2019-05-01から1ヶ月間の記事一覧
弘文荘の反町茂雄は、数多い得意客の中でも中山正善、清野謙次、戸川浜男の3人と最も親しくしていた。中山は天理教の生き神様、清野は専門分野(医学・人類学)では世界的学者ということで多少の遠慮があったのに対し、実業家の戸川はまったく楽だったという。…
池袋の自由学園明日館へ行ったのは、もう15年以上前のことである。池袋の魔窟古書ますく堂はまだ存在しなかった。有料で案内してくれるが、しばらく「婦人之友社展示室」で待機した気がする。明日館はフランク・ロイド・ライトの設計した建物で、ホールが印象…
からふね屋印刷所が印刷した雑誌は「からふね屋印刷所の堀尾幸太郎と白川書院の臼井喜之介 - 神保町系オタオタ日記」で紹介したが、他にもあったはずだと思っていたら、見つかりました。『瓶史』新春特別号(去風洞、昭和9年1月)。 発行人は西川一草亭。瓢箪堂…
少し前に善行堂で小原無絃訳の『ロセッチの詩』(昌平堂川岡書店、明治38年10月)をゲット。「日本の古本屋」では、あきつ書店が38,880円を付けている。画家としてのロセッティは知ってるが、詩人としてのロセッティについては『D.G.ロセッティ作品集』(岩波文庫…
『海野十三全集』別巻2(三一書房、平成5年1月)に『大洋』昭和14年10月号のアンケート「僕の大戦観」への回答が載っている。 秘密兵器 ここで欧州に大戦を勃発させたのは、もちろんユダヤ秘密王国の指令によるものであろうと思いましたが、同王国では、この大戦…
河井酔茗主宰『女性時代』14年6号(女性時代社、昭和18年6月)が出てきた。神保町の水平書館の値札が貼ってあるので、東京古書会館の古本市で買ったようだ。32頁、800円。300円までで拾いたいところだが、相馬黒光「滴水日記」が載っているので購入。引用すると…
平成27年夏の神戸さんちかの古本まつりでトンカ書店から『ふるほん西三河集成』(西三河古書籍商組合ぐるーぷ西三河、平成7年8月)を購入。目録『ふるほん西三河』の1号(昭和57年)から50号(平成7年2月)までのうち、巻頭の文章の頁だけの合冊版である。トンカ書…
戦前『古本年鑑』という楽しい年鑑が昭和8年から12年にかけて4冊出た。大空社から復刻版も出ているが、私は元版を3冊持っている。どれも裸本だが、カバーや函は見たことがないので元から付いていないか。発行したのは沼津の渡辺太郎がやっていた古典社である…
本日は南方熊楠の誕生日なので、熊楠ネタを。熊楠というと、皆さんは何を思い浮かべるだろうか。粘菌学者、天皇へ贈った標本入りのキャラメル箱、神社合祀反対運動、柳田国男との往復書簡などか。私は、写真をあげた酒井潔が描いた裸の熊楠の絵である。『談…
大阪古書会館の古本市では先頭集団の多くは矢野書房の棚を目指す。私も矢野書房を目指すが、ビニール袋に入った雑誌や紙物だけをチェックして、次に古本横丁の和本300円コーナーへ。多くの人は矢野の単行本をまず漁っている。私はそれを尻目に古本横丁の和本…
最近大阪古書会館の古本市で古本横丁の和本300円コーナーに懐徳堂関係の資料が出るなあと思っていたら、四天王寺の古本まつりで天囚西村時彦『懐徳堂考』上巻(明治43年3月印刷)を発見。非売品。復刻版が出ているが、嬉しい1冊。古本横丁はとんでもない本を出…
阪神百貨店の古本まつりで買った『高橋穣小論集』(高橋秀俊、昭和43年7月)。矢野書房出品で300円だったか。心理学者、倫理学者だった高橋穣(たかはし・ゆたか)の饅頭本。経歴が面白いので購入。年譜によると、 明治18年5月 香川県三島郡和田村生 明治39…
何年か前の京都古書会館の古本市で『京都人物山脈』(毎日新聞社、昭和31年12月)を見つけた。毎日新聞京都市内版の連載をまとめたもので、京都の産業、文化、芸能などの各界の人々の群像を描いている。戦後の京都に興味はないし、広く浅い本はダメと思った…
『本の雑誌』6月号が特集「本の街の秘境に挑め!」ということで、秘境ネタを。今年1月に人文研でワークショップ「余白の宗教雑誌:宗教と宗教ならざるものの間」が開催され、番外編として「限界宗教雑誌バトル:書棚のすきまから」があった。バトルには私も出て、…
だいぶ前に一乗寺の萩書房Ⅱの100円均一台で『小橋勝之助日記『天路歴程』』(博愛社、平成23年10月)を拾った。非売品、119頁。長らく積ん読だったが、掘り出してようやく読んだ。博愛社は、明治23年現在の相生市で創立され、小橋の死後の明治27年に大阪に移…
四天王寺春の大古本祭りも終わった。例によって、シルヴァン書房で絵葉書をシャカシャカした。写真は、東区常盤町二丁目関西音楽団の甲賀先生・同浪江宛の絵葉書である。消印は明治43年6月28日。差出人は、森ノ宮の芳香。調べてみると、「甲賀先生」は甲賀夢仙…
みやこめっせの古本まつり最終日をのぞいてきた。ヨドニカ文庫がまたまた戦前の教科書類を300円で出していて、見返しや奥付の証紙に注目して「証紙買い」をもくろむ。早速、亀谷省軒編『修身児訓』巻之6(光風社、明治13年11月)を発見。見返しではなく奥付に…
書物蔵氏らが来るということで蔵書の「整理」(という名の山積み)をしたため、色々埋もれていた本が出てきた。書砦・梁山泊で買ったか、山根徳太郎旧蔵の『土田杏村とその時代』12・13合併号(上木敏郎、昭和45年4月)もそんな1冊である。杏村の思い出を語る…
初日に古本猛者らと廻ったみやこめっせの古本まつりも最終日ということで、また行ってきました。ヨドニカ文庫の戦前期教科書300円コーナーでしつこく猟書。2月の京都古書会館の古本まつりの時に見つけたが結局買わなかった「極東簡易図書館蔵書」印のある源歌…
昨日言及した『小汀文庫稀書珍本展観入札目録』を見つけた箱の中には、『アステ』(リョービイマジクス)も何冊か入っていた。6号(校正特集)、7号(横組特集)、8号(新聞特集)を見つけたが、探していた3号(奥付特集?)はなかった。なぜ、3号を探してい…
四天王寺春の大古本祭5日目。東京から古本猛者が押しかけてくるというので、100円均一コーナーで待機していると、追加されたらしい箱を発見。目録・図録などが入っていて、『小汀文庫稀書珍本展観入札目録』(東京古典会、昭和47年)が2冊あった。一方には書…
『SFマガジン』6月号は「横田順彌追悼特集」である。中学生の時買い始めた同誌に横田順彌先生の「日本SFこてん古典」が連載されていた。ここで古典SFの存在や古本探しの面白さを教えていただいた。ただし、その後の長い古本歴の中で古典SFを買うこと…