神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

新京極誕生150周年の2022年ーー蔵書印さんから貰った新京極の絵葉書に「クラブ洗粉」の看板ーー

今年は、新京極通ができて150周年だという。それで、新京極の絵葉書を持っているのを思い出した。冒頭に挙げた写真で、蔵書印さんから5年前に頂いたものである。ありがとうございました。手前のカメラ目線の子どもと左手の「文庫」という看板のある「吉川商店」…

昭和6年第3回浪華宝船会案内ーー風俗研究会(江馬務)の藤村芝山旧蔵を玉城文庫からゲットーー

大阪市立図書館は蔵書が充実している上、大阪とは縁もゆかりもない京都府民のわしにも貸し出してくれるので、よく利用している。ここには橋爪節也「新大阪KEYわーど 大阪を知るための100の言葉とモノの世界」を連載中の『いちょう並木』(大阪市教育委員会)が置…

「趣味の旅行」が盛んになった昭和初期における東海道自動車旅行ーー近江商人藤井彦四郎の妻藤井屋壽子の饅頭本から見るーー

饅頭本(追悼本)にも当たり外れがあって、実業家のものは外れが多い。ましてや、実業家の家族の追悼本となると私が買うことはまずないだろう。今回紹介する『藤井屋壽子』(藤井健次郎、昭和16年10月)は、迷ったが同志社の女性教員だったデントンが寄稿し、編…

三条河原町にあったカフェーカナリヤとマヴォイスト渋谷修ーー斎藤光『幻の「カフェー」時代』(淡交社)への補足ーー

学生時代のサークルの先輩でもある斎藤光先生の『幻の「カフェー」時代:夜の京都のモダニズム』(淡交社、令和2年9月)126頁に、カフェーカナリヤが出てくる。昭和3年9月『京都日出新聞』連載の「ステッキ」第5回「カフエー」の一文である。 コーヒらしいコーヒを手…

敗戦後昭和21年には日本に引き揚げていた藤澤親雄ーー『松本学日記』(芙蓉書房出版)で確認ーー

藤澤親雄の年譜については、「国際人藤澤親雄がトンデモに至る道 - 神保町系オタオタ日記」で作成したところである。小見山登編『創造的日本学:藤澤親雄遺稿 附諸家追悼・随想録』(日本文化連合会、昭和39年2月) 所収の「経歴年譜抄」が当てにならないので、他…

明治44年清国人留学生黄尊三も倣った加藤咄堂立案の『修養日記』

黄尊三著、さねとうけいしゅう・佐藤三郎訳『清国人日本留学日記:一九〇五ー一九一二年』(東方書店、昭和61年4月)に、『修養論』(東亜堂書房、明治42年4月)の著者である加藤咄堂が立案、修養会が編纂した『修養日記』が出てくる。 (明治四四年) (略)一月一…

大正期に『江原小弥太個人雑誌』と『橋富光雄個人雑誌』の表紙を描いたマヴォイスト牧寿雄

文庫櫂から『江原小弥太個人雑誌』15号(大正15年4月)を入手。マヴォイスト牧寿雄が表紙を描いた創刊号(大正14年2月)は、「大正12年装幀家としてデビューしていたマヴォイスト牧寿雄ーー五十殿利治「関西『マヴォ』について:牧寿雄と『マヴォ』関西支部」への…

澤田四郎作旧蔵の柳田國男『一目小僧その他』(小山書店、昭和9年)ーー大津市比叡平に移転した書砦・梁山泊で発見ーー

京都市寺町から大津市比叡平に移転した書砦・梁山泊に行ってきた。新たに外の壁に500円均一台ができていた。そこに1冊欲しいものがあったのだが、買うのを忘れて帰ってしまった。次に行く時まで残ってるだろうか。店内では、民俗学の棚に柳田國男『一目小僧…

昭和11年芦屋仏教会館創立10周年記念講演会で撮影された写真ーー梅原真隆顕真学苑主幹・花田凌雲龍谷大学長・谷本富元京大教授・伊藤長兵衛丸紅商店社長らーー

先日の平安蚤の市で「pieinthesky」氏から、写真を購入。昭和11年6月7日に開催された芦屋仏教会館創立10周年記念講演会の日に丸紅商店社長で会館の創立者である伊藤長兵衛宅で撮影されたものである。台紙には、芦屋駅前の村田写真館のラベルが貼られている。キ…

花園大学図書館で発見された東本願寺南方美術調査隊によるアンコールワット写真の撮影者野村直太郎の経歴ーー萩原朔太郎や恩地孝四郎を撮影していた写真師野村直太郎とはーー

