神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

2015-01-01から1年間の記事一覧

善行参りで『いつも会いたい桑原先生』(『いつも会いたい桑原先生』の会、1990年12月)

年末に善行堂へお参り。『いつも会いたい桑原先生』 なる123頁の本を発見。「桑原先生」とは、桑原武夫だろうと思い、中を見ると、正解であった。桑原が会長を務めた現代風俗研究会のメンバーによる饅頭本。目次は、 現風研定例会の記録テープから 第二回総…

山星書店本店で趣味誌『漫歩』(名古屋漫歩クラブ)

名古屋古書会館の古書展の帰りに山星書店本店に寄ったら、名古屋漫歩クラブ発行の趣味誌『漫歩』を発見。123号(昭和16年7月)、138号(21年4月)、139号(同年6月)、140号(同年8月)の4冊で1500円。123号は臨時記念号で24頁。表紙には「名古屋漫歩クラブ…

趣味誌は仲良く全日本趣味誌聯盟結成

『京都寸葉』7号(京都寸葉会、昭和12年2月)に全日本趣味誌聯盟結成の共同宣言が掲載されている。 共 同 宣 言 今回蒐集趣味会の向上発展を計り趣味雑誌相互の連絡を緊密にするため全日本趣味誌聯盟を結成しました、その事業は左の通りです イ、蒐集趣味に…

昭和14年京都のみやび会に結集した10人のコレクター群像

『わたく誌』(みやび会、昭和14年4月)は、全大阪古書ブックフェア2015において図研の出品で1000円。18頁の非売品の小冊子。巻頭には、 このたびわたくし達集りてみやび会てふもの作りいだして親しみふかくおの/\すきな道にいそしみ、をなじ道ゆく皆さま…

第2弾!大阪古書会館「全大阪古書ブックフェア」で出会った生きている古本達

はい、またまた行ってしまった全大阪古書ブックフェア。井上章一先生の漫才、じゃなかった、講演もしっかり聴いてきました。講演は一時間でしたが、大阪人の琴線に触れるような話題が多かったせいか、バカ受けでした。その後の矢野書房との掛け合いもいいコ…

大阪古書会館「全大阪古書ブックフェア」で出会った古本達

けふもけふとて古書会館へ。といっても、誰ぞがおる東京の古書会館ではなく、大阪の古書会館。10時の開場前に既にわしの前には60人にはいただろうか。後ろは見てない。トチゲキして、4300円だけ買いました。どうしても欲しかったという本はなかったが、そこ…

『森田思軒資料集2015』(笠岡市立図書館、平成27年11月)

上記を入手。目次は、 ご挨拶 笠岡市教育委員会教育長 淺野文生 発刊にあたって 笠岡市図書館長 高見俊行 森田思軒書簡資料の紹介について 笠岡市立図書館 小室恵子 書簡一覧凡例 自筆書簡一覧 思軒宛書簡一覧 自著文献一覧 参考文献一覧 森田思軒年譜 自筆…

鈴木二郎編『田中正造翁日記抄』(羊門文庫、昭和13年9月)

弁天町ORC200の古本まつりの100円均一コーナーで「ぶんさい」出品。 見慣れない戦前の文庫だけど、田中正造の日記なら全集に収録されているからやめとこうかと思いつつ、発行所の羊門社と発売所の一粒社が東京でなく名古屋なので、珍しいなあと購入。 「羊門…

『山田書房古書目録』第一輯(山田書房、昭和15年)

先日の東京古書会館の特選古書即売会で200円。初日に古本猛者(^_^;)4人が押しかけた翌日でも残っていた一品。「山田書房」は『荷風書誌』で知られる山田朝一が創立した古書店。現在は「山田書店」だが、いつ変更したかは不明。 本書に発行日の記載はないが、…

佐藤卓己「「メディア流言」の時代」第四回「二・二六事件の『流言蜚語』と太古秘史のデモクラシー」

佐藤先生の『考える人』連載「「メディア流言」の時代」は終了したが、第四回(同誌2014年秋号)に偽史ネタが。 発禁になった中山忠直『我が日本学』(上田屋書店、1939年)や藤沢親雄、更には森田朋子論文「スメラ学塾をめぐる知識人達の軌跡ーー太平洋戦争…

土俗雑誌『怒佐布玖呂』(ヌサフクロ)創刊号(土俗同好会、昭和7年4月)

