神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

2017-01-01から1年間の記事一覧

『二級河川』18号の「『図書週報』掲載の訃報一覧」

『二級河川』18号(金腐川宴游会、平成29年11月)をいただきました。ありがとうございます。「地獄・極楽懐ゲー攻め!」特集だが、ファミコンはほとんどしたことがないのでよくわからなかった。トム・リバーフィールド「『図書週報』掲載の訃報一覧」を読みま…

黒岩さん、ありがとう

善行堂経由で某先生の論文抜刷りをいただいていて、御礼を言わないといけないなあとずっと思っていた。先生は古書展でよくお見かけする常連の一人なので声をかける機会は何度かあったのだが、なかなか面識のない人に話しかけるのは難しいものであった。今日…

『北方人』28号と図録『初代直木賞選考委員三上於菟吉を知っていますか?』

盛厚三氏から『北方人』28号(北方文学研究会、2017年11月)と春日部市郷土資料館の展覧会図録『初代直木賞選考委員三上於菟吉を知っていますか?』をお送りいただきました。ありがとうございます。 『北方人』の目次は、 創作/御城前のおババ(二) 通雅彦 創…

京都時代の金尾文淵堂と製本所真英社

あまり体調がよくなかったのと紹介したい本が埋もれてしまったので、だいぶ間があいてしまった。体調も回復し、こたつを準備すべく積ん読本を整理したら大阪天満宮の古本まつりで見つけた雑誌がようやく出てきたので紹介します。なお、同古本まつりは、古書…

京都まちなか古本市で『ウスヰ書報』第3輯(ウスヰ書房)を発見

京都古書会館で開催された京都まちなか古本市では色々拾えたが、そのうちの一冊。『ウスヰ書報』第3輯(ウスヰ書房、昭和15年1月)、7頁非売品。吉岡書店出品千円。500円位で拾いたいところだが、二度と出会えない可能性が高いので確保。残しておいたら、林哲…

近藤計三の詩誌『狙撃兵』をめぐる足立巻一のやちまた

ツイン21で大阪市の近藤計三方狙撃兵グループ宛足立巻一の葉書を購入。高山文庫の出品。消印は昭和34年1月3日付け。文面は、 ・『狙撃兵』送付のお礼 ・旅行がちのため会に出席できないことへのお詫び ・森上の詩と近藤のエッセイへの感想 ・自分の詩を書い…

俳人野田別天楼宛多田莎平の葉書を拾う

天神さんで拾った野田別天楼(武庫郡御影報徳商業学校)宛の多田莎平(尼崎市営住宅)の絵葉書。野田が学校の先生らしいことと名前が面白いので買ってみた。報徳商業学校は西宮にある報徳学園高等学校の前身。消印は年不明だが、8月25日。「郵便はかき」で仕切線…

希望社表誠館の写真

「希望社表誠館」とある葉書大の写真を頂きました。ありがとうございます。裏面には何の記載もないので、絵葉書ではなく、落成記念か何かに配った物だろうか。近代女性文化史研究会『大正期の女性雑誌』(大空社、平成8年8月)の村上雍子「大正期における社会…

帝国図書館の癪に障る下足番

「「図書館文学」傑作撰」と帯にある日比嘉高編『図書館情調』(皓星社、平成29年6月)に菊池寛の「出世」『新潮』32巻1号、大正9年1月が収録されている。上野の図書館(帝国図書館のこと)を久し振りに訪問し、そこにいた二人の下足番を回想する小説である。 二…

日本喫茶店史の重要史料『井泉水日記青春篇』(筑摩書房)

グーグルブックスで「帝国図書館 満員」を検索して見つけた『井泉水日記青春篇』上下巻(筑摩書房、平成15年11・12月)。まだ上巻しか読んでいないが、久しぶりにゾクゾクするような日記だった。次のような点が色々使えそうな日記である。 ・話には聞いていた…

日蓮上人研究会旧蔵の『妙宗』7編7号(師子王文庫、明治37年9月)

