2024-01-01から1年間の記事一覧
昨年は、大正2(1913)年8月黒田チカら3人の女性が日本で初めて大学(東北帝国大学理科大学)に入学して110周年であった。冒頭の写真は、その黒田が同大学卒業後オックスフォード大学に留学していた大正12年1月26日の写真である。この写真は、『黒田チカ資料…
細辻伊兵衛美術館で2025年2月12日まで「ダンス、ダンス、ダンス!踊るテヌグイ展」開催中。この美術館は、手拭いがチケットで、下数㎝の所を半券としてビリッと破り取られ、残りは手拭いとして使えるように持ち帰るユニークさ。私は過去「昭和のモダンガール…
昨日の京都新聞第1面「凡語」欄に、寿岳文章一家が暮らした向日市の住宅「向日庵」(澤島英太郎設計)を国の登録文化財とするよう答申された関係の記事。向日市教育委員会は、所有者の理解を得ながら公開していければとの方針らしい。これは、楽しみですね。…
皓星社の古本まつりに合わせて、上京してました。お買い上げいただいた皆様、ありがとうございます。古本道の諸先輩や研究者の方々にもお会いできました。一種の文化サロンですね。皓星社や古書会館でお会いした先輩方には杖をつく方もおられた。また、闘病…
京都文化博物館で開催中の「生誕140年石崎光瑤展」も今日(11月10日)で終了である。私は、展示を観る前に関連イベントとして開催された講演会(9月21日)と座談会(同月29日)を拝聴した。そこで光瑤の2度に渡るインド旅行(大正5~6年と昭和8年)やヒマラ…
流行語からは程遠いが、今年は「神保町のオタ」が妙に文献で言及される年である。まずは、御恵与いただいた小田光雄『近代出版史探索Ⅶ』(論創社、令和6年1月)の「1258 前田河広一郎『三等船客』、自然社、「新人叢書」」。次のような過分の言葉をいただい…
三輪是法『近現代日本における日蓮信仰』(法蔵館、令和6年2月)は、主として日記、手紙、著書、講演録等から近現代における日蓮仏教の信仰者における心理的動向を扱ったものである。扱われた信仰者としては、長松日扇(本門佛立宗の開祖)、田中智学、高山…
天神さんの古本まつりをのぞいてきた。今回100円均一コーナーが珍しく?くろっぽい本が少なくて、さっぱりだった。しかし、古書ダンデライオン、南部堂、初参加の古書フジエダからいい本が買えた。更に厚生書店が段ボール箱数箱に詰まった初出しのような紙も…
三輪是法『近現代日本における日蓮信仰』(法藏館、令和6年2月)は、500頁を超える本なのでつまみ読み中である。そうすると、第5章第3節「北一輝の信仰」に懐かしい霊術家永福寅造が出てきた。 平成22年の拙ブログ「古屋鉄石の孫弟子、北一輝 - 神保町系オタ…
大阪市史編纂所・大阪市史料調査会編『新修大阪市史:史料編』21巻(大阪市、令和6年3月)に南木芳太郎関係資料が収録されたというので、読んでみました。2点収録されていて、『昭和13年(1938)2月、大阪市作成のパンフレット『我が家と思へ大阪市』』と『…
「眞山青果旧蔵資料展ーーその人、その仕事ーー」は、国文学研究資料館で平成28年12月~29年1月に開催された。この時のパンフレットに掲載されたコラム「眞山青果の蔵書印について」 *1で、故青田寿美先生が「眞山青果文庫」で確認し得た限り最多の押捺がみ…
先月の平安蚤の市で、南部堂から折口信夫関係史料一括を購入。その中に沼津で大川渉が発行した文芸誌『朋友』第1巻第6号(朋友社、明治41年12月)があった。目次を挙げておく。 「萬葉調狂歌」を投稿した大阪の陽炎少将は、折口の筆名である。これは、研究者で…
並木誠士編『近代京都の美術工芸Ⅱ:学理・応用・経営』(思文閣出版、令和6年7月)は、高木博志先生の「寿岳文章と向日庵本の時代」を始め、私好みの論文が多くワクワクしながら拝読している。更に手持ちの史料で補足が書ける論文が幾つかあって、既に幾つか…
いつもお世話になっている三密堂書店の100円均一台から『明治十年太陽略暦』(頒歴商社)を購入。発行年の記載はないが、暦の性格から言って、明治9年末の発行だろう。「オタどん、暦なんか買ってどうすんの?」と言われそうである。これはそのとおりで、暦…
今年6月亡くなられた西川祐子先生が編者の一人となり解説も書かれた岸田俊子著、大木基子・西川編『湘煙選集3:湘煙日記』(不二出版、昭和61年5月)を読んでみた。『~日記』の類はだいぶ読んだつもりでも、まだまだ残っていますね。岸田俊子は、戸籍では万…
