神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

尚学堂書店で『領解文説教:譬喩因縁』(顕道書院、明治34年)を社章買いーー洋書のプリンターズ・マークに倣った社章の例ーー

とうとうやってしまいました。社章買いを。義渓述・大久保一枝編『領解文説教:譬喩因縁』(顕道書院、明治34年9月)。尚学堂書店でコロナ騒動前に見つけていたものの持っていたような気もしたので見送ったら、緊急事態宣言が出て買いに行けなくなっていた。宣…

五色園の森夢幻が京都に計画していた万国史蹟宗教公園

だいぶ前に三密堂書店の100円均一から拾った『万国史蹟宗教公園創建趣旨』。八幡町(現八幡市)の「二百万坪を事業出発の地区として二府四県の連峰に拡張し本邦の中心に万国史蹟宗教公園真修五色園」を創設するとの趣旨書である。 地元との調整は済んでいて、昭…

中学生だった寿岳文章の心をとらえた東枝書店ーー東枝書店の『図書総目録』(大正2年)から見るーー

中島俊郎先生に御恵与いただいた『向日庵』3号(特定非営利活動法人向日庵、令和2年1月)の佐藤光「寿岳文章のウィリアム・ブレイク研究」に東枝書店が出てきた。寿岳「ブレイク研究への序説」『ブレイクとホヰットマン』1巻1号,昭和6年が初出で、 私の追憶は、私…

『雑誌「趣味」の研究』を斜め読みーー稲垣達郎が『趣味』を拾った古雑誌専門店柴善と家根谷書店ーー

尾形国治・小仲信孝編著『雑誌「趣味」の研究』(昭和59年4月)は、股旅堂から3000円位で購入。目次の写真も挙げておく。 国会図書館にもないが、「あとがき」に「早稲田大学図書館、日本近代文学館、国立国会図書館、東京都立大学附属図書館、昭和女子大学近代文庫…

摺師西村熊吉の談話が載った『今と昔』第1号(西村熊吉版刊行会)

知恩寺の古本まつりで摺師西村熊吉の次男亀次郎の遺稿集『亀山遺稿』(旧日本会、大正10年7月)を拾った話は、「竹岡書店の均一台で摺師西村熊吉の次男亀次郎の遺稿集を発見 - 神保町系オタオタ日記」でしたところである。実は、『今と昔』第1号(西村熊吉版刊行…

京都スターブックスで見つけた大正12年の『中外写真審報』に15歳の川島芳子

今年のみやこめっせにおける春の古書大即売会(京都古書研究会)は、中止になった。開催されるのを楽しみに、廻る店の順番を脳内シミュレーションしていたのに、残念である。そこで、昨年同即売会で京都スターブックスから買った『中外写真審報』(中外写真審報…

東海堂書店のPR誌『図書雑誌月報』の昭和5年新年号『新刊雑誌名著書籍目録』

平成28年7月に入手しているので、たにまち月いち古書即売会で入手したか。東海堂書店のPR誌『図書雑誌月報』25巻1号,昭和5年1月が出てきた。巻数から逆算すると、明治39年創刊ということになる。表紙には「新刊雑誌名著書籍目録」とある。表紙に「夢見る京都の…

星製薬の星一が残した東京福島県人会の『東京福島県人会々報』創刊号

「ねこや」の値札が貼ってあるので、東京古書会館の即売会で買ったのだろう。『東京福島県人会々報』創刊号(東京福島県人会会報部、昭和26年11月)が手元にある。どこの図書館にもないようだが、発行部数は多かったようで「日本の古本屋」には2点出品されていて、…

名古屋の読書趣味の雑誌『読友』(名古屋読書協会)創刊号ーー顧問に国枝史郎や金子白夢ーー

平成28年の秋に百万遍知恩寺の古本まつりでシルヴァン書房から入手した『読友』創刊号(名古屋読書協会、昭和7年10月)という雑誌がある。未知の書物関係雑誌で、どこの図書館にもないようだ。目次はないが、表紙の立石甫水による創刊の辞の他に、 読書漫談ー…

城市郎旧蔵の『発禁書と言論・出版の自由』(大阪人権歴史資料館)

大阪人権博物館(愛称リバティ・おおさか。旧大阪人権歴史資料館)は臨時休館のまま、来年6月までに移転することになったという(←追記:5月25日~31日特別無料開館することになった)。私は特別展を見るために何度か行ったことがある。常設展は、同和問題は勿論…

