神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

2009-11-01から1ヶ月間の記事一覧

わすの未来の仕事

気象予報士の半井小絵さんも登場する学研の『はじめて知るみんなの未来の仕事』。書物関係のお仕事をあげてみると、 図書館職員 都立中央図書館 島林智香子 漫画家 みつはしちかこ 書店員 BOOK246(南青山) 鷹尾佐耶 評論家 小谷野敦残念ながら古本…

鈴木芳郎=日高輝忠=日高一輝の戦前・戦後

妹尾義郎日記で日高輝忠について、もう少し見てみよう。 昭和14年9月27日 二時内山さんが日高輝忠氏を案内して来訪、日高氏が旧若人社*1の運動に感激して、之の精神を継承したいから承知してくれとの交渉であった。 10月7日 内山、日高両氏にたのまれた若人…

岡本清一と珈琲研究

戦後、同志社大学法学部教授、京都精華短期大学初代学長、京都精華大学人文学部教授などを務め、2001年1月に亡くなられた岡本清一という人がいる。『岡本清一政治評論集』(青山社、2005年4月)によると、「岡本は生活の手段として雑誌『珈琲研究』の発行を…

毎日電報記者管野須賀子の同僚

以前紹介した原敬関係文書第八巻には「新聞紙通信社一覧表(明治40年11月調査 警視庁)」という資料も収録されている。これで、毎日電報新聞を見てみよう。『明治新聞雑誌関係者略伝』に立項されている人物だけ拾うと、社長兼主筆高木利太、「之レニ亞クモノ…

川上初枝=若林初枝=内山若枝=日高みほの年譜

海野弘氏も関心を持っている日高みほの年譜を出血大サービスで公開しちゃう。 明治39年 父川上賢三(元治元年生)、母しつ子(明治5年生)の長女として生まれる(支那在留邦人興信録)。 大正6年11月 賢三が満洲貯金信託株式会社を創立(支那在留邦人興信録…

『彷書月刊』幻の特集

ナンダロウ氏の編集が好評だったので、『彷書月刊』でこんな夢のような特集も実現するか。 特集名 編集長 いま、そこにある畸人 黒岩比佐子 古書の森の森ガール 岡崎武志 がっちり売りまショー 山本善行 坂の上の猫 小谷野敦 トはトンデモのト、図書館のト …

『彷書月刊』のあの特集、この特集

黒岩さんが入院されるとのことで、ブログを更新する意欲の何割かが消失したが、ぼちぼち再開。 来年休刊されるという『彷書月刊』は、もちろん「古本」がテーマの特集が一番多いがその他の特集を分類してみると、 サンカ関係 サンカの本・その世界(1990年9…

明治38年『新古文林』創刊

平塚篤は、『日本近代文学大事典』によると、明治16年9月常陸生まれの新聞記者で、東京専門学校中退。黒岩さんの『編集者国木田独歩の時代』によると、『民声新報』時代に独歩と知り合い近事画報社に入ったという。この平塚が『増補版 森鴎外・母の日記』に…

明治39年における雑誌の発行部数

『原敬関係文書第八巻』に「雑誌一覧表(明治39年9月調査 警視庁)」が収録されていて、その備考欄に各雑誌の発行部数が記載されている。そのごく一部を抜き出すと、 近事画報 三千五百部/社勢少シク衰フ 実業ノ(ママ)日本 三千八百部/社勢振フ 新仏教 …

小田秀人=小田皓通?

大蔵公望の日記に、世界紅卍字会後援会主事として登場する小田秀人。既に紹介したほかに、まだ登場している。 昭和14年4月21日 九時一〇分東研*1へ行く。小田秀人氏朝鮮の李覚鐘氏を案内し来る。 9月1日 <来訪>小田皓通氏、紅卍字会後援会長更迭の件。 9月…

川上初枝の父川上賢三

川上初枝=若林初枝=日高みほ=内山若枝の父、川上賢三について新たな経歴が判明。 『満蒙日本人紳士録』満洲日報社、昭和4年5月(『日本人物情報大系第12巻』で復刻)によると、 川上賢三 果樹園経営、勲六等、(原籍)長崎県長崎市高手町、元治元年八月生…

「書物ブログ」の分類

南陀楼綾繁『一箱古本市の歩きかた』(光文社新書)で「書物ブログ」の分類がされていたので、幾つかのブログを当てはめてみた。 ・情報系 「退屈男と本と街」・購書・読書日記系 「手当たり次第の本棚」 「晩鮭亭日常」・古本ネタ系 「古書の森日記」 「dai…

だれが「本」を蘇らすのか

ある好青年に初めて出会ったのは、3年前の4月29日、一箱古本市の会場であった。 「一箱古本市」というのは、「ミスター一箱古本市」こと南陀楼綾繁氏の新刊『一箱古本市の歩きかた』(光文社新書)によると、地域に点在する店の軒先を借り、その前で一人…

久保田万太郎から里見とんの消息を聞く柳田國男

さんざんネタに使った柳田國男の『炭焼日記』だが、まだまだ面白ネタが埋もれていた。 昭和19年9月27日 連句委員会第三次、高浜父子、佐藤、深川、久保田、伊原、折口、加藤。 会は平凡なれど行かへりの電車の込むことのみは非常なり。 久保田君と久しぶりに…