京都図案会事務所が発行していた『京都図案会誌』については、「京都工芸繊維大学美術工芸資料館で「図案家の登場ーー近代京都と染織図案Ⅲ」展が始まった - 神保町系オタオタ日記」で紹介したところである。明治36年に設立された京都図案会の初期の活動が分か…
吉田忠商店が発行していた『吉田忠商報 きもの』について、「『京都吉田忠商報 きもの』へ寄稿した作家・詩人達ー大阪高島屋の今竹七郎と吉忠の上田葆の時代ー - 神保町系オタオタ日記」で言及したところである。その時は気付かなかった文献として、『日本近…
京都表具業組合事務所内に置かれた美潢界社が発行していた『美潢界』(びこうかい)については、「『美潢界』第15回表展号(大正13年)を買ったら、よりによって国会図書館がその号だけ持ってた… - 神保町系オタオタ日記」で紹介したところである。私の投稿…
斎藤光先生から『『変態性慾』解説・総目次』(不二出版、平成14年10月)をいただきました。ありがとうございます。 解説の斎藤「学術的と壊乱的の間ーー『変態性慾』と田中香涯」中で、『変態心理』11巻6号(日本精神医学会、大正12年6月)の「編集室日誌」…
今日(9月14日)から、京都文化博物館で「生誕140年記念石崎光瑤展」が始まった。開催に先駆けて、9月12日京都新聞に展覧会の紹介(林屋祐子記者)が載ったところである。明治17(1884)年富山県生まれで、19歳で京都に出て竹内栖鳳の画塾に入門したという。…
関西学院大学博物館で、「平常展 学生たちの大学昇格運動 ─関西学院新聞からみる学院史─ 特集陳列 カラフル! 技でみる日本の蔵書票| 関西学院大学博物館」を開催中(9月14日まで)。大正11年創刊の『関西学院新聞』を通してみた大学創立(昭和7年)を扱った…
山梨県立文学館で8月28日まで「文芸雑誌からZINEへ 古今同ZINE誌」が開催された。そこでは、ZINEとは「それぞれが好きなテーマを自由な手法で冊子にまとめたもの」とされている。また、ばるぼら・野中モモ編著『日本のZINEについて知ってい…
今年も下鴨納涼古本まつりでは、竹岡書店の3冊まで500円(最終日は8冊まで500円)が好評でした。3日目だったか、戦前の地図が数枚混ざり込んでいた。その中に満洲の地図があって、これは貴重そうだなと思いつつ、地図には興味がなく買ったことがないので、戻…
下鴨納涼古本まつりが終了した。季節柄豪雨や夕立に見舞われることが多い古本まつりだが、今年はまったく降らなかった*1。天気は良かったものの、善行さんみたいに手が震えるような本は買えなかった。しかし、ブログのネタに使える本は拾えたので、紹介して…
8月4日は、オリオン・クラウタウ『隠された聖徳太子:近現代日本の偽史とオカルト文化』(ちくま新書)の書評会(龍谷大学)に参加。刺激的で、かつ、楽しめる研究会でした。関係者の皆様、お疲れ様でした。吉永さんが亡くなってからは、こういう研究会には…
今年が呉昌碩(ごしょうせき)の生誕180年ということで、昨年末から今年4月にかけて朝倉彫塑館、書道博物館、東京国立博物館東洋館、兵庫県立美術館で「生誕180年記念呉昌碩の世界展」が開催された。このうち兵庫県立美術館を観覧した。書・画・篆刻の特に篆…
一昨年(令和4年)7月6日の京都新聞に建築会社あめりか屋が令和5年に設立100年を迎え記念誌の発行を予定している旨の記事(樺山聡記者)が載った。続報が出たのか不明だが、大阪市立中央図書館で『あめりか屋HISTORY一〇〇年の道のり』(あめりか屋、…
古書鎌田から古書目録10号が発行された。長谷川伸(本名長谷川伸二郎)旧蔵品が多く、段ボール箱1箱分の写真ネガ・印画紙・その他旧蔵品のほか、旧蔵書が160冊以上出ていた。その中で雑誌に注目した。『四天王』6冊(四天王発行所、大正4年)は、長谷川が山…
『一寸』97号(書痴同人、令和6年6月)が刊行された。年4回発行なので、来年には100号を迎えるはずである。国会図書館には納本されておらず、「ざっさくプラス」(皓星社の雑誌記事索引データベース)に独自データとして目次を是非登載していただきたい雑誌…
来年は、森田慶一が設計した京都大学楽友会館の開館100周年である。大正14(1925)年、京都帝国大学創立25周年記念に建築された楽友会館については、「3年後に100周年を迎える森田慶一設計の楽友会館ーー京大総合博物館に展覧会を期待ーー - 神保町系オタオ…