今や「居場所としての図書館」の筆頭として脚光を浴びる石川県立図書館(田村俊作館長)。同図書館の戦前における館長(昭和6~15年)として中田邦造がいた。西田幾多郎の門下生でもあったので、現在石川県かほく市の西田幾多郎記念哲学館で「図書館社会教育の実践者ー西田幾多郎の弟子、中田邦造ー」が開催中(~9月29日)である。哲学館館長による中田に関する講座も予定されている。
また、中田と共に読書会運動を進めた東田平治に関する展示「かほく市における読書会活動ー東田平治と中田邦造ー」が、かほく市立中央図書館で開催中(~9月20日)である。こちらでは、元かほく市立七塚図書館館長による東田に関する講演会が予定されている。
中田といい東田といい、一般の人には知られていないだろう。私は書物蔵氏のブログや『文献継承』への寄稿を愛読したので、名前を覚えてしまった。更に東田の『わたくしの読書会経営』(有朋堂、昭和19年9月2刷)を持っているぐらいである*1。
図書館史や西田に関心のある人は、是非観に行きましょう。
*1:中田の単著は持っていないが、中田編『秋村翁追懐録』(秋村翁追懐録編纂会、昭和12年12月)は持っている。「大東亜図書館学の小川寿一旧蔵『趣味之北日本』(郷土研究社)と谷村一太郎、そして中田邦造 - 神保町系オタオタ日記」参照