片岡貢こと本名片岡貢司

片岡貢=片岡貢司ということは判明していたが、片岡貢司の方が本名と判明した。 『現代出版文化人総覧昭和十八年版』(『出版文化人名辞典第1巻』で復刻)の「現代執筆家一覧」によると、 片岡貢 生年:明治36年 本名:片岡貢司 住所:中野区小瀧町一八 …

京都のあやす〜ぃ出版社

『京都書肆変遷史』で、あやすーぃ書肆を発見す。 0041 亜細亜宗教宣傳協会 1.薄井継太郎 2.一九二七(昭和2)年 3.上京区平野鳥居前十三 4.出版業 昭和二年九月書店組合に加入。同四年六月脱退した。 1348 耽奇言霊復活社 1.佐々勇二 2.一九三…

西田幾多郎の皇紀二千六百年記念図書館建設計画

日本図書館協会を中心とした館界による皇紀二千六百年記念図書館建設計画については、東條文規『図書館の政治学』に詳しいが、西田幾多郎はそれとは別に独自の考えを持っていたようだ。西田が出席した座談会「西田幾多郎を囲む座談会」『文藝春秋』第18巻第5…

日本蔵票愛好会々員若林壽之助

『京都書肆変遷史』に、もしやあの人かという名前が。 1678 ノムラヤ 1.若林萬吉 2.一九二二(大正11)年 3.下京区花屋町大宮西入ル 4.小売業 大正十一年四月書店組合に加入。同十二年九月の名簿(「義捐金名簿」)には、若林寿之助名義にて登録あ…

磯崎新先生、わしのブログを見てちょ。

ほよよ、磯崎新先生もスメラ学塾に注目してた。 坂倉準三特集をした『住宅建築』7月号に書かれた「坂倉準三の居場所2」で、1937年4月毎日新聞主催で開かれた仏・日知識人の座談会に坂倉とともに出席した日本人出席者として、当時パリに遊学していた井上清一…

事業之日本社長にして萬里閣主の小竹即一

「古書の森日記」で見て気になっていた事業之日本社の社長の経歴が判明。『昭和十年版全国書籍商総覧』(『出版文化人名辞典第4巻』で復刻)から要約すると、 事業之日本社長/萬里閣主 小竹即一 [社]日本橋区呉服橋三丁目七 明治33年7月13日佐渡の眞野村に…

京都書籍雑誌商組合立昭和図書館

これは先行研究がありそうだが、とりあえず情報提供。『京都書肆変遷史』(京都府書店商業組合、1994年11月)の「組合史年表(明治二十三年〜昭和二十年)」によると、 大正13年2月 定期総会に於いて、東宮殿下御成婚を記念として、記念図書館を建設すること…

戦時下に秘画を見る柳田國男たち

高橋誠一郎という人は、慶應の経済学の先生だったらしいが、浮世絵のコレクターでも知られている。現在、三井記念美術館で「夢と追憶の江戸−高橋誠一郎浮世絵コレクション名品展−」を開催中(今月23日まで)。この高橋所蔵の浮世絵を戦時中に柳田國男らが観…

陋劣なる明治文学研究家

この陋劣なる人柄の明治文学研究家とは誰だろう。『本間久雄日記』によると、 昭和34年1月3日 六時頃、島田謹二氏より来邸の旨電話あり、間もなく同氏来る。談、英文学のこと、定年制可否のこと、明治文学研究家の態度のこと、明治文学研究家某氏の人柄の陋…

織田純一郎、京都に生まれ、京都に死す

オタどんこと、織田丼之助氏の先祖に織田純一郎という人がいる*1。嘉永4年5月22日、京都烏丸岡村町に生まれ、大正8年2月3日に亡くなっている。ロード・リットン(エドワード・ブルワー=リットン)の『アーネスト・マルトラヴァース』とその続編『アリス』の…

辻井甲三郎と日本蔵票愛好会

『満洲読書新報』64号(昭和17年11月15日)の「会員消息」欄に「辻井甲三郎氏(日本雑誌愛好会)九月日本蔵票愛好会を創立した」とあるが、とっくにメンバーはわかっていたらしい。→「書物蔵」 - 今日も半井小絵たんが指輪をしてないことを確認。安心す・・・

一水会と柳田國男(その2)

柳田國男が出席した一水会の時期としては、大正7年、11年、昭和16年が判明していたが、新たに昭和6年も判明した。貴族院議員岡部長景の日記に出てくる。 昭和5年12月3日 夜、細川侯に招かれて華族会館に催された一水会に初めて出席した。(略)往年支那問題…

二人の大島豊

『公職追放に関する覚書該当者名簿』には二人の大島豊が出てくる。一人は、ma-tango氏の専門(?)の大本教の信者である大島。もう一人は、セルパンの編集者だった大島である。後者の大島は、明治24年小樽生まれ、昭和40年11月没。『セルパン』の編集長とし…

恩田陸の卒論と父親の蔵書

『出版ダイジェスト』10月21日号に恩田陸さんが「初めての本棚」を書いている。 私は長らく、本棚をほとんど持っていなかった。 (略) 考えてみれば、おカネがなかったので、古本屋で文庫本を買う以外は、ひたすら図書館から借りて読んでいたし、卒論も親の…

知恩寺秋の古本まつりの感想

百円均一コーナーがないのも寂しいが、先日の下鴨での梁山泊みたいな、各種雑誌をごちゃごちゃ集めて一冊百円とか三冊二百円とかで売る店がほしかった。何年も前の福田屋だったかがやってくれて、英学史研究とか国学院雑誌をあさったが、ああいう感じ。数年…