がヒット。平山周吉『満洲国グランドホテル』(芸術新聞社、令和4年4月)である。拙ブログに言及していただきまして、ありがとうございます。同書の「第二十回 「満洲国に絶望した…
だんだんボケてきたのと古本を買いすぎるのと両方で、どこで買ったのか思い出せない古本が増えてきた。今回紹介する杉浦翠子編集の『短歌至上主義』10巻4号(藤浪会、昭和17年4月)も、最近西部古書会館で買ったような、違うようなとはっきりしない。と思って…
藤澤親雄の年譜については、「国際人藤澤親雄がトンデモに至る道 - 神保町系オタオタ日記」で作成したところである。小見山登編『創造的日本学:藤澤親雄遺稿 附諸家追悼・随想録』(日本文化連合会、昭和39年2月) 所収の「経歴年譜抄」が当てにならないので、他…
天神さんの古本まつりも本日で終了した。いつものことながら、特に100円均一台が素晴らしかった。今回は、駱駝堂から300円で買った仲小路彰『成吉思汗戦史』(戦争文化研究所発行・世界創造社発売、昭和14年3月)を紹介しよう。「世界興廃大戦史」シリーズの東洋…
平成8年6月『歴史を変えた偽書:大事件影響与えた裏文書たち』(ジャパン・ミックス)が刊行された。ここに掲載された藤野七穂「偽史と野望の陥没大陸“ムー大陸”の伝播と日本的受容」には戦前ムー大陸に言及した未知の文献が多く引用されていて、感心したもので…
並木軍平が群馬県に仮文庫を創立した皇道図書館については、その目録『皇道図書館蔵書目録第1輯』(皇道図書館創立事務所、昭和18年12月。以下「蔵書目録」という)が小林昌樹編・解題で金沢文圃閣から復刻されている。同図書館の名誉顧問は、日本大学皇道学院…
一柳廣孝『〈こっくりさん〉と〈千里眼〉:日本近代と心霊学』(講談社、平成6年8月)は、身内の病、死などを通じて心霊学に関心を抱いた人物として、浅野和三郎、豊島与志雄、土井晩翠を挙げている。これに、大正8年11月15日長男で数え5歳の晃を結核性腹膜で…
『近代の仏教思想と日本主義』(法藏館)中のクリントン・ゴダール「日蓮主義と日本主義との衝突ーー日中戦争期における東亜連盟運動ーー」を読んでみた。石原莞爾について、「石原という人物のネットワークと、その昭和初期における思想的研究はあまりなされてい…
武田崇元氏の八幡書店から刊行された上原清二『世界の神都 飛騨高山』(昭和60年10月)に『飛騨神代遺跡研究会提唱の辞』が覆刻されている。そこに第1回から第3回までの研究会の出席者名簿が載っている。第1回分だけ挙げておこう。 天津教の信奉者とされる人が…
法藏館刊行の好著、大谷栄一・吉永進一・近藤俊太郎編『近代仏教スタディーズ:仏教からみたもうひとつの近代』(法藏館、平成28年4月)の坂本慎一「ラジオ説教の時代」に、友松円諦(1895-1973)が出てくる。これによると、昭和9年3月ラジオで新番組『聖典講義…
日猶同祖論とか秦氏ユダヤ人説を知ったのは、『地球ロマン』復刊1号(絃映社、昭和51年8月)だったか。全体の目次、資料目次と参考文献の一部を挙げておく。 この濃さ、レベルの高さ。参考文献に挙がっている本を古本屋で必至に探して、入手すると✓するのが楽…
神道天行居の友清歓真がチャーチワードのムー大陸に言及していたことは、「日本における「ムー大陸」受容史 - 神保町系オタオタ日記」で紹介したところである。あらためて読むと、日本における最初のムー大陸紹介者とされる三好武二が「MU(ルビ:ミユウ),」と…
「日本オカルティズム史講座」第4回の吉永進一「日本のピラミッドと超古代の夢:1930年代」を拝聴。戦前のトンデモない人物はたいてい知っていると自負していたが、未知の怪しい人達が大分出てきたので驚いた。それでも、最も驚いたのは三浦関造の上海での活動の…
ヘッケル『宇宙の謎』(大正5年1月2日) スターバック『宗教心理学』(大正5年1月7日) メーテルリンク『死後は如何』(大正5年9月18日) デゼルチス『心霊学講話』(大正5年9月8日購入[同月金銭出納簿]) 加茂熊太郎『迷信と科学』(大正6年2月22日) 速水滉『現代の…
