2021-01-01から1年間の記事一覧
京都市寺町から大津市比叡平に移転した書砦・梁山泊に行ってきた。新たに外の壁に500円均一台ができていた。そこに1冊欲しいものがあったのだが、買うのを忘れて帰ってしまった。次に行く時まで残ってるだろうか。店内では、民俗学の棚に柳田國男『一目小僧…
先日の平安蚤の市で「pieinthesky」氏から、写真を購入。昭和11年6月7日に開催された芦屋仏教会館創立10周年記念講演会の日に丸紅商店社長で会館の創立者である伊藤長兵衛宅で撮影されたものである。台紙には、芦屋駅前の村田写真館のラベルが貼られている。キ…
7月に『中外日報』に花園大学図書館で「東本願寺南方美術調査隊」によるアンコールワット撮影の写真が発見されたとの記事が出た。その撮影をしたのが、野村直太郎である。野村については、一昨年5月に岡崎の風工房で野村が所蔵していたアンコールワットの拓本…
西川一草亭の日記「花うり日記」の翻刻は、『花道去風流七世西川一草亭:風流一生涯』(淡交社、平成5年3月)に収録されている。明治36年から39年までの日記で、1冊目の日記に「読書日記」との記載があるように、読書に関する記載が多い。翻刻者籠谷真智子氏の「概…
寸葉さん(シルヴァン書房の矢原さん)から500円で買った絵葉書がある。兵庫県城崎郡豊岡町の郡役所前にあった豊岡印刷所から国府村の古田医院宛に送った明治40年の年賀状である。だいぶ前に買ったもので、なぜ買ったのかも覚えていない。書砦・梁山泊京都店で…
大津市の古書店というと古書クロックワークなどだが、今年書砦・梁山泊京都店が大津市比叡平に移転したところである。「日本の古本屋」で検索すると、9軒ヒットする。戦前の昭和16年には、少なくとも12軒(1軒は店名不明)はあったようなので、それより少なくな…
山本志乃『団体旅行の文化史:旅の大衆化とその系譜』(創元社、令和3年9月)は、「はじめに」によると、次の三つの切り口からアプローチを試みたものである。 ・「I お参りの旅」は、伊勢参宮や富士登拝など、古来連綿と続けられてきた神仏にいざなわれる旅の系譜…
平成24年に常葉美術館で開催された「大正イマジュリィの世界展」と平成30年に日比谷図書文化館で開催された「大正モダーンズ展」を観ている。どちらにも『SHOCHIKUZA NEWS』が展示されていた。表紙のデザインが山田伸吉らによるもので、近年古書価が高い。その後…
12月14日(火)静岡市清水区の浜田生涯学習交流館で小二田誠二先生の講演「静岡印刷文化史」が開催されるとのこと。申込み受付中。詳しくは、「静岡印刷文化史[静岡市清水区]|アットエス」参照。お近くの人は是非行きましょう。 その関係で、Twitterで『静岡県…
明治41年京都初の映画常設館である電気館で活動写真を観た青年の日記は、「明治41年京都初の映画常設館電気館で活動写真を観る青年の日記 - 神保町系オタオタ日記」で紹介したところである。今回は、明治40年南座や夷谷座で活動写真を観た少年の日記にしよう。…
梅原眞隆の個人雑誌『道』は、昭和8年9月100号に達した。101号以降にそれを祝した会員からの書簡等が記載された。その中に壽岳文章の名前があって、目を惹いた。104号、昭和9年1月の「随喜(本誌)百號記念」欄である。大西良慶、相馬御風、多田鼎らが和歌、俳句…
本題に入る前に「平安神宮前の古本市で見つけた大正13年京都帝国大学工学部土木工学科入学生(?)のアルバムを調べた - 神保町系オタオタ日記」で言及した大正13年に撮影された京都帝国大学の建物について。中島先生から『京都大学建築八十年のあゆみ』(京都大…
知恩寺秋の古本まつりで其中堂から入手した梅原真隆の個人雑誌『道』(親鸞聖人研究発行所、のち道発行所)を見ていたら、廿日出逸暁(はつかで・いつあき)の名前が出てきて驚いた。一つは、125号,昭和10年10月の「道味」欄で、金剛山に来た廿日出からの「去三日以…
だいぶ前に太田心海『自叙で綴る梅原真隆の生涯』(『梅原真隆の生涯』刊行会、平成25年7月)だったと思うが、次のような一節を読んだ。梅原が大正14年6月に創刊した個人雑誌『道』に掲載された書簡に関する記述である。 便りの発信人の中には、もちろん彼の講…
神保町系を自称するオタどんも、たまに古本まつりで失敗することがある。最近とある古本まつりの300円均一台で発見した『新探偵小説』2号(新探偵小説社、昭和22年6月)である。見つけた時はホクホクとしたが、家に帰ってから中を見ると37頁以降が破り取られて…