古書クロックワークから拾った『世界通』創刊号(明治41年)に「異常なる怪光」の記事

今年の四天王寺春の大古本まつりは、6月に延期された上、中止になったところである。開催されていれば、100円均一コーナーは勿論、各店であれこれ掘り出せたと思うと残念である。さて、以前同古本まつりで古書クロックワークから300円で見つけた『世界通』創…

京都に関する随筆雑誌『洛味』に雨田光平「平凡寺さんを憶ふ」ーーいつまでもあると思うな親と「ざっさくプラス」無償公開ーー

京都で発行されていた『洛味』という雑誌について、京都の食に関する随筆が載った雑誌と思っている人も多いだろう。しかし、必ずしも食に関する随筆ばかりではなかった。5月末まで無償公開中の「ざっさくプラス」で検索すると、199件ヒットしてその一端はうか…

松尾尊兌先生の古本仲間

『京古本や往来』74号(京都古書研究会、平成8年10月)の巻頭に松尾尊兌「古本まつり あれこれ」が載っている。 古本まつりは古本仲間の顔合わせの機会でもある。滋賀医大のT先生、奈良大のM氏、池の坊のH氏、佛大のH氏夫妻、京大のY氏等々。これらの人々の中に…

戦前期の京都消毒保健社による古本への消毒済証ーーキクオ書店の前田菊雄が語るーー

新型コロナ対策で図書館の本への消毒が話題になっている。これに関連して、戦前結核予防として古本が消毒され、消毒済証が裏見返しに貼られた事を思い出した人もいるだろう。私もそのような古本を何冊か持っているので、その内、関根正直校訂『国姓爺合戦・…

寿岳章子の古本人生3段階ーー『京古本や往来』(京都古書研究会)からーー

家にこもって積ん読本の整理をしていると色々発見ができた。『京古本や往来』28号(京都古書研究会、昭和60年4月)に寿岳章子「生涯のつきあい」が載っていた。章子と古本屋のつきあいは3期に分けられるという。要約すると、 第1期(幼少期) 父(寿岳文章)と寺町通…

『ひな菊のスクラップブック 関西拡大スペシャル版』でバーチャル古本屋行脚

書店や古書店に関連する物を集める人も多い。撮影した古本屋の写真集が出された野呂邦暢、レッテル(ラベル)*1の林哲夫氏、古書目録の南陀楼綾繁氏・鈴木宏宗氏、絵葉書の書物蔵氏、ブックカバーを集める書皮友好協会の人達がその例である。今回これにショッ…

オックスフォードでテニス修行ーー明治27年の安部磯雄・高楠順次郞・南岩倉具威ーー

『安部磯雄日記ーー青春篇ーー』(同志社大学同志社社史資料センター、平成21年2月)に安部の洋行日記が収録されていて、高楠順次郞が出てくる、 (明治廿七年) 第七月 廿二日 (略) 「オックスホード」には二人の日本人あり、高楠順次郞及び南岩倉某氏なり。屢余…

雨漏庵主人旧蔵の斎藤昌三編『現代筆禍文献大年表』ーー最初の所蔵者は陶山密か?ーー

某古書店から入手した斎藤昌三編『現代筆禍文献大年表』(粋古堂書店、昭和7年11月)。私製の函に「是国禁之書/雨漏庵主人」とある。「雨漏庵主人」は斎藤の「少雨荘主人」を意識したものか。目次の前に面白い書き込みがあった。昭和8年1月20日の日付と共に「週刊朝…

松本清張・今東光・十返肇のサインが入った『文藝春秋史稿:三十九年の歩み』

『二級河川』(金腐川宴游会)という同人誌がある。15号(平成28年5月)は「古本仁義」特集で、表紙は兵務局氏の蔵書、裏表紙は書物蔵氏の蔵書である。「サイン本ポーカー」という面白い記事が載っている。古本者が複数のサイン本を持参して、例えば川瀬一馬のサイン…

川口松太郎・岩田専太郎のコンビが登場する永美太郎『エコール・ド・プラトーン』第2集(リイド社)

水の都の古本展では岩田専太郎の挿絵の絵葉書を。モズブックスから200円。「東宝映画年に一度の豪華キャスト 蛇姫様」とあるが、原作は川口松太郎作・岩田専太郎挿絵で昭和14年10月から15年7月まで東京日日・大阪毎日新聞の夕刊に連載された。松本品子・弥生美…