大阪古書会館で2000円。「安ければ何でも」のオタどんもたまには数千円の本を買いますよ。と、威張るほどの額でもないか(^_^;) ガリ版30頁で発行所の土俗同好会は京都(京都市左京区田中門前町47藪田嘉一郎方)なので買ってみました。それと、編輯兼発行者の…

「口笛文庫とトンカ書店の冬の古本市」へ

けふから13日(日)まで神戸のBAL6階のBAL gallery33で口笛文庫とトンカ書店の古本市をやっているというので、遠征してきた。 買ったのは、 中島健蔵『アサヒ相談室 読書』(朝日新聞社、昭和27年)300円 磯部聖峯『神霊教と大塚寛一先生』(神霊教奉賛会、…

月の輪書林で高畠康明述『皇和霊薬治療の栞』(大日本健康会)

これも南部古書会館で月の輪書林から200円。14頁非売品の小冊子。「(代謄写)」の記載あり。黒鉛筆や朱筆の書き込み満載で普通の人は買わないと思うが、「高畠康明は戦前弾圧された天津教の関係者だったなあ」と気付いて購入。つぶさずに残しておく月の輪も…

『BOOK5』19号(トマソン社、2015年12月)特集「年末恒例アンケート 今年の収穫」にあの人が・・・

上記雑誌が届きました。特集名に「恒例」とあるが、初めての試みで、これから恒例にしてゆきたいとのこと。76人の回答者が、今年出会って(読んで)よかった、面白かった「本」と「本以外」を披露している。これは『みすず』の読書アンケート特集と並ぶ好企…

信濃郷土誌刊行会編『信州百物語 信濃怪奇伝説集 全』(信濃郷土誌刊行会、昭和17年7月再版)

南部古書会館で月の輪書林から200円。60頁の小冊子。初版は昭和9年5月発行。刊行会代表者荻原正巳の「はしがき」によると、 信濃に於ける口碑と伝説の内幾多の怪奇的伝説、鬼気身に迫る妖怪譚、更に嘗て世人を震駭せしめし犯罪実話の数々を織り込んで収むる…

関西蚤の市で巽聖歌『新美南吉の手紙とその生涯』(英宝社、昭和37年4月)

新美南吉作の絵本『ごんぎつね』の絵で知られるイラストレーター黒井健氏のインタビューの載った京都新聞を読みながら関西蚤の市へ。そうすると、東京くりから堂が『新美南吉の手紙とその生涯』を500円で出していたので、ゲット。 京都新聞の記事には、京都…

純研究蒐集趣味誌『京都寸葉』創刊号(京都寸葉会、昭和11年9月)

『交蒐』を拾った後、大阪古書会館に行くと、何やら裸本にグラシン紙が巻かれ、背表紙のタイトルが読めない本が二冊。念のため中を見ると、「純研究蒐集趣味誌」の文字が!にゃんと、『京都寸葉』の創刊号からの合冊版ではないか。隣の本を見ると、こちらも…

『北方人』22号(北方文学研究会、2015年10月)

上記をいただきました。ありがとうございました。 目次は、 創作/どうにもこうにも 通雅彦 創作/文学部教授ルーデ博士 哀神シュナイダー 随想/回想の青山光二(抄)其の二 池内規行 随想/鶴の居る村の出来事ーー雄阿寒と丹頂と湿原と(14) 伊藤重行 随…

研究的之趣味雑誌『交蒐』73号(交蒐会、昭和5年7月)

大阪のORC200の古本まつりで拾った。発行所は神戸市原田城ノ内九一に所在、編輯発行兼印刷人は蒲原数人。絵葉書、官白(官製葉書の料額印面に消印を記念押印したもの)、切手などの趣味誌だったようだ。主な内容は、 趣味暦 柴田春郊 その頃の想ひ出 藤田静…

萩原朔太郎が詩を選評した『逓信協会雑誌』401号、昭和17年1月

西部古書会館のガレージで押し合い圧し合いする中、ガシッと捕まえた『逓信協会雑誌』8冊の1冊。萩原朔太郎選の詩と選評が載っている。選評は、 今月の投書は、前々に比していくらか標準が高くなつた。「秋暮るる」と「晩秋」とは殆んど同点のものである。…