6月にあった平安神宮前の古本市でシルヴァン書房の300円均一台に傷んだ戦前のアルバムを発見。表紙・裏表紙がなく、写真もかなり剥がされていた。元々アルバムは買ったことがないし、状態も悪いので迷ったが、旧蔵者が京都帝国大学の卒業生らしいので買って…
盛厚三氏から『北方人』37号(北方文学研究会、令和3年11月)を御恵投いただきました。いつもありがとうございます。全部大切にとってあります。 川口則弘「橘外男をはるかに超える弟の犯罪」は、橘『予は如何にして文士となりしか』(幻戯書房、令和3年9月)の解…
平安蚤の市でpieinthesky氏から葛原しげる*1編『老龍還暦賀集』(葛原しげる、大正2年8月)を購入。200円。これが思わぬ掘り出し物であった。葛原老龍(本名二郎)の還暦を記念して、次男しげるが知人等に頼み和歌、漢詩、俳句、書画等を寄せてもらった非売品。…
大分前に境田稔信氏(@pX03dDIs4dQ1G3x)の明治・大正期における辞書の発行に関するツイートを見た。並製分冊の辞書を1冊ずつ間を置いて刊行し、完結後に上製合冊本とすることが多かったというものである。私も明治期の辞書の分冊を持っているので、この際紹介…
天神さんの古本まつりの100円均一台で、初日に見つけていた薄田泣菫の本。重たくなるし珍しい本ではないので、見送った。しかし、2日目にも残っていたので購入。『艸木蟲魚』(創元社、昭和4年1月)である。他にも泣菫の本はあったが、これにはやや珍しい蔵書…
Twitterの「不忍ブックストリート」(@hitohako)によると、10月31日(日)21時からのYouTube「不忍ブックストリーム」に大阪堂島の古書店「本は人生のおやつです‼」の坂上友紀さんが登場されるとのこと。行かれたことのある人は必ず見ること。見てもらったら、そう言…
『跡見花蹊日記』(跡見学園)には、思わぬ人物・事物がしばしば登場する。たとえば、 ・「跡見花蹊が観た明治20年の工科大学校における活人画ーー京谷啓徳『凱旋門と活人画の風俗史』(講談社選書メチエ)への補足ーー - 神保町系オタオタ日記」 ・「毎日電報記者…
今年も天神さんの古本まつりの100円均一台でホクホクした人が多かっただろう。文庫本の棚は小さかったが、変わった本が多かった。今回は、山崎青雨編『うた沢全集』(岡野楽器店、大正8年10月)を紹介しよう。 「うた沢」にあまり関心はないが、「エコール・ド・…
四天王寺の骨董市にはしばらく行っていない。絵葉書を出品していた方は最近亡くなられたそうなので、久しぶりに行っても寂しいかもしれない。最後に行ったのは、「本おや」*1で高橋輝次氏の『雑誌渉猟日誌』(皓星社)出版記念イベントがあった時の平成31年4月21…
天神さんの古本まつりも本日で終了した。いつものことながら、特に100円均一台が素晴らしかった。今回は、駱駝堂から300円で買った仲小路彰『成吉思汗戦史』(戦争文化研究所発行・世界創造社発売、昭和14年3月)を紹介しよう。「世界興廃大戦史」シリーズの東洋…
尾崎翠の年譜*1を見ていると、大正8年4月日本女子大国文科に入学し、5月週刊校報『家庭週報』515号に「木蓮」を発表、6月同紙519号に短歌「富春園にて」を発表している。『家庭週報』は、明治37年4月創立の同窓会「桜楓会」の機関紙で、同年6月25日に創刊された。…
京都工芸繊維大学美術工芸資料館で開館40周年企画展第2弾「美術の教育/教育の美術」を開催中。11月6日(土)まで。有料*1だが、72頁の豪華図録は無料*2。私は先日観てきた。 展示品や図録掲載の図案関係の古書を見ていて、四天王寺秋の大古本まつりで出会えたら…
石原深予『尾崎翠の詩と病理』(ビイング・ネット・プレス、平成27年3月)を御恵投いただきました。ありがとうございます。石原先生との初対面は、人文研で日本心霊学会(人文書院の前身)関係の作業があった時だったか。挨拶で「尾崎翠の作品『第七官界彷徨』で…
松野博一新官房長官がライオンに勤めていた経歴があって、ライオン歯磨本舗小林商店広告部に勤めていた大手拓次に言及するツイートがあった。それで、先日の平安神宮における古本祭りでシルヴァン書房から入手した昭和4年のライオン歯磨本舗(株式会社小林商…
寿岳文章が残した「20世紀の和紙」と手漉紙をめぐる世界の状況に関する国際シンポジウムが10月16日(土)に開催されるようだ。詳しくは、「催し物案内/京都府向日市ホームページ」参照。私もオンライン配信の方を申し込んだ。まだ空きがあるが、早めに申し込みま…