7月に『中外日報』に花園大学図書館で「東本願寺南方美術調査隊」によるアンコールワット撮影の写真が発見されたとの記事が出た。その撮影をしたのが、野村直太郎である。野村については、一昨年5月に岡崎の風工房で野村が所蔵していたアンコールワットの拓本…

読書好きの西川一草亭の日記から見る明治30年代の京都における読書環境

西川一草亭の日記「花うり日記」の翻刻は、『花道去風流七世西川一草亭:風流一生涯』(淡交社、平成5年3月)に収録されている。明治36年から39年までの日記で、1冊目の日記に「読書日記」との記載があるように、読書に関する記載が多い。翻刻者籠谷真智子氏の「概…

明治40年城崎郡役所前にあった豊岡印刷所ーー『兵庫県の印刷史』を読むーー

寸葉さん(シルヴァン書房の矢原さん)から500円で買った絵葉書がある。兵庫県城崎郡豊岡町の郡役所前にあった豊岡印刷所から国府村の古田医院宛に送った明治40年の年賀状である。だいぶ前に買ったもので、なぜ買ったのかも覚えていない。書砦・梁山泊京都店で…

昭和16年の「大津市内古本屋分布図」ーー金元書店の古書目録『湖』5号からーー

大津市の古書店というと古書クロックワークなどだが、今年書砦・梁山泊京都店が大津市比叡平に移転したところである。「日本の古本屋」で検索すると、9軒ヒットする。戦前の昭和16年には、少なくとも12軒(1軒は店名不明)はあったようなので、それより少なくな…

明治40年における京都第五高等小学校の伊勢修学旅行ーー山本志乃『団体旅行の文化史』(創元社)を読んでーー

山本志乃『団体旅行の文化史:旅の大衆化とその系譜』(創元社、令和3年9月)は、「はじめに」によると、次の三つの切り口からアプローチを試みたものである。 ・「I お参りの旅」は、伊勢参宮や富士登拝など、古来連綿と続けられてきた神仏にいざなわれる旅の系譜…

大正イマジュリイとしての『SHOCHIKUZA NEWS』(松竹座ニュース)ーー林哲夫『古本スケッチ帳』への補足ーー

平成24年に常葉美術館で開催された「大正イマジュリィの世界展」と平成30年に日比谷図書文化館で開催された「大正モダーンズ展」を観ている。どちらにも『SHOCHIKUZA NEWS』が展示されていた。表紙のデザインが山田伸吉らによるもので、近年古書価が高い。その後…

『静岡県印刷文化史』(静岡県印刷工業組合)を読む

12月14日(火)静岡市清水区の浜田生涯学習交流館で小二田誠二先生の講演「静岡印刷文化史」が開催されるとのこと。申込み受付中。詳しくは、「静岡印刷文化史[静岡市清水区]|アットエス」参照。お近くの人は是非行きましょう。 その関係で、Twitterで『静岡県…

明治40年8月夷谷座で活動写真「祇園祭」を観る少年の日記

明治41年京都初の映画常設館である電気館で活動写真を観た青年の日記は、「明治41年京都初の映画常設館電気館で活動写真を観る青年の日記 - 神保町系オタオタ日記」で紹介したところである。今回は、明治40年南座や夷谷座で活動写真を観た少年の日記にしよう。…

龍谷大学予科英語講師壽岳文章がホイットマンの詩を贈った梅原眞隆の個人雑誌『道』

梅原眞隆の個人雑誌『道』は、昭和8年9月100号に達した。101号以降にそれを祝した会員からの書簡等が記載された。その中に壽岳文章の名前があって、目を惹いた。104号、昭和9年1月の「随喜(本誌)百號記念」欄である。大西良慶、相馬御風、多田鼎らが和歌、俳句…

明治41年8月退局後京都市紀念動物園へ行くある公務員の日記

本題に入る前に「平安神宮前の古本市で見つけた大正13年京都帝国大学工学部土木工学科入学生(?)のアルバムを調べた - 神保町系オタオタ日記」で言及した大正13年に撮影された京都帝国大学の建物について。中島先生から『京都大学建築八十年のあゆみ』(京都大…

知恩寺秋の古本まつりで御成婚記念千葉県図書館長の廿日出逸暁に出会うーー梅原真隆の『道』と廿日出逸暁ーー

知恩寺秋の古本まつりで其中堂から入手した梅原真隆の個人雑誌『道』(親鸞聖人研究発行所、のち道発行所)を見ていたら、廿日出逸暁(はつかで・いつあき)の名前が出てきて驚いた。一つは、125号,昭和10年10月の「道味」欄で、金剛山に来た廿日出からの「去三日以…

