平成27年みやこめっせの古本まつりで軍艦郵便の葉書が挟まった矢野峰人『近代英文学史』(第一書房、大正15年6月)を購入した。彙文堂の出品で1,000円ぐらいだったと思う。発信者は上海に寄港した岸本健雄で、消印は1926(大正15)年7月12日、MOJI(門司)局…
『近代出版研究』(近代出版研究所発行・皓星社発売)が無事4月に刊行されるようだ。遅れるかと心配していたが、よかった。常連枠の拙稿は、「明治期における裏表紙のパブリッシャーズ・マークに関する一考察」です。全体の内容は、「近代出版研究 第3号 | …
『図書』3月号(岩波書店)に、鼎談「現代に生きる仏教と仏教学ー『岩波 仏教辞典 第三版』二十一年ぶりの改訂」掲載。出席者は、大谷栄一・菊地大樹・末木文美士各先生である。一部を引用すると、 末木 グローバル化していく近代仏教について、お話しいただ…
日本画家土肥蒼樹宛葉書は、4枚所蔵。そのうち1枚は「竹内栖鳳門下の土肥蒼樹と新しき村の上田慶之助・高橋信之助 - 神保町系オタオタ日記」で紹介済みである。今回は、昭和19年3月□日消印の社団法人日本美術報国会*1からの葉書を紹介しよう。 文面は、同会…
先月の京都古書会館の古本まつりには、一時間ほど遅刻。それでも、シルヴァン書房から葉書2枚と本1冊を購入できた。今回紹介する昭和10年6月30日付け河合卯之助から高槻の吉田健治宛葉書は、300円。 文面は一部しか解読できないが、「昨暁の大雷雨」がすさま…
@wogakuzuさんが《大川町の柳は大大阪の夢を見るか?》 https://twitter.com/wogakuzu/status/1751923395170857416# をポスト。大大阪時代に淀屋橋南詰から西へ土佐堀川沿いにあった大川町遊歩道について調べて漫画にしたもので、とても面白くかつ勉強になっ…
平安蚤の市で独学修養会『名士成功実話:立志奮闘』(独学修養会、昭和8年4月初版・15年4月10版)を200円で購入。よくある独学者達の成功物語だが、田山花袋、私が私淑する鳥居龍蔵、最近旧蔵書が古書市場に出て話題の長谷川伸などが載っているので購入。非…
数年前から寸葉さん(骨董屋)の所に、徳岡神泉宛書簡が出ている。ただ、これはというものがなくて私は買っていない。同じく竹内栖鳳門下で神泉に比べると知名度が劣る土肥蒼樹宛の書簡も以前から寸葉さんで見かける。こちらは数枚持っているので、今回その…
『みなと元町タウンニュース』(みなと元町タウン協議会)では、平野義昌「海という名の本屋が消えた」が引き続き連載中。「元町の月刊タウン誌「みなと元町タウンニュース No.368」発行|みなと元町タウンニュース|元町マガジン|神戸の良さが元町に、神戸…
1月13日みやこめっせで開催された文学フリマ京都で、『上方:お化け研究』(上方お化け研究会、令和5年12月)を購入した。表紙や目次が見事に南木芳太郎が主宰した『上方:郷土研究』へのオマージュとなっている。 上方郷土研究会編『上方』は、南木により昭…
昨年秋、知恩寺の古本まつりでは、例によって竹岡書店の均一台でくろっぽい雑誌や小冊子を拾えました。今回紹介する『素描』2号(素描社、昭和2年6月)もその内の1冊である。表紙に「デツサン」とあるので美術雑誌かと思ったら、文芸雑誌であった。 発行所の…
近代書誌懇話会編著『帝国図書館コレクション案内:請求記号から見た蔵書構成』(近代出版研究所、令和5年12月)を御恵投いただきました。ありがとうございます。 「本書の意義」によれば、「本書は現在、国会図書館(以下、NDL)が所蔵する本(国会本)の請…
昨年12月平安蚤の市で酒井勝軍『太古日本のピラミツド』(国教宣明団、昭和9年7月)発行の案内状を購入した。pieinthesky氏からで、1,000円。近代ピラミッド協会創立のきっかけとなった武内裕『日本のピラミッド』(大陸書房、昭和50年12月)がセンセーショ…
昨年縁があって、『神保町 本の雑誌』(本の雑誌社、令和5年11月)に「なぜ『神保町のオタ』を名乗るのか」を寄稿しました。そこでは中学生の時に買った『SFマガジン』世界は破滅する!特集(早川書房、昭和49年10月)でヨコジュン(故横田順彌*1)の連載…
今年も後2日ですね。年内にどうしてもアップしておくべきネタが残ってました。ジュンク堂書店池袋本店で2月19日まで「イデア書院→玉川学園出版部→玉川大学出版部100周年フェア」(honto店舗情報 - 【4F人文】玉川大学出版部100周年フェア)を開催中。玉川大…
