神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

 [トンデモ][柳田國男]国際政経学会の増田正雄は昭和34年まで生存していた

高校の日本史で習った「西原借款」を覚えているだろうか。大正期中華民国に対する借款を担当した西原だが、その日記『西原亀三日記』(京都女子大学、昭和58年2月)が山本四郎編で刊行されている。巻末の「主要人名・事項索引」を先に見ると、面白そうな人物は内田…

三田村鳶魚と井上正鉄の禊教

朝倉治彦編『鳶魚江戸学:座談集』(中央公論社、平成10年12月)の「鳶魚と早稲田」に禊教が出てきた。 朝倉 戦後、戦争中からはじまって戦後まで、偏無為という人の研究をずっとやっている。菊池先生ご存じありませんか。 菊池(明) 私は知りません。禊教(ルビ:…

阪神百貨店夏の古書ノ市で見つけた板祐生の『杏青帖』

梅田の阪神百貨店で明日まで夏の古書ノ市が開催中。まだ行っていない方は是非どうぞ。場所柄白っぽい綺麗な本が多いが、2年前にやや古い冊子を拾った。板祐生『杏青帖』(昭和24年9月)、非売品、8頁。矢野書房出品で500円。祐生は孔版画家で、鳥取に祐生出会…

佐賀図書館長西村謙三の印が押された西周訳『性法説約』

吉岡書店で見つけた西魯人(西周)訳『性法説約』については、「吉岡書店で西魯人訳『性法説約』を」で言及したところである。最初に本書を発見した金子一郎氏の本には「宮尾」印が押されていたらしいが、実は私のにも印が押されていた。 読めなかったのだが、twit…

河井酔茗の『女性時代』創刊前後

河井酔茗が昭和5年11月に創刊した『女性時代』については、「昭和18年河井酔茗主催の文庫会に集まった誌友達 - 神保町系オタオタ日記」で紹介したところである。その『女性時代』の創刊前後の状況が、伊良子清白の日記*1に書かれていた。 (昭和五年) 八月十八…

書砦・梁山泊京都店の本で知った御所内の京都府立図書館の状況

今年の下鴨納涼古本まつりも今日で終わった。初日は某書店の均一台に一番乗りしたがカラブリであった。まあ、そういうこともある。さて、古本まつり3日目に行った帰りに寺町の書砦・梁山泊京都店をのぞいてきた。ここは図書館のように広く、ずらりと書棚が並…

セセッション式流行の大正初期に発行された村上辰午郎の『大正婦女社会』

第1回古本バトルは多少好評だったようで、第2回古本バトルも開催された。第2回分は取材を受けて、京都新聞6月28日朝刊の「多面鏡」欄に掲載され、石原和先生持参の『一尊如来教々義』(一尊如来教団)や私が持参した『神代文化』(神代文化研究所)が紹介された。…

3年後の令和4年が人文書院100周年

8月10日(土)丸善の京都本店で、本のつくり手である著者や編集者と読者を直接つなぐイベント「honto店舗情報 - 丸善創業150周年記念 京都BOOKCON 読み手と作り手をつなげる本の祭典」があって、人文書院のブースもあるらしい。3年後の令和4年が創業100周年にな…

戦前の京都で発行された健康雑誌『かゞやき』と富田精・富田房子夫妻

一時期健康法とか霊術関係の本を熱心に読んでいた。田中聡『健康法と癒しの社会史』(青弓社、平成8年9月)もその一冊である。同書26頁に昭和初期における健康雑誌の登場に関する記述がある。 昭和初期には、『健康時代』(昭和五年=一九三〇年創刊)や『健康日…

オカルトに好意的だった冨山房の『国民百科大辞典』

『国民百科大辞典』10巻(冨山房、昭和11年7月)に心理学者で早稲田大学文学部講師だった戸川行男が「念写」の説明を書いている。 ねん-しゃ[念写][[英]thought photography] (略)霊媒ノ思想又ハソレヲ通ジテ他人ノ思想ヲ写シウルトノ主張者ガ現レ、思想写真又ハ…

