
『耕畝画会芳名録』が出てきた。これだけだと何の芳名録か分からず買わないところだが、昭和2年11月水戸市の耕畝画会事務所による『趣意書』が挟まっていたので、購入。三密堂書店だったかで200円かな。『趣意書』によって、五島耕畝の絵画を販売する画会の芳名録と判明した。
趣意書から五島耕畝の経歴を要約しておこう。
五島耕畝
・茨城県町屋の出身
・故松平雪江に師事
・東都に出て、原丹橋の門に入り花鳥を学ぶ。
・丹橋没後、南北合派の泰斗帝室技芸委員荒木寛畝の門に学び花鳥を専攻し、池上秀畝と共に寛畝門下の双璧と称せられる。
・文展・帝展に9回入選
・久邇宮家御襖四季の花揮毫
・日本美術協会審査員
より詳しい経歴は、東京文化財研究所のデータベース「五島耕畝 日本美術年鑑所載物故者記事」(https://www.tobunken.go.jp/materials/bukko/8867.html)参照。

芳名録の冒頭を挙げておく。全体では31名の芳名が挙がっている。いばらき新聞社長本多文雄、茨城県商品陳所長石堂金之丞、水戸市長鈴木文次郎のほか、医師、弁護士などである。耕畝のパトロン達なのだろう。昨年12月~今年2月に日立市郷土博物館で耕畝や樫村白圭を中心とした収蔵美術品展「日立ゆかりの日本画家」展があったようだ。見逃した。同館の学芸員がこの芳名録を見たら、何か発見できるだろうか。