2022-01-01から1年間の記事一覧
『二級河川』17号(金腐川宴游会、平成29年4月)掲載のトム・リバーフィールド「『公職追放に関する覚書該当者名簿』のメディア関係者・文化人五十音順索引」は、重宝して拙ブログで何度も利用させていただいた。例えば、次のエントリーである。 「「『公職追放…
だんだんボケてきたのと古本を買いすぎるのと両方で、どこで買ったのか思い出せない古本が増えてきた。今回紹介する杉浦翠子編集の『短歌至上主義』10巻4号(藤浪会、昭和17年4月)も、最近西部古書会館で買ったような、違うようなとはっきりしない。と思って…
今年一年、各地の古書店、京都・大阪の古本まつり、東京・大阪・京都の古書会館での古書展、臨川書店の古書バーゲンなどでお世話になりました。ありがとうございました。岡崎の平安蚤の市でも色々楽しませていただきました。 今回は、今年最後の平安蚤の市で…
コロナ禍のせいで、なかなか神戸には行きづらくなっていたが、久しぶりに西代の古書店つのぶえへ行ってきた。キリスト教書専門店で、専門以外の雑誌・紙ものが安く出るので定期的に行きたい古書店である。 今回は、明治43年4月6日と記された『旅行案内』を発…
12月10日(土)は、上京して『地下出版のメディア史:エロ・グロ、珍書屋、教養主義』(慶應義塾大学出版会、令和4年3月)の著者大尾侑子先生の講演と監修された展覧会を楽しんできました。同書の「あとがき」には、本書や展覧会に使われた発禁本、内容見本、チラ…
小澤実・佐藤雄基編『史学科の比較史:歴史学の制度化と近代日本』(勉誠出版、令和4年5月)の巻末「関連年表」に、各大学の史学科の設置年が載っている。この194 9年(昭和24年)の欄に関西大学文学部史学科が挙がっていた。そう言えば、数年前に天神さんの古本ま…
平安蚤の市でライオン歯磨本舗発行の『ライオン当用日記』を3冊購入。昭和8年*1、10年、13年*2版である。特に函付きの2冊が嬉しい。ライオン歯磨の広告部にいた大手拓次は昭和9年4月に亡くなっているので、昭和8年版(昭和7年11月)は拓次が編集・執筆に関与…
京都教育大学附属図書館で「先生を目指した女性たちーー京都府女子師範学校の歩みーー」が、来年1月10日まで開催中。無料で図録ももらえる。大学内の教育資料館は月曜日のみ開館なので、できれば月曜日に行って両方観た方がお得である。今回出かけたのは、「『…
これも知恩寺秋の古本まつりで三密堂書店から。野村瑞城『白隠と夜船閑話』(日本心霊学会、大正15年5月初版・同年11月9版)を200円で。実は、既に同書の戦前発行分と戦後発行分を持っているので、普通なら買わないところである。しかし、写真のようにびっしり…
@wogakuzuさんがTwitterで大阪天下茶屋にあった古書店玉樹香文堂(本来は玉樹香文房だが、時に玉樹香文堂)の年賀状(大正6年)を挙げていたので、店主玉樹安造(号芦城)に関する下書きがあるのを思い出した。もう少し調べてからアップするつもりで下書きにしてお…
知恩寺秋の古本まつりは、2日目まで上京していたので3日目から参戦。三密堂書店が目録に挙げたものの注文の無かった分を並べた台に、渡辺藤交『呼吸式感応的治療秘書』*1(日本心霊学会本部、大正2年9月初版・12年8月14版)があった。日本心霊学会の最初の刊行…
龍谷大学龍谷ミュージアムで大好評開催中の「博物ーー近代京都の集め見せる力ーー初期京都博覧会・西本願寺蒐覧会・仏教児童博物館・平瀬貝類博物館」も11月23日までの会期の終了が近づいてきました。他館への巡回はないので、お見逃しなく。仏教児童博物館*…
先週は、東京古書会館の特選古書即売展をのぞいてきました。皓星社では負けじと一箱古本市をやりましたが、やはり「特選」、いい本が安く出ていました。中でもあきつ書店から色々買えました。2日目だったのでいい物は残っていないかと心配したものの、本の追…
中島俊郎先生の講演「関西学院と寿岳文章ーー宗教的真理の追究ーー」が11月4日(金)13時20分~15時関西学院大学図書館で開催されます。無料・申込み不要で一般人の参加も歓迎とのこと。お近くの方、寿岳に関心のある方、関西学院の関係者をはじめ皆様は是非御…
今年も何とか「神田古本まつり」(10月28日~11月3日)と「神保町ブックフェスティバル」(10月29日・30日)が開催される。併せて昨年に続き皓星社(専修大学前、ラーメン屋大勝軒の上6階)では、10月29日・30日10時~16時に一箱古本市が開催されます。私も頼まれ…
