神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

明治42年早稲田大学教授金子馬治のオカルト授業

『三富朽葉全集』2巻(牧神社、昭和53年3月)所収の明治42年11月5日付け増田篤夫宛書簡に面白い記述があった。 教室が暗かつた。金子先生が説くルネッサンス時代の接神術とやら、魔術とやら、其処此処に実現されるやうな気がする。 金子先生はずんずん錬金術と…

秋田県立秋田図書館横手分館旧蔵の『秋田考古会々誌』(秋田考古会)ーー柳田國男が顧問を務めた秋田考古会ーー

京都古書会館で開催された京都まちなか古本市では、紐閉じされた『秋田考古会々誌』1巻2号,大正14年11月から2巻1号,昭和3年2月までを入手。福田屋書店の和本の棚を念のためチエックしたら、紛れていた。500円。秋田県立図書館が1巻1号,大正14年8月から3巻6号…

京都まちなか古本市の尚学堂書店から梅原真隆・顯真学苑旧蔵の『悲眼院初代院長故渡辺元一先生の面影』

京都古書会館では10月9日から11日まで「京都まちなか古本市」が開催された。古書ダンデライオンや尚学堂書店などに梅原真隆及び梅原が創設した顯真学苑旧蔵の本が出ていたので、それを中心に購入。今回紹介する『悲眼院初代院長故渡辺元一先生の面影』(高橋慈…

近代の仏教者達と国家主義団体大亜細亜建設社ーー笠木良明のもとに集まる多田等観・山辺習学・足利浄円・中井玄道ーー

' 私の両親は福井出身で、熱心な浄土真宗の信者であった。しかし、息子である私の世代になると、さっぱり関心はなくなっている。仏教については、教科書で学んだ程度の知識しかない。それでも、個別の仏教関係者、たとえばシルクロード探検の関係で大谷光瑞…

『近代の仏教思想と日本主義』(法藏館)の栗田英彦「日本主義の主体性と抗争ーー原理日本社・京都学派・日本神話派ーー」への補足

御恵投いただいた石井公成監修、近藤俊太郎・名和達宣編『近代の仏教思想と日本主義』(法藏館)を読んでみました。巻頭の石井先生の総論「日本主義と仏教」が極めて行き届いた論文で圧巻でした。近代日本の仏教者・知識人と日本主義との関わりを分析した各論15…

「本おや」で『ほんまに』14号(くとうてん、平成23年)を入手ーー「へちま倶楽部と貫一」掲載ーー

大阪の「本は人生のおやつです!!」(本おや)に取り寄せを頼んでいた雑誌『ほんまに』14号(くとうてん、平成23年11月)を入手。竹十主人「湊東古書四時雑記 へちま倶楽部と貫一」が載っているので、読みたかったのである。西村貫一に関して目新しい内容としては、 …

いもづる同人にして我楽他宗第六番札所、藤浪吟荘の藤浪銀蔵

いきなり似顔絵をアップ。拙ブログの読者の数名は、書砦・梁山泊京都店の島元さんと思っただろう。しかし、別人で藤浪銀蔵という人の自画像である。数年前モズブックスから800円で入手した絵葉書の裏面である。Twitterでヲガクズ氏(@wogakuzu)が、今月3日に…

橘孝三郎の獄中読書本のリストーー近角常観と超国家主義者橘孝三郎ーー

三井甲之『しきしまの道原理』 矢吹慶輝『日本精神と日本仏教』 『仏教統一論』 『日本宗教史』 金子『仏教概論』 『思想と信仰』 『仏教大綱』 『民間信仰史』 久松『仏教概論』 『世界宗教史』 境野黄洋『日本仏教史講話』 土屋詮教『日本仏教史講話』 姉…

大正12年宮本常一が観た「大和少女歌劇」は日本少女歌劇座か?ーー京都文教大学の鵜飼正樹教授へーー

奈良県立図書情報館で開催された日本少女歌劇座に関する展覧会は、見逃してしまった。「旅する歌劇団 日本少女歌劇座を追う(2018年9月22放送)|特集|U-doki|UMKテレビ宮崎」によると、京都文教大学の鵜飼正樹教授が同歌劇座を研究する切っ掛けになったのは…

西村貫一「蔵書標蔵書印の言葉」

9月25日の「蔵書印/出版広告」さんのTwitterは、 ・市島春城の蔵書印(子孫易酒亦可)「蔵書印DB子孫易酒亦可」「蔵書印DB子孫易酒亦可」 ・川尻清潭の蔵書印(川尻清潭此書不換妓)「蔵書印DB川尻清潭蔵此書不換妓」 を紹介している。見覚えがある語句と思っていたら、…