今なお古書価沸騰中!桑田欣児の霊術本

先日街角で本ノ猪君とすれ違って、そう言えば四条河原町の京都マルイ前で古本市をやっていたなあと思い出し、のぞいてみた。そうすると、桑田欣児『家庭読本』(真生会本部、昭和12年12月)を発見。東京くりから堂出品、52頁の小冊子で300円。発行所の真生会本…

『国民百科大辞典』(冨山房、昭和9年~13年)に結集した宗教学者達

『国民百科大辞典』14巻(冨山房)の「寄稿家名鑑」に挙がった宗教学者・宗教関係者の名前、肩書き、担当分野を仏教、神道、キリスト教に分類してみた。 ・仏教 石井教道 大正大学教授 仏教(浄土宗) 伊藤東慎 文学士 仏教 宇井伯寿 東京帝大教授・文学博士 仏教…

臨川書店のバーゲンセールで冨山房国民百科大辞典の禅宗関係原稿を発見

『本郷』7月号(吉川弘文館)で仏教大学を定年退職した原田敬一氏の「雛道具と生活史」に冨山房の百科事典が出てきた。 古書市で朝一番に行くと、必ず松尾孝兊先生と遭遇し、簡単な挨拶の後は、お互いに無言で書物を漁っているのが常だった。松尾先生が、文英堂…

上西亘「藤澤親雄の国体論ーー戦前期を中心にーー」『昭和前期の神道と社会』への補足

従来いわゆる「偽史」はトンデモ扱いされて言及する者は好事家などに限られていたが、近年立教大学で偽史に関するシンポジウムが開催され、小澤実編『近代日本の偽史言説』(勉誠出版、平成29年11月)として刊行されるなど、アカデミックな研究者も参入してきた…

『昭和前期の神道と社会』(弘文堂)に照本亶の経歴

國學院大學研究開発推進センター編・阪本是丸責任編集『昭和前期の神道と社会』(弘文堂、平成28年2月)の藤本頼生「照本亶と『皇国』ーー大正期・昭和初期の神社人の言説ーー」に照本の経歴が出ていた。要約すると、 明治22年 横浜市の郷社熊野神社社司照本肇の…

『皇国』(皇国発行所)に「古本随筆」を書いた照本金川こと照本亶

2年前の天神さんの古本まつりでオヨヨ書林から『皇国』(皇国発行所)の338号(昭和2年2月)及び339号(同年3月)を入手。1冊200円。安かろう、悪かろうで、前者は55頁から64頁まで、後者は1頁から59頁までが落丁。若い人には、「安くても奥付が欠けていたり、落丁…

昭和16年6月折口信夫が見送った樋口清之國學院大學講師

神戸の古書店つのぶえはキリスト教書の専門店だが、専門外の本が格安で出るので時々のぞいている。『会報』昭和16年第5号(國學院大學院友会、昭和16年6月)、16頁・非売品もそんな1冊である。國學院大學院友会は國學院大學の卒業生の親睦団体で現在も一般財団…

知恩寺の古本まつりで折口信夫門下の山川弘至書簡集を

積ん読だった『山川弘至書簡集』(桃の会、平成3年7月)を読了。twitterの記録によると、4年前に知恩寺の古本まつりで拾ったようだ。三密堂書店出品、200円。山川弘至は折口信夫の門下生で、詳しくはWikipediaなどを見られたい。そこには書かれていないが、昭…

「本のすき間」から石塚右玄と合著を出した塩田宗沢を発見

日本の古本屋メールマガジンで南陀楼さんが「『本のすき間』を探る人」と名付けてくれた。これは、物理的に本と本の間に挟まった小冊子等を掘り出すという意味だけでなく、雑書や日記の記述の中から研究者も気付いていない情報を見つけるという意味も含めてい…

『杉浦明平暗夜日記』で森谷均の昭森社が悪口を言われていた

昭和44年3月29日昭森社の創業者森谷均は亡くなった。4月3日に青山斎場で開かれた友人葬で神原泰が述べた弔辞が『本の手帖』別冊,昭和45年5月に掲載されている。 (略)森谷君は、絵を、彫刻を、詩を、文学を愛したが、更に人間を愛した。芸術を愛する以上に芸…