『定本漱石全集』20巻(岩波書店)注解への若干の補足ーー漱石夫人夏目鏡子と岡田式静坐法ーー

『定本漱石全集』20巻(岩波書店、平成30年6月)は、日記・断片下。漱石の作品は、夏休みの課題図書にされた『こころ』を読むのが苦痛だった時以来苦手だが、日記や書簡を読むのは楽しい。ざっと読んでみて、注解(石崎等・岡三郎)で気付いたことを補足しておこ…

森銑三の早稲田大学講師就任を斡旋した日夏耿之介

かつてリブロポートがシリーズ民間日本学者を出した。予定したラインナップのすべては出せなかったが、優れた評伝が多かった。今リストを見ると、 津村喬『岡田虎二郎』 左方郁子『宮本常一』 鈴木正『狩野亨吉』 阿奈井文彦『梅原北明』 鶴見良行『松岡静雄…

「大阪砲兵工廠蔵書」印の押された『増続大広益会玉篇大全』(嘉永7年)を蔵書印買い

大阪砲兵工廠について初めて知ったのは小松左京『日本アパッチ族』からだという人も多いだろう。私も角川文庫版の同書で知った口である。そんなオールドSFファンの私が、昨年6月大阪古書会館の古本市で「大阪砲兵工廠蔵書」印のある和本を見つけた。毛利貞斎『…

知恩寺の100円均一で「怪物」の項目もある『山岳語彙採集帖』(日本山岳会、昭和11年)を

下鴨神社や百万遍知恩寺で開催される青空古本まつりから100円均一コーナーが消え失せて数年が経つ。『山岳語彙採集帖』(日本山岳会、昭和11年12月)は確か熊本地震の被災者へのチャリティーとして均一コーナーが一時的に復活した時に見つけたと思う。巻頭の「…

小説家石橋思案と宗教学者石橋智信ーー石橋智信は日夏耿之介と神秘宗教を語ったかーー

数年来積ん読だった『日夏耿之介宛書簡集:学匠詩人の交友圏』(飯田市美術博物館、平成14年7月)を読んでいたら石橋智信の書簡が載っていた。昭和5年1月16日消印で游牧印書局宛。游牧印書局は昭和4年8月に日夏の監修で創刊された雑誌『游牧記』の発行所。文面…

道楽絵はがきの時代と三田平凡寺

京都国際マンガミュージアムの臨時休館が「3月15日まで」から「3月22日まで」に延長された。 京都の蒐集家小西一四三(号卜鯰爺)の三田平凡寺宛絵葉書ーー京都国際マンガミュージアムで三田平凡寺展開催中ーー - 神保町系オタオタ日記」で紹介した「「趣味の王さま…

宇崎純一が道頓堀の真昼を描いた絵葉書ーー山本不二男宛梅谷紫翠の絵葉書ーー

平成24年7月から9月にかけて、堺市立文化館で「晶子さんとその時代ーー宇崎純一と華やかな大阪出版文化ーー」が開催された。スミカズが描いた絵葉書が大量に出品されていて、いつかは1枚くらい入手できるだろうかと思ったものだった。その後、書物蔵氏からの…

出版史料としても使える『小中村清矩日記』(汲古書院)ーー上野図書館に寄贈された『歌舞音楽略史』ーー

国会図書館は小中村清矩『歌舞音楽略史』乾・坤(小中村清矩、明治21年2月)を2点所蔵している。1つは帝国図書館に寄贈され冑山文庫となっている根岸武香旧蔵書である。もう1つは国立国会図書館の印が押されたものである。明治の刊行時に内務省から交付された…

文庫櫂から入手したまど・みちおの稗田菫平宛葉書

文庫櫂で入手した稗田菫平宛葉書については、「昭森社の森谷均人生最後の年賀状 - 神保町系オタオタ日記」などで紹介した。稗田旧蔵品は金沢文圃閣が大量に持っているようなので、同社が買い取りをして一部を市会に出し、それが文庫櫂に渡ったのかもしれない。…

和田英作が夢見た欧州模写名画美術館

都立中央図書館で開架の文学全集や伝記の棚をブラウジングしたことがある。高橋箒庵の日記『萬象録』もそこにあったのだが、茶人の日記ということでスルーしてしまったようだ。しかし、精読すると多彩な人物が登場して驚く。既に何度もブログのネタに使わさ…