最近行ってないが、去年尚学堂で上記を掘り出した。500円。明治期発行の雑誌で、主筆が田中智學、蔵書印も面白そうなので買ってみた。肝心の蔵書印だが、「日蓮□□研究會之印」としか読めなかったが、twitterで御教示を得て、「日蓮上人研究會之印」と判明。…

あらえっさっさと直木賞作家生島治郎の筒井康隆宛献呈署名本『死ぬときは独り』を放出

オタどん蔵書放出の目玉本バトラー『魔法入門』(角川文庫)と君本昌久『非歌』(蜘蛛出版社)が速攻で売れちゃったというので、ヨゾラ舎に追加しました。 今回は、生島治郎『死ぬときは独り』(ポケット文春、昭和49年3月)である。新書サイズの本書はさほど珍し…

オタどん蔵書からバトラー『魔法入門』(角川文庫)を放出ぢゃ

実は売れるとは思ってなかった『アメージング・ストーリーズ日本語版』第5巻、900円が売れたとのこと。で、ヨゾラ舎に追加本を補充してきました。 ・バトラー、大沼忠弘訳『魔法入門』(角川文庫、昭和49年初版)1500円。ヤケ、帯付き。カバー:川合止戈光。横…

明治34年荻原井泉水の家に出現した不思議な書棚

『井泉水日記青春篇』上巻(筑摩書房、平成15年11月)を読んでると、書棚製作の記録があった。戦前の日記で書棚製作に関して書かれたものは珍しい。 (明治三十四年) 九月六日 曇り、屡驟雨アリ (略)書籍立をもとむ。これより先き萩清勧工場に入りてこれを…

岡村敬二先生がブログで大連静坐会について言及

師匠がご存じでなかったので、栗田英彦先生もご覧になっておられないかもしれないから、紹介しておきます。 岡村敬二先生(京都ノートルダム女子大学名誉教授)がブログで「岡田虎二郎の静坐法、大連静坐会と橋本五作」と「日文研、岡田虎二郎静坐法、大連静…

帝国図書館と美少年の妖しい関係

お盆は皆さん実家に帰るか、旅行に行くか、はたまた古本市に行く人ばかりかと思いきや、意外に国会図書館に行く人が多いらしい。地方から調査に行く研究者や学生だろうか。さて、国会図書館の前身の帝国図書館を若き日の荻原井泉水が利用していた。そこで、…

オタどん蔵書大放出の巻

初版道さんみたいに大盤振る舞いはできませんが、オタどん蔵書を格安(のつもり)で放出。伝奇・SF関係が中心。京都の古書店ヨゾラ舎(三月書房の近く)の棚に置かせてもらいます。 ・国枝史郎伝奇文庫1冊500円、帯は元々なし。なお、上下、上中下のセット…

奢侈品等製造販売制限規則により値下げされたトーアホテルの朝食

入手したトーアホテルのリーフレットの朝食料金が訂正されていた謎については、「トーアホテル(TOR HOTEL)のリーフレットに残された書き込みの謎」で紹介したところである。先日『日本ホテル略史』(運輸省、昭和21年)を見てたら、昭和15年8月27…

京都帝国大学附属図書館の金井浩は実在したか

福田與『満天の星を仰ぎて:自伝』(福田図書室、昭和61年10月)に京大図書館の金井浩という人物が出てくる。 ところが、私のうちはこの頃から妙に来客が多くなってきました。まず宮崎童安先生及び高田集蔵先生、そして先生をめぐる多くの知友が京都を訪れる…

京都古書組合のムードメーカーだった若林春和堂の若林正治

山崎書店が月末の土日に元田中の倉庫でセールをやっている。図録が多いので、美術書に関心のある方向けである。ちなみに山崎書店で働いていた人が独立してマチマチ書店を始めた。無店舗でネット専門だが、時々街々に出没するようで、現在はマヤルカ古書店ら…

