神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

2024-09-01から1ヶ月間の記事一覧

並木誠士編『近代京都の美術工芸Ⅱ』(思文閣出版)の岡達也論文に補足ーー『京都図案』(京都図案会雑誌部)改め『図案』(図案協会)ーー

並木誠士編『近代京都の美術工芸Ⅱ:学理・応用・経営』(思文閣出版、令和6年7月)は、高木博志先生の「寿岳文章と向日庵本の時代」を始め、私好みの論文が多くワクワクしながら拝読している。更に手持ちの史料で補足が書ける論文が幾つかあって、既に幾つか…

三密堂書店で表紙に「頒暦證」紙が貼られた『明治十年太陽略暦』(頒歴商社)を

いつもお世話になっている三密堂書店の100円均一台から『明治十年太陽略暦』(頒歴商社)を購入。発行年の記載はないが、暦の性格から言って、明治9年末の発行だろう。「オタどん、暦なんか買ってどうすんの?」と言われそうである。これはそのとおりで、暦…

国会図書館から盗まれた?雑誌『日本文壇』(明治29年)と中島湘煙

今年6月亡くなられた西川祐子先生が編者の一人となり解説も書かれた岸田俊子著、大木基子・西川編『湘煙選集3:湘煙日記』(不二出版、昭和61年5月)を読んでみた。『~日記』の類はだいぶ読んだつもりでも、まだまだ残っていますね。岸田俊子は、戸籍では万…

家蔵の『京都図案会誌』(明治37年)により、大平奈緒子「『小美術』と谷口香嶠、浅井忠のかかわり」に補足

京都図案会事務所が発行していた『京都図案会誌』については、「京都工芸繊維大学美術工芸資料館で「図案家の登場ーー近代京都と染織図案Ⅲ」展が始まった - 神保町系オタオタ日記」で紹介したところである。明治36年に設立された京都図案会の初期の活動が分か…

『吉田忠商報 きもの』(吉田忠商店)にいつか出会えるかーー上田文「国画創作協会のパトロン吉田忠三郎」を読んでーー

吉田忠商店が発行していた『吉田忠商報 きもの』について、「『京都吉田忠商報 きもの』へ寄稿した作家・詩人達ー大阪高島屋の今竹七郎と吉忠の上田葆の時代ー - 神保町系オタオタ日記」で言及したところである。その時は気付かなかった文献として、『日本近…

竹内勝太郎と『美潢界』の編輯者高崎誠之助ー多田羅多起子「表装界が迎えた近代」への補足ー

京都表具業組合事務所内に置かれた美潢界社が発行していた『美潢界』(びこうかい)については、「『美潢界』第15回表展号(大正13年)を買ったら、よりによって国会図書館がその号だけ持ってた… - 神保町系オタオタ日記」で紹介したところである。私の投稿…

斎藤昌三編『現代筆禍文献大年表』に漏れたる?田中香涯の『変態性慾』大正12年5月号

斎藤光先生から『『変態性慾』解説・総目次』(不二出版、平成14年10月)をいただきました。ありがとうございます。 解説の斎藤「学術的と壊乱的の間ーー『変態性慾』と田中香涯」中で、『変態心理』11巻6号(日本精神医学会、大正12年6月)の「編集室日誌」…

竹内勝太郎の遺族を支えた石崎光瑤らの京都画壇ー京都文化博物館で「生誕140年記念石崎光瑤展」開催ー

今日(9月14日)から、京都文化博物館で「生誕140年記念石崎光瑤展」が始まった。開催に先駆けて、9月12日京都新聞に展覧会の紹介(林屋祐子記者)が載ったところである。明治17(1884)年富山県生まれで、19歳で京都に出て竹内栖鳳の画塾に入門したという。…

関西学院の院友会誌『関西文壇』第1号(明治40年)と久留島武彦

関西学院大学博物館で、「平常展 学生たちの大学昇格運動 ─関西学院新聞からみる学院史─ 特集陳列 カラフル! 技でみる日本の蔵書票| 関西学院大学博物館」を開催中(9月14日まで)。大正11年創刊の『関西学院新聞』を通してみた大学創立(昭和7年)を扱った…

ZINEの黄金時代ー『古本イエーZINE』9号(狂言屋)へ向けてー

山梨県立文学館で8月28日まで「文芸雑誌からZINEへ 古今同ZINE誌」が開催された。そこでは、ZINEとは「それぞれが好きなテーマを自由な手法で冊子にまとめたもの」とされている。また、ばるぼら・野中モモ編著『日本のZINEについて知ってい…