大正13年蒙古から来日したラマ僧達ーーもう一人の釈、釈黙笑と日蒙仏教連合会ーー

「ジャワの仮面を集めた男達ーージャワの松原晩香と京都の山崎翠紅ーー - 神保町系オタオタ日記」で紹介した『写真新聞』(写真新聞社、大正13年5月)に、蒙古から来日したラマ僧が出ていた。日比谷公園の花見堂で開催された釈迦生誕祭に参列したラマ僧達。蒙古…

梅原真隆・顕真学苑旧蔵の関昌祐編著『死後はどうなる?:心霊学説』(霊光洞本部、大正15年)

尚学堂の古書目録『尚学堂我楽多』522号,令和2年9月に梅原真隆・顕真学苑の旧蔵書が千円均一で出ていた。せっかくなので、1冊買ってみた。関昌祐編著『死後はどうなる?:心霊学説』(霊光洞本部、大正15年8月)である。「梅原真隆蔵書」印や「顕真学苑図書館」印…

二科会会友海老名文雄とパトロン芝川照吉ーー久米正雄「モン・アミ」に出てくるN洋画会のパトロンMは誰だ?ーー

「久米正雄「モン・アミ」の画家相澤八郎のモデル - 神保町系オタオタ日記」で行った久米正雄の小説「モン・アミ」『改造』昭和4年10月に出てくる相澤八郎のモデル=海老名文雄説及び海老名の年譜は、小谷野敦氏や林哲夫氏に好評であった。ただし、相澤らN洋画…

榎本法令館の榎本松之助が創刊した『新世界』(新世界社、明治42年)ーー宮本大人「湯浅春江堂と榎本法令館」への補足ーー

『文献継承』36号(金沢文圃閣、令和2年11[ママ]月)をいただきました。ありがとうございます。小林昌樹「『月遅れ雑誌』のはじめは明治30年ごろーー特価本の流通史」掲載。冒頭、拙ブログ「月遅れ雑誌を読んで育った高橋正治が通う館林の書店・図書館ーーヨドニ…

ジャワの仮面を集めた男達(その2)ーージャワ帰りの井岡大輔と原始芸術品蒐集家宮武辰夫

毎年腰痛に襲われるが、今年も再発。じっとしてれば痛くないので、スマホは使える。「ジャワの仮面を集めた男達ーージャワの松原晩香と京都の山崎翠紅ーー - 神保町系オタオタ日記」で言及した『鳩笛』6号(ちどりや、大正15年3月)が見つかったので、緑紅生「京…

ジャワの仮面を集めた男達ーージャワの松原晩香と京都の山崎翠紅ーー

数年前、四天王寺の古本まつりで古書クロックワークから『写真新聞』2巻5号(写真新聞社、大正13年5月)を入手した。表紙は補修ありで、口絵の一部も欠けていたが、大阪で発行されたグラフ誌で記事も幾つか興味深いものがあって、しかも200円なので購入。奥付…

与謝野鉄幹の兄大槻拙堂とは誰だ?ーー鉄幹の行方不明となった三兄巌のその後ーー

「カルピスを「初恋の味」にした驪城卓爾と三島海雲ーー厚生書店で見つけた『箕山遺稿』ーー - 神保町系オタオタ日記」で紹介した驪城卓爾『箕山遺稿』(驪城芳子、昭和4年6月)の「柿三題」中「落柿舎」に面白い記述があった。 数年前*1のある秋、其頃はまだ嵯峨の天…

明治41年?京都日出新聞主催25美人コンテストで第2位となった祇園新地の鈴木三栄

閉店した三月書房で開催された萩書房Ⅱと古書ダンデライオンによる古本市の後に、尚学堂で見つけた『女学世界』8巻11号(博文館、明治41年9月)。1,000円、紙袋にはネットで話題になったアマビエのスタンプが押されていた。目次を挙げておく。 口絵には、源氏物…

集古会会員としての旅館萬屋主人岡本橘仙と夏目漱石

蒐集家だった神戸の西村旅館の西村貫一。そう言えば、京都に似たような人がいた。萬屋主人の岡本橘仙である。岡本は、斯界のバイブル、トム・リバーフィールド編、書物蔵監修・解説『昭和前期蒐書家リスト』にも載っている。「蒐集分野」の記載はないが、典拠…

竹中郁が装幀した西村貫一の『金曜』(へちま文庫)

『竹中郁全詩集』(角川書店、昭和58年3月)の年譜(足立巻一)から、『金曜』(へちま文庫)関係の記載を拾うと、 昭和24年2月 詩「うさぎ」を『金曜』に発表 同年8月 詩「草の小径」を『金曜』に発表 同25年6月 エッセイ「文五郎の手 ロダンの手」を『金曜』特集「吉田…