八巻三兄弟ーー八巻穎男(関西学院教諭)・八巻凡夫(『白樺』編集部員)・八巻経道(博文館編集主幹)ーー

田代晃二*1編『田代善太郎日記』大正篇(創元社、昭和47年10月)と同書昭和篇(昭和48年10月)にキリスト教メソジスト派伝道師八巻かよの三人の息子が出てくる。注で断片的な経歴がわかるのだが、中々詳細はわからない。同日記から八巻かよと三兄弟について拾っ…

上野の図書館は今日も満員だった(´・ω・`)

閉鎖中のブログ「書物蔵」2016年11月23日のエントリーは「帝国図書館が満員になり始めたのは、1907年前後から」。そこでは、『書物往来』3年2号、大正15年2月掲載の「帝国図書館問題」(無署名)が引用されている。 帝国図書館の満員続きは昨今始まつた事では…

全財産を投げ打って『欽定四庫全書総目』を買った森鴎外

小島威彦の自伝『百年目にあけた玉手箱』に、徳田秋聲や谷崎潤一郎が出てくることは「上林暁と小島威彦が目撃した山田順子」と「大文豪と小島威彦・原智恵子」で紹介したところである。90歳代の小島の回想なので、時系列の混乱など必ずしも信用しがたい記述…

上田貞次郎が作った『南葵文庫洋書目録』は今いずこ?

『上田貞次郎日記ーー明治二十五年ー三十七年ーー』(上田貞次郎日記刊行会、昭和40年5月)を見てたら図書館ネタ。もっとも、既に言及した論文はありそうだ。 (明治三十五年四月) 二十七日 南葵文庫にて学生招待会(酔)(略) (同年七月) 十五日 火 南葵文庫にて…

久米正雄らが参加したファッショ運動団体五日会と雑誌『恤兵』

戦前久米正雄が参加した「五日会」という文士と軍人のファッショ運動団体があった。小谷野敦『久米正雄伝』(中央公論新社、平成23年5月)に、 [昭和七年]二月四日の「読売」に、久米が、直木、三上、白井喬二、佐藤八郎(サトウ・ハチロー)とファッショ文学運…

寺町今出川の宮崎書店が始めた平安巡回文庫

伊良子清白の日記*1にはもう一つ図書館ネタかと思われるものがある。 (大正七年) 十二月二十四日 火曜(略)今出川寺町の宮崎書籍店にいたり平安巡回文庫のことを尋ね(略) 十二月二十八日 土曜(略)平安巡回文庫より左記の雑誌を閲覧することゝす 日本及日本人…

50年後の太平洋と1万2千年前のムー大陸を夢見た三好武二

昨年知恩寺の古本まつりで買った友松円諦主幹の『真理』1年5号(全日本真理運動本部、昭和10年5月)。全体的に折れ曲がっていて状態はよくなくて500円だが、三好武ニ「南方熊楠研究」が載っているので購入。三好武ニといっても、その名前にビビビと来るのは、…

伊良子清白に保険の勧誘をされた伊上凡骨たち

伊良子清白は明治37年から39年まで帝国生命保険会社に診査医として勤務していた。ところが、保険勧誘のノルマがあったようで、日記には伊良子に勧誘された著名人の名前が記録されている。 (明治三十九年) 一月七日 日曜 午前中山丙子君を春木町二ノ六四に訪…

西川誠光堂から伊良子清白に日夏耿之介『明治大正詩史』が届いた

日記を読むのが好きなオタどん。いつか京都市上京区丸太町通新道東入ル南側にあった西川誠光堂が出てくる日記を見つけたいと思っていたが、たうとうその日が来ました。『伊良子清白全集』2巻(岩波書店、平成15年6月)所収の日記に出てきたのだ。 (昭和四年…

『北方人』27号(北方文学研究会)と室内を描いた装丁本

上記を盛氏より御恵投いただきました。いつもありがとうございます。目次は、 創作/御城前のおババ 通雅彦 創作/陀羅尼助丸の秘密 哀神シュナイダー 評論/釧路湿原文学史(8) 盛厚三 書評/北方人の本棚 [K] 書誌/装丁挿話(3) かわじもとたか 編集後記 […