1月23日午後1時からZoomで第4回「オカルティズム史講座」が開催されるようだ。 吉永進一「日本のピラミッドと超古代の夢:1930年代」 ヤニス・ガイタニディス「出版スピリチュアリティ:精神世界の出版社と翻訳者」 吉永さんの日本のピラミッド関係は、特に熱の入…
明日『ユリイカ』12月号の「特集偽書の世界」が出るようだ。私は一時期偽書、特に竹内文献等の超古代史物にハマっていたので、『歴史読本』の特集や原田実氏*1の著作は必ず買っていた。最近は、あまり関心もなくなり関係書もほとんど買わなくなってしまったが…
「秋田県立秋田図書館横手分館旧蔵の『秋田考古会々誌』(秋田考古会)ーー柳田國男が顧問を務めた秋田考古会ーー - 神保町系オタオタ日記」で言及した『秋田考古会々誌』(秋田考古会)の2巻1号,昭和3年2月中の「余白録」に注目すべき記述があった。 (略) 田圃の中…
書物蔵氏が、Twitterで「明治、大正期の文芸書の後刷りの末尾には書評も掲載されていた」とつぶやいていた。それで、トンデモ本にも書評が載ってたなあと、普及版である小谷部全一郎『日本及日本国民之起原』(厚生閣、昭和8年1月)を取り出してきた。元版は、昭…
藤澤親雄『世紀の預言』(偕成社、昭和17年3月初版・同年7月再販)は、社会人になってからどこかの均一台で見つけたと思う。いわゆるトンデモ本で、偽史とされる契丹古伝、竹内文献、上記、九鬼文献、ムー大陸説などを駆使している。竹内文献については、天津…
先日の人文研における古本バトルに引っ張り出されて、『宇宙』など3誌を紹介。『宇宙』についてはあまり調べずに臨んでしまったが、その後色々判明したので補足しておこう。『宇宙』8巻3号(宇宙社、昭和8年3月)を見つけたのは、今年の知恩寺の古本まつりに行…
古田晁と臼井吉見とともに昭和15年筑摩書房を創業した唐木順三の評伝である澤村修治『唐木順三ーーあめつちとともにーー』が、昨年ミネルヴァ書房から刊行された。読んでみると、トンデモネタがあって驚き。唐木は、昭和5年5月三木清の斡旋で満洲教育専門学…
昨年知恩寺の古本まつりで買った友松円諦主幹の『真理』1年5号(全日本真理運動本部、昭和10年5月)。全体的に折れ曲がっていて状態はよくなくて500円だが、三好武ニ「南方熊楠研究」が載っているので購入。三好武ニといっても、その名前にビビビと来るのは、…
福田與『満点の星を仰ぎて』(福田図書室、昭和61年10月)に福田の長姉糸野の夫である秋田春蔵という人物が出てくる。朝鮮の京城で漁具製造販売の卸問屋を表看板でするほか、自動車の路線を購入して不便な奥地に車を走らせたり、禿げ山を購入して盛んに植樹な…
東京古書会館の何展で買ったか不明だが、水平書館の千円の値札が残っている。大東出版社から昭和11年2月発行。 目次は、 新興宗教批判 椎尾弁匡 邪教は何故繁盛するか 高島米峰 擬似宗教は人心を□毒す 加藤咄堂 謂る邪教の教学的批判 石津照璽 精神病学から…
岡田誠三『自分人間』(中央公論社、昭和52年1月)に岡田播陽の娘で、誠三の妹に当たる照子が昭和13年9月列車から転落死した話が出てくる。残された日記によると、 上京した照子はかねて予定していたように、東海道線国府津の町外れの海べりにある断食寮で数回…
「戦時下のユダヤ研究会と丸山敏雄の日記」で紹介したユダヤ研究会と丸山の関係は、昭和19年から始まっている。『丸山敏雄全集』17巻(倫理研究所、昭和54年5月)に次のようにある。 (昭和十九年) 五月六日(土)猶太研究会 (略) 午後一時より読売五階講堂にて山…
今年の下鴨納涼古本まつりも終わってしまって、次の青空古本まつりは来月の天神さんと四天王寺である。さて、上記は竹岡書店の3冊500円のコーナーで発見。この1冊が欲しかったが、1冊売りはしないということで後2冊探すのに苦労した。最終日は10冊500円にな…
昨年天神さんの古本まつりの100円均一コーナーで拾った一冊。昔、井村宏次先生の霊術本や田中聡氏の健康法本を愛読していたので、今でも戦前の怪しそうな療術本を見かけるとつい買ってしまう。本書は、大阪市住吉区天王寺町の村雲革身術普及会から昭和2年11…