「飯尾哲爾と『土のいろ』展」の図録を元「貸本喫茶ちょうちょぼっこ」の古本市で貰うーー遠州の柳田國男こと飯尾哲爾ーー

平成29年6月大阪で元「貸本喫茶ちょうちょぼっこ」の4人による古本市があった。古通豆本等を買えたが、無料本が何冊か置いてあって、その中にあった1冊。平成6年2月~3月に浜松市立中央図書館で開催された「飯尾哲爾と『土のいろ』展」の図録(浜松読書文化協力…

蒐集家西村貫一がへちま倶楽部に取り込もうとした岩本素白と伊藤正雄

足立巻一の小説『やちまた』上巻(河出書房新社、昭和49年10月)に「拝藤教授」の書斎が描写されている。 (略)八畳ほどの部屋には各種辞典類から近世文学の書物が書架によって天井までなべられ、『国語と国文学』『国語国文』といった専門雑誌の旧号が特別注…

パルコ文化が京都に殴り込み⁉ーーBooks Herringで、かわじもとたか氏企画「パルコ文化を創った八人の装丁本展」ーー

かわじもとたかさんから、「パルコ文化を創った八人の装丁本展」を予定通り開催するとの連絡がありました。京都市岡崎にある古書店Books Herring(ブックス・ヘリング)で10月16日(金)~18日(日)。山口はるみ、湯村輝彦、伊坂芳太良、石岡暎子、相田佐和子…

明治30年杉村楚人冠と三島海雲が京極で見物した快楽亭ブラック?の催眠術

一柳廣孝『催眠術の日本近代』(青弓社、平成9年11月)によると、明治30年前後催眠術ブームが一時期途絶えていた。 明治二十年以降を通観するかぎり、催眠術はかなりの隆盛を誇っていたといっていいだろう。しかしそのブームも、明治三十年前後になって、い…

へちま倶楽部(西村貫一主宰)の雑誌『金曜』の執筆者

昭和20年代に西村貫一が関与した団体としては、へちま倶楽部、金曜会、全日本文化協会、神戸ユネスコ協会がある。このうち、へちま倶楽部の規約や会員は、「近代書誌・近代画像データベース」の「へちま倶楽部会則及名簿::近代書誌・近代画像データベース」で…

カルピスを「初恋の味」にした驪城卓爾と三島海雲ーー厚生書店で見つけた『箕山遺稿』ーー

3ヶ月振りに行った初日の「たにまち月いち古書即売会」(大阪古書会館)。やはり、いいものがありますね。厚生書店出品の『箕山遺稿』(驪城芳子、昭和4年6月)。非売品、273頁、1,000円。驪城卓爾(こまき・たくじ)の遺稿集である。未亡人と思われる印刷兼発行者で…

『レスプリ・ヌウボウ』(ボン書店)同人の田尻宗夫旧蔵?『早稲田広告学研究』(昭和12年)

大阪古書会館で唯書房から買ったと思われる『早稲田広告学研究』9号(早稲田大学広告研究会、昭和12年10月)が出てきた。今広告研究会というと、広告の研究なんかせずに女の子を追いかけるサークルというイメージができてしまった。しかし、この研究会は目次に…

へちま倶楽部の西村貫一と雑誌『金曜』(へちま文庫)ーー『金曜』の終刊時期はいつかーー

増田五良『金曜抄三題』(五典書院、昭和42年)が出てきた。100円の値札シールが貼ってあるので、三密堂の均一台か。目次も挙げておく。 「前書」によれば、神戸へちま倶楽部の西村貫一の主唱で発刊された同人雑誌『金曜』(昭和24年1月から48号まで発行)に掲載さ…

たにまち月いち古書即売会で拾った新密教社の雑誌『家庭と佛教』(大正10年)と福来友吉

3ヶ月振りに大阪古書会館のたにまち月いち古書即売会の初日へ。6月と7月は初日に行けずに2日目に行っていたが、やはり初日でないと特に古本横丁の和本300円コーナーはガタガタであった。初日の今回は、古本横丁で幾つか拾えたほか、杉本梁江堂の300円均一コ…

「喫茶店のリストの本」としての林哲夫『喫茶店の時代』(ちくま文庫)

6月にある人の蔵書処分に参加させていただいた。ありがとうございます。3月の時とは違い、所蔵者本人による処分なのでしばしば解説付きだったのも面白かった。遠慮して数冊に留めたが、そのうちの1冊を紹介しよう。三木正之『ドイツ詩回想・高知』(三木正之…