赤松大励『修養小話:印度古代お伽草紙』(森江英二、明治39年12月)は、国会図書館デジタルコレクションで見ることができる。初版の序文は南條文雄・吉田賢龍で、再版に際して佐々木月樵の序文が加わったようだ。それによると、赤松は、兵庫県飾磨郡西中島村…
一時期「痕跡本」が話題になった。提唱したのは、古沢和宏『痕跡本のすすめ』(太田出版、平成24年2月)である。書き込み、破れ、挟み込み、貼り込み、破り取りなど、前の所有者の「痕跡」が残された本のことである。よくある痕跡としては、書き込み(傍線、誤…
神田駿河台の佐藤新興生活館については、「昭和17年民族学者杉浦健一が佐藤生活館で南方派遣者(?)向けの講演会ーースメラ学塾の南方指導者講座との関係ーー - 神保町系オタオタ日記」などで紹介したところである。今は山の上ホテルとなっていて、私もいつかは…
四天王寺秋の大古本まつりは、明日10月7日(金)から。今回Cosyo Cosyoが参加されないのが、残念。冒頭の写真は、4月に開催された四天王寺春の大古本まつりで同店の均一台から見つけた雑誌『月明』5巻5号(月明会、昭和17年6月)である。同誌の発行人である…
「京都モダン建築祭」の一環で太田喜二郎邸の見学ツアー(事前予約制)があるようだ。太田が大正5年に京都帝国大学工学部講師になって知り合った藤井厚二*1に設計を依頼した建物である。藤井も含めた太田周辺の近代文化人、京大関係者・画家・文学者・新聞記者…
坂本慎一『ラヂオの戦争責任』(PHP研究所、平成20年)が法蔵館文庫入りした。せっかくなので、版元の法藏館に行って購入。本書の「法蔵館文庫版・解説」によれば、 その後、少し遅れて大きな反響があったのが、近代仏教史である。「ミスター・近代仏教」と呼ばれ…
今月の平安蚤の市では、中村直勝の大正15年の年賀状を購入。娘2人の写真が載っているだけで、直勝そのものを研究しているわけではないが、200円なので買ってみた。直勝は当時第三高等学校教授兼京都帝国大学文学部講師で、翌年同学部助教授に昇任している。 …
数ヶ月前に平安蚤の市で、田中緑紅日記と同じ出所の物という図書目録を購入。てっきり田中が主宰した郷土趣味社の図書目録と思っていた。しかし、よく見たら岡村千秋が創立した郷土研究社の図書目録(以下『図書目録』という)であった。 本書は、柳田國男「炉…
先日の寸葉会で購入した残る1点は、『スター食堂ニュース』(スター食堂研究部、昭和14年10月)である。国会図書館サーチではヒットしない。毎月1回発行とすると、昭和10年2月創刊ということになる。 斎藤光先生(@hikaru_sth)のツイート(平成31年3月3日)では、…
9月9日京都新聞に没後30年を迎える松本清張の「先生」だった藪田嘉一郎に関する記事。有料配信の「THE KYOTO」の記事「松本清張が仰いだ京都の“怪物”(全5回)」(樺山聡記者。令和2年9月1日公開)の一部をあらためて紹介している*1。「藪田嘉一郎の古書店文林堂書店が…
今月は寸葉会ということで、行ってきました。ひげ美術からは2点購入。今回は、『楽々新聞』2号附録(楽々新聞社、明治37年10月)を紹介。明治期の京都にこんな新聞があったのかと購入、1,000円。楽々新聞社は、京都市下京区御幸町六角下ルに所在し、編輯兼発行…
平安蚤の市をのぞいてきた。例によって楽しみは、ナンブ寛永氏(@kan_ei_sen)出品の200円均一箱である。チラシ類の中に帝国劇場のものがあった。表紙に大東亜戦争が終結し、当劇場が新発足とあり、演目も「銀座復興」で面白そうなので、買ってみた。 『帝劇の五…
『明治大正大阪市史編纂日誌(下)』(大阪市史料調査会、令和4年2月)が出たので、上下巻を借りてきた。『大阪市史』の続編『明治大正大阪市史』の編纂事業開始(昭和2年)から事業終了(昭和10年)までの日誌の翻刻である。冒頭いきなり楽友会館が出てきた。 (昭和…
先日の阪神百貨店の古本まつりにモズブックスが参加することになって、驚いた古本者も多かっただろう。中之島公会堂の古本まつりの中止が何年も続き、絵葉書など紙もののマニアがモズの出店を待望していたが、ようやく実現したわけだ。ただ、日本絵葉書会の…
『山川健次郎日記:印刷原稿第一~第三、第十五』(芙蓉書房出版、平成26年12月)を見ていたら、第一次世界大戦で海軍が占領したヤルート島等の南洋新占領地における学術調査に関する記述があった。 (大正三年) 十一月九日 出。ヤルート島行の事にて中村氏に電…