キリスト教社会主義者三浦清一(石川啄木の妹光子の夫)と『道』の梅原真隆

だいぶ前に太田心海『自叙で綴る梅原真隆の生涯』(『梅原真隆の生涯』刊行会、平成25年7月)だったと思うが、次のような一節を読んだ。梅原が大正14年6月に創刊した個人雑誌『道』に掲載された書簡に関する記述である。 便りの発信人の中には、もちろん彼の講…

古本まつりの均一台でしくじったオタどんーー破り取られた『新探偵小説』2号(昭和22年)ーー

神保町系を自称するオタどんも、たまに古本まつりで失敗することがある。最近とある古本まつりの300円均一台で発見した『新探偵小説』2号(新探偵小説社、昭和22年6月)である。見つけた時はホクホクとしたが、家に帰ってから中を見ると37頁以降が破り取られて…

平安神宮前の古本市で見つけた大正13年京都帝国大学工学部土木工学科入学生(?)のアルバムを調べた

6月にあった平安神宮前の古本市でシルヴァン書房の300円均一台に傷んだ戦前のアルバムを発見。表紙・裏表紙がなく、写真もかなり剥がされていた。元々アルバムは買ったことがないし、状態も悪いので迷ったが、旧蔵者が京都帝国大学の卒業生らしいので買って…

『北方人』37号(北方文学研究会)をいただくーーかわじもとたか「大橋歩Vs水森亜土Vs本くに子展」が来年開催ーー

盛厚三氏から『北方人』37号(北方文学研究会、令和3年11月)を御恵投いただきました。いつもありがとうございます。全部大切にとってあります。 川口則弘「橘外男をはるかに超える弟の犯罪」は、橘『予は如何にして文士となりしか』(幻戯書房、令和3年9月)の解…

平安蚤の市で明治44年創刊『小学生』の編集主任葛原しげる発行『老龍還暦賀集』を発見

平安蚤の市でpieinthesky氏から葛原しげる*1編『老龍還暦賀集』(葛原しげる、大正2年8月)を購入。200円。これが思わぬ掘り出し物であった。葛原老龍(本名二郎)の還暦を記念して、次男しげるが知人等に頼み和歌、漢詩、俳句、書画等を寄せてもらった非売品。…

京都で発行された『いろは別法律術語解釈』第1号(明法会、明治32年)ーー境田稔信氏のツイートを見てーー

大分前に境田稔信氏(@pX03dDIs4dQ1G3x)の明治・大正期における辞書の発行に関するツイートを見た。並製分冊の辞書を1冊ずつ間を置いて刊行し、完結後に上製合冊本とすることが多かったというものである。私も明治期の辞書の分冊を持っているので、この際紹介…

天神さんの古本まつりで薄田泣菫『艸木蟲魚』(創元社)を蔵書印買いーー「太田蔵書」の太田とは何者?ーー

天神さんの古本まつりの100円均一台で、初日に見つけていた薄田泣菫の本。重たくなるし珍しい本ではないので、見送った。しかし、2日目にも残っていたので購入。『艸木蟲魚』(創元社、昭和4年1月)である。他にも泣菫の本はあったが、これにはやや珍しい蔵書…

不忍ブックストリームに本おやの坂上友紀さんが登場

Twitterの「不忍ブックストリート」(@hitohako)によると、10月31日(日)21時からのYouTube「不忍ブックストリーム」に大阪堂島の古書店「本は人生のおやつです‼」の坂上友紀さんが登場されるとのこと。行かれたことのある人は必ず見ること。見てもらったら、そう言…

明治25年毛利元徳公爵邸で落語を披露する快楽亭ブラックーー『跡見花蹊日記』からーー

『跡見花蹊日記』(跡見学園)には、思わぬ人物・事物がしばしば登場する。たとえば、 ・「跡見花蹊が観た明治20年の工科大学校における活人画ーー京谷啓徳『凱旋門と活人画の風俗史』(講談社選書メチエ)への補足ーー - 神保町系オタオタ日記」 ・「毎日電報記者…

天神さんの古本まつりで岡本橘仙と金子静枝に出会うーー山崎青雨編『うた沢全集』(岡野楽器店、大正8年)からーー

今年も天神さんの古本まつりの100円均一台でホクホクした人が多かっただろう。文庫本の棚は小さかったが、変わった本が多かった。今回は、山崎青雨編『うた沢全集』(岡野楽器店、大正8年10月)を紹介しよう。 「うた沢」にあまり関心はないが、「エコール・ド・…