関西における古書店のフリペ事情

古書目録については、鈴木宏宗「古書販売目録の効用」『日本古書目録大年表』2巻(金沢文圃閣、平成27年1月)にその特性と意義が適格にまとめられている。それによれば、古書目録には、読み物としての目録もあり、吉野作造らの序文が載った『一誠堂古書籍目録』(…

古書鎌田から浦西和彦宛葉書が挟まった研究紀要を色々

昨年12月大阪古書会館の全大阪古書ブックフェアでは全品300円の古書鎌田へ一番乗り。ガハハとあれこれ抱え込んでいたら、後から来られた某先生に「これいいでしょう」と見せられる。表紙に「天眠」とあるではないか。ガーン、珍しそうな小林天眠関係の資料か。し…

水田紀久先生旧蔵の塩田良平『妻の記』で知った塩田と宮武外骨の関係に驚いた

「古本は迷ったら買い」とよく言われる。もっとも、真に受けて何千円、何万円もする本を迷う度に買っていたら破産してしまう。しかし、100円均一とか200円均一の場合は、「迷ったら買い」の鉄則を実行してもよいだろう。昨年下鴨納涼古本まつりの福田屋書店の200…

PR誌『本の旅人』(KADOKAWA)も休刊

KADOKAWA発行のPR誌『本の旅人』が7月号(25巻7号、通巻285号)で休刊となった。創刊は平成7年11月。出版社の紙のPR誌がどんどん減って行く寂しい状況である。最後まで残るのは岩波書店の『図書』と新潮社の『波』であろうか。『本の旅人』は萩尾…

兵庫古書会館の均一台で見つけた『新家庭臨時増刊 山水巡礼』に水島爾保布

ナンダロウさんが6月21日の『新潟日報おとなプラス』に画家水島爾保布(みずしま・におう)に関する記事を書いたらしいので、読みたいと思っていた。しかし、地元以外では国会図書館ぐらいにしか無いだろうなあとくさっていたら、何と記事にも登場するかわじ氏…

もう一人の満鉄調査屋流転ーー『印度資源論』の真の訳者に迫る検印の謎ー

なんか知らんうちに小林昌樹編・解説『満鉄調査部から国会図書館へーー調査屋流転』(金沢文圃閣)なる本が出てた。戦前満鉄の調査マンで戦後国会図書館の調査及び立法考査局長や副館長を務めた枝吉勇の自伝『調査屋流転』と併せて国会図書館職員名簿などの復…

大阪府立中央図書館国際児童文学館で精文館が発行した「幻の児童雑誌『カシコイ』」展開催中

かつて北村宇之松(宇宙)が創立した精文館という出版社が存在した。『日本児童文学大事典』に一応立項されているので、そこから要約すると、 精文館 せいぶんかんしょてん 大正3年北村宇宙が神田神保町1丁目に創業した出版社。奈良生まれの北村が大阪の積善館…

三密堂書店の100円均一台で易者神山五黄の正体を掴むーー宮武外骨の仲人神山五黄とはーー

易学書の専門店である京都の三密堂書店の100円均一台は昔から古本者がよく立ち寄るスポットである。水明洞無き現在、林哲夫画伯や扉野良人氏がいいものを拾ったという場合大抵三密堂だろう。さて、先日藤本一恵『東山五十年』(昭和53年3月)という私家版211頁…

エコール・ド・プラトーンの時代に哥澤芝虎編『哥澤撰』(クラブ化粧品本舗)

知恩寺の古本まつりでキクオ書店の和本300円コーナーから見つけた哥澤芝虎編『哥澤撰』。驚いたことに大正14年3月クラブ化粧品本舗(現クラブコスメチックス)発行なので購入。印刷所は京都市西洞院七条の内外出版株式会社印刷部、65頁。定価の表示はない。 内…

西田幾多郎門下の森本省念と鹿野治助

寸葉会で大量の使用済み官製葉書から発見した1枚。100円。岐阜県の放光寺内の森本省念から京都学派の鹿野治助に宛てた葉書。消印が「12日」しか読めないが、「鹿野治助の日記から見た物語「京都学派」再び」などで紹介した架蔵の鹿野日記昭和22年8月13日の条にエス…