2017-07-01から1ヶ月間の記事一覧
閉鎖中のブログ「書物蔵」2016年11月23日のエントリーは「帝国図書館が満員になり始めたのは、1907年前後から」。そこでは、『書物往来』3年2号、大正15年2月掲載の「帝国図書館問題」(無署名)が引用されている。 帝国図書館の満員続きは昨今始まつた事では…
小島威彦の自伝『百年目にあけた玉手箱』に、徳田秋聲や谷崎潤一郎が出てくることは「上林暁と小島威彦が目撃した山田順子」と「大文豪と小島威彦・原智恵子」で紹介したところである。90歳代の小島の回想なので、時系列の混乱など必ずしも信用しがたい記述…
『上田貞次郎日記ーー明治二十五年ー三十七年ーー』(上田貞次郎日記刊行会、昭和40年5月)を見てたら図書館ネタ。もっとも、既に言及した論文はありそうだ。 (明治三十五年四月) 二十七日 南葵文庫にて学生招待会(酔)(略) (同年七月) 十五日 火 南葵文庫にて…
戦前久米正雄が参加した「五日会」という文士と軍人のファッショ運動団体があった。小谷野敦『久米正雄伝』(中央公論新社、平成23年5月)に、 [昭和七年]二月四日の「読売」に、久米が、直木、三上、白井喬二、佐藤八郎(サトウ・ハチロー)とファッショ文学運…
伊良子清白の日記*1にはもう一つ図書館ネタかと思われるものがある。 (大正七年) 十二月二十四日 火曜(略)今出川寺町の宮崎書籍店にいたり平安巡回文庫のことを尋ね(略) 十二月二十八日 土曜(略)平安巡回文庫より左記の雑誌を閲覧することゝす 日本及日本人…
昨年知恩寺の古本まつりで買った友松円諦主幹の『真理』1年5号(全日本真理運動本部、昭和10年5月)。全体的に折れ曲がっていて状態はよくなくて500円だが、三好武ニ「南方熊楠研究」が載っているので購入。三好武ニといっても、その名前にビビビと来るのは、…
伊良子清白は明治37年から39年まで帝国生命保険会社に診査医として勤務していた。ところが、保険勧誘のノルマがあったようで、日記には伊良子に勧誘された著名人の名前が記録されている。 (明治三十九年) 一月七日 日曜 午前中山丙子君を春木町二ノ六四に訪…
日記を読むのが好きなオタどん。いつか京都市上京区丸太町通新道東入ル南側にあった西川誠光堂が出てくる日記を見つけたいと思っていたが、たうとうその日が来ました。『伊良子清白全集』2巻(岩波書店、平成15年6月)所収の日記に出てきたのだ。 (昭和四年…
上記を盛氏より御恵投いただきました。いつもありがとうございます。目次は、 創作/御城前のおババ 通雅彦 創作/陀羅尼助丸の秘密 哀神シュナイダー 評論/釧路湿原文学史(8) 盛厚三 書評/北方人の本棚 [K] 書誌/装丁挿話(3) かわじもとたか 編集後記 […
『図書』(岩波書店)6月号に伊良子清白の孫伊良子序氏が「詩人清白の流離と純化ーー生誕百四十年と新出日記ーー」を書いておられる。それによると、『伊良子清白全集』2巻には25年分の日記のうち8年分が収録されたが、その後新たに8年分が発見され、解読中で…