木津宗一編『木の津の遺蹟』(願泉寺、昭和9年3月)内務省検閲原本

所蔵する内務省検閲原本では最も古いもの。これまで紹介した内務省印は丸印だったが、これは横長の長方形。誰ぞこと書物藏氏が押収した雑誌の中に同じ印があった気がする。記載は、「内務省/9.3.17/正本」。漢字の部分は、紹介済の分は右横書きだが、これ…

安井教吾『書学雑考』(龍谷大学書道部、昭和12年12月)内務省検閲原本

一億総活躍社会ということなので、わすも東京の古書界で活躍せんと行ってきました、神保町へ。「また、ですかー」という声も聞こえるが、そうじゃ(^o^;)そしたら、三省堂の近くの古書店の百円均一コーナーで、またまた内務省検閲原本を発見。手書きのタイト…

藤元直樹「一九四七・真説ゴジラ対占領軍」『映画論叢』40号、2015年11月

藤元氏の上記論考を読む。副題は、「オキュパイド・トウキョウを震撼させた夜/占領軍放送AFRS・WVTR局のフェイク報道をめぐって」。1947年5月29日占領下の日本で東京湾に上陸した謎の怪獣が市街地に侵入、米軍と交戦するという米軍のラジオ放送が流された。…

古書ダンデライオンひとり古本市で『京大案内』(京大学生購買店、昭和14年4月)

アイタルガボンで今日の21時まで開催中の「古書ダンデライオンひとり古本市」で購入。非売品73頁、千円。各学部の先生や下宿・食堂の紹介など、非常に面白い。わすらの頃も生協がこんなのを出してたかなあ、覚えてない。 最後に本は断然学購(佐々木書房扱)…

紫陽書院で『書物の趣味』第7冊(書物の趣味社発行・ぐろりあ そさえて発売、昭和7年3月)

「ガタン、ゴトン、ガタン、ゴトン」と叡電で茶山の紫陽書院まで。誰ぞは乗ったことがあるかのう。 上記を1900円で。編緝兼発行人は、京都市知恩院山内信重院にあった書物の趣味社の伊藤長蔵。発売元は、ぐろりあ そさえてで、所在地は神戸市神戸区海岸通商…

旧植民地関係資料を救った大月健

京大俳句会の会報『自由船』復刊1号、大月健追悼号、2015年1月の宮本託志「ポッとくっついてしまった私」に図書館ネタが。 健さんが農学部図書室を定年退職し、付属図書館の嘱託職員として働き始めた頃、彼は「おまけの職員になってしまったように感じる。農…

津田書店で清水元助・有馬健之助『時文研究支那新聞の読み方』(外語学院出版部、昭和14年4月訂正4版)華北交通旧蔵?

千円。清水は東京外国語学校教授、有馬は大阪商科大学講師。「北京鐵路局/No. /20.9.1」と「華北大学/藏書/圖書舘」の印があるので購入。これは、華北交通北京鉄路局が敗戦後の昭和20年9月に購入、その後、接収されて、華北大学図書館の蔵書になったと解…

ゼー・シー・ブランド『時の休徴』(明治27年?)築地居留地発行

古本を買いたい一心で雨空の中、お出かけ。すると、三密堂で『時の休徴』なる小冊子を発見。奥付はないが、聖書からの引用があって、教会が宣教用に配布した無料の冊子(14頁)のようだ。それだけなら、200円でも買わないのだが、表紙に縦長の楕円形の印が押…

『紙ノ話』(富士洋紙店、昭和13年11月)内務省検閲原本

これも東京古書会館でゲット。内務省印は、「内務省/13.11.21/(普通出版)」。昭和13年11月18日印刷、同月23日発行。発行所の富士洋紙店は大阪市東区備後町に所在。非売品、18頁。同年9月5日大阪中央放送局ラジオ第二放送で「厚生講座 商品ノ智識」の「紙ノ…

垂水延秀編『日本叢書年表 附分類及書名索引』(間宮商店、昭和5年9月)

神戸古書倶楽部で一栄堂書店出品300円。「自序」によると、垂水は「随分永ラク高等学校ノ図書館事務ニ従事シテ居」るらしい。『図書館研究総索引』第3号(青年図書館員聯盟、昭和19年12月)の「寄稿者名簿・略歴」によると、明治14年生、広島高等学校図書課…