神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

2021-11-01から1ヶ月間の記事一覧

大正イマジュリイとしての『SHOCHIKUZA NEWS』(松竹座ニュース)ーー林哲夫『古本スケッチ帳』への補足ーー

平成24年に常葉美術館で開催された「大正イマジュリィの世界展」と平成30年に日比谷図書文化館で開催された「大正モダーンズ展」を観ている。どちらにも『SHOCHIKUZA NEWS』が展示されていた。表紙のデザインが山田伸吉らによるもので、近年古書価が高い。その後…

『静岡県印刷文化史』(静岡県印刷工業組合)を読む

12月14日(火)静岡市清水区の浜田生涯学習交流館で小二田誠二先生の講演「静岡印刷文化史」が開催されるとのこと。申込み受付中。詳しくは、「静岡印刷文化史[静岡市清水区]|アットエス」参照。お近くの人は是非行きましょう。 その関係で、Twitterで『静岡県…

明治40年8月夷谷座で活動写真「祇園祭」を観る少年の日記

明治41年京都初の映画常設館である電気館で活動写真を観た青年の日記は、「明治41年京都初の映画常設館電気館で活動写真を観る青年の日記 - 神保町系オタオタ日記」で紹介したところである。今回は、明治40年南座や夷谷座で活動写真を観た少年の日記にしよう。…

龍谷大学予科英語講師壽岳文章がホイットマンの詩を贈った梅原眞隆の個人雑誌『道』

梅原眞隆の個人雑誌『道』は、昭和8年9月100号に達した。101号以降にそれを祝した会員からの書簡等が記載された。その中に壽岳文章の名前があって、目を惹いた。104号、昭和9年1月の「随喜(本誌)百號記念」欄である。大西良慶、相馬御風、多田鼎らが和歌、俳句…

明治41年8月退局後京都市紀念動物園へ行くある公務員の日記

本題に入る前に「平安神宮前の古本市で見つけた大正13年京都帝国大学工学部土木工学科入学生(?)のアルバムを調べた - 神保町系オタオタ日記」で言及した大正13年に撮影された京都帝国大学の建物について。中島先生から『京都大学建築八十年のあゆみ』(京都大…

知恩寺秋の古本まつりで御成婚記念千葉県図書館長の廿日出逸暁に出会うーー梅原真隆の『道』と廿日出逸暁ーー

知恩寺秋の古本まつりで其中堂から入手した梅原真隆の個人雑誌『道』(親鸞聖人研究発行所、のち道発行所)を見ていたら、廿日出逸暁(はつかで・いつあき)の名前が出てきて驚いた。一つは、125号,昭和10年10月の「道味」欄で、金剛山に来た廿日出からの「去三日以…

キリスト教社会主義者三浦清一(石川啄木の妹光子の夫)と『道』の梅原真隆

だいぶ前に太田心海『自叙で綴る梅原真隆の生涯』(『梅原真隆の生涯』刊行会、平成25年7月)だったと思うが、次のような一節を読んだ。梅原が大正14年6月に創刊した個人雑誌『道』に掲載された書簡に関する記述である。 便りの発信人の中には、もちろん彼の講…

古本まつりの均一台でしくじったオタどんーー破り取られた『新探偵小説』2号(昭和22年)ーー

神保町系を自称するオタどんも、たまに古本まつりで失敗することがある。最近とある古本まつりの300円均一台で発見した『新探偵小説』2号(新探偵小説社、昭和22年6月)である。見つけた時はホクホクとしたが、家に帰ってから中を見ると37頁以降が破り取られて…

平安神宮前の古本市で見つけた大正13年京都帝国大学工学部土木工学科入学生(?)のアルバムを調べた

6月にあった平安神宮前の古本市でシルヴァン書房の300円均一台に傷んだ戦前のアルバムを発見。表紙・裏表紙がなく、写真もかなり剥がされていた。元々アルバムは買ったことがないし、状態も悪いので迷ったが、旧蔵者が京都帝国大学の卒業生らしいので買って…

『北方人』37号(北方文学研究会)をいただくーーかわじもとたか「大橋歩Vs水森亜土Vs本くに子展」が来年開催ーー

盛厚三氏から『北方人』37号(北方文学研究会、令和3年11月)を御恵投いただきました。いつもありがとうございます。全部大切にとってあります。 川口則弘「橘外男をはるかに超える弟の犯罪」は、橘『予は如何にして文士となりしか』(幻戯書房、令和3年9月)の解…