中村元・福永光司・田村芳朗・今野達・末木文美士編『岩波仏教辞典第三版』(岩波書店)が刊行された。内容案内には「新規項目例」として、「中外日報」、「ラジオ説教」、「赤松連城」、「暁烏敏」、「大谷光瑞」、「友松円諦」、「曽我量深」、「万国宗教…
鳥居龍蔵の一部の研究者は知っているだろうが、龍蔵の長女幸子の夫は仏文学者の萩原弥彦であった。私が気付いたのは、和田博文監修「ライブラリー・日本人のフランス体験」第3巻(柏書房、平成11年7月)として復刻された『あみ・ど・ぱり』2巻1号(巴里会、…
『古本イエーZINE』7号(狂言屋、令和5年11月)に「谷澤永一が青猫書房に注文?した古書のリスト」を寄稿しました。谷澤永一に送られた青猫書房古書目録の封筒に谷澤が注文したと思われる古書の番号が記されていたので、その極一部をリストにして話題にしま…
田中克己は、昭和31年1月詩誌『果樹園』(果樹園発行所)を創刊。帝塚山学院短期大学で田中と同僚だった壽岳文章は、6号.同年7月に「金尾文淵堂のこと」を、11号,同年12月に「『悲歌』読後感」を寄稿している。前者は、5号,同年6月の田中「金尾文淵堂年譜稿」を受…
「国会図書館デジタルコレクション」で「神保町系オタオタ日記」を検索すると、2件ヒットする。1件は「東大の博士論文に「神保町系オタオタ日記」登場ーー鈴木聖子『「科学」としての日本音楽研究』にスメラ学塾ーー - 神保町系オタオタ日記」で紹介した鈴木聖子氏の博…
大阪歴史博物館7階に心斎橋筋にあったヨネツ子供服装店が復元されている。この米津禎三が経営した子供服店は、ショーウインドーが有名であった。橋爪紳也『モダン都市の誕生:大阪の街・東京の街』(吉川弘文館、平成15年6月)*1によれば、米津は欧州外遊か…
『第三高等学校一覧』で昭和11年から14年までの文科卒業者を調べると、昭和11年に桑原静雄(後の竹之内静雄)、林田悠紀夫(戦後京都府知事)、12年に会田雄次、14年に杉原四郎がいる。なぜ調べたかというと、三高の英語教師だったパーシヴアル・D・パーキ…
知恩寺秋の古本まつりも11月5日で終了。私の古本生活も一段落である。今回の古本まつりでは、特に竹岡書店の均一台で色々拾えました。写真を挙げた『演劇博物館の栞』(早稲田大学坪内博士記念演劇博物館、昭和15年12月)や『歌舞伎劇場図大展覧会目録:演劇…
10月28日、出品している皓星社の古本市への表敬訪問のために上京。東京古書会館で前日から開催している特選古書即売展も覗いてきた。2日目のしかも開場から数時間経っていたので、「特選」度は薄かった。しかし、あきつ書店で『変人』(俳華堂)なる俳誌を発…
長崎県美術館で来年1月8日まで「浪漫の光芒ー永見徳太郎と長崎の近代」を開催中である。旧Twitterで知って、フライヤーはまだ入手していない。長崎には学生時代の友人鼎君(筆名。京大U超研・SF研OB)がおられるし、観に行きたいところである。こういう有名…
『一寸』87号(学藝書院、令和3年12月)以降の同誌に丹尾安典氏による「原撫松の日記」が掲載されている。数年前発行者である書痴同人の一人山田俊幸氏旧蔵の『一寸』が「本おや」に出て、数冊持っている。しかし、最近の号は持っておらず、更に所蔵する図書…
平成29年12月に中之島図書館で開催された「建築家・安井武雄の想像力 近代大阪の精華」のリーフレットが出てきた。記憶がはっきりしないが、安井が設計した大阪倶楽部(大正13年竣工)、高麗橋野村ビル(昭和2年竣工)、大阪ガスビル(昭和8年竣工)などの設…
昨年は、神保町ブックフェスティバルに連動した皓星社の古本市に参加した。そのため知恩寺秋の古本まつりには、3日目からの参加となった。真っ先に目指したのは、玉城文庫の3冊500円台。その中に『婦人文化』1巻2冊(中山女性文化研究所、大正15年6月)があ…
国会デジコレの全文検索のおかげで過去の自分の研究において残された謎が解けた人も多いだろう。今回私も「明治期の私塾正心學舎はどこにあったのか? - 神保町系オタオタ日記」で言及した『正心学舎規則』の正体が判明した。デジコレで滝沢定春「頸城地方の…
ランキング参加中京都 手元に中山香橘が入会していた京都民藝協会の会員証がある。当初の有効期間は昭和30年中で、その後31年中までに延長されている。会員番号は、125。裏面には、東京の日本民藝館で無料参観できたり、京都の十二段家などで割引を受けられ…