大場磐雄「楽石雑筆〈中〉」*1を読書中。そうしたら、奥田啓市鹿児島県立図書館長を発見。
(昭和九年)
◎一月五日(略)
九時過の列車にて別れ鹿児島着十一時少過、山田五十麿氏*2にあう、氏の遺物は図書館にありというを以て一同そこに赴く、図書館長に逢い便宜を図らいもらう。折しも藤島武二氏来訪共に館長の案内にて桜島噴火記念館及び諸施設を見る、三階に郷土史料室あり、この一ケースに山田氏の遺物あり(略)
この「図書館長」は、大正10年から昭和18年まで鹿児島県立図書館長だった奥田である。平成30年に鹿児島大学附属図書館で開催された「鹿児島 書物と図書館の近代-〈知〉の集積と展開- | 鹿児島大学附属図書館」の図録(丹羽謙治・多田蔵人編)によれば、奥田館長時代に与謝野鉄幹・晶子、斎藤茂吉ら多数文学者が訪問していたという。その他に大場や藤島のような考古学者や画家も訪問していたことになる。
参考:「鹿児島県立図書館長奥田啓市 - 神保町系オタオタ日記」