神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

2021-10-01から1ヶ月間の記事一覧

平安蚤の市で明治44年創刊『小学生』の編集主任葛原しげる発行『老龍還暦賀集』を発見

平安蚤の市でpieinthesky氏から葛原しげる*1編『老龍還暦賀集』(葛原しげる、大正2年8月)を購入。200円。これが思わぬ掘り出し物であった。葛原老龍(本名二郎)の還暦を記念して、次男しげるが知人等に頼み和歌、漢詩、俳句、書画等を寄せてもらった非売品。…

京都で発行された『いろは別法律術語解釈』第1号(明法会、明治32年)ーー境田稔信氏のツイートを見てーー

大分前に境田稔信氏(@pX03dDIs4dQ1G3x)の明治・大正期における辞書の発行に関するツイートを見た。並製分冊の辞書を1冊ずつ間を置いて刊行し、完結後に上製合冊本とすることが多かったというものである。私も明治期の辞書の分冊を持っているので、この際紹介…

天神さんの古本まつりで薄田泣菫『艸木蟲魚』(創元社)を蔵書印買いーー「太田蔵書」の太田とは何者?ーー

天神さんの古本まつりの100円均一台で、初日に見つけていた薄田泣菫の本。重たくなるし珍しい本ではないので、見送った。しかし、2日目にも残っていたので購入。『艸木蟲魚』(創元社、昭和4年1月)である。他にも泣菫の本はあったが、これにはやや珍しい蔵書…

不忍ブックストリームに本おやの坂上友紀さんが登場

Twitterの「不忍ブックストリート」(@hitohako)によると、10月31日(日)21時からのYouTube「不忍ブックストリーム」に大阪堂島の古書店「本は人生のおやつです‼」の坂上友紀さんが登場されるとのこと。行かれたことのある人は必ず見ること。見てもらったら、そう言…

明治25年毛利元徳公爵邸で落語を披露する快楽亭ブラックーー『跡見花蹊日記』からーー

『跡見花蹊日記』(跡見学園)には、思わぬ人物・事物がしばしば登場する。たとえば、 ・「跡見花蹊が観た明治20年の工科大学校における活人画ーー京谷啓徳『凱旋門と活人画の風俗史』(講談社選書メチエ)への補足ーー - 神保町系オタオタ日記」 ・「毎日電報記者…

天神さんの古本まつりで岡本橘仙と金子静枝に出会うーー山崎青雨編『うた沢全集』(岡野楽器店、大正8年)からーー

今年も天神さんの古本まつりの100円均一台でホクホクした人が多かっただろう。文庫本の棚は小さかったが、変わった本が多かった。今回は、山崎青雨編『うた沢全集』(岡野楽器店、大正8年10月)を紹介しよう。 「うた沢」にあまり関心はないが、「エコール・ド・…

四天王寺の骨董市で買った20大辞典完成祝賀の『郁文舎辞書目録』(明治39年)ーー景品に回転書棚ーー

四天王寺の骨董市にはしばらく行っていない。絵葉書を出品していた方は最近亡くなられたそうなので、久しぶりに行っても寂しいかもしれない。最後に行ったのは、「本おや」*1で高橋輝次氏の『雑誌渉猟日誌』(皓星社)出版記念イベントがあった時の平成31年4月21…

天才的頭脳の仲小路彰も騙された源義経=ジンギスカン説ーー天神さんの古本まつりで入手した『成吉思汗戦史』(戦争文化研究所)からーー

天神さんの古本まつりも本日で終了した。いつものことながら、特に100円均一台が素晴らしかった。今回は、駱駝堂から300円で買った仲小路彰『成吉思汗戦史』(戦争文化研究所発行・世界創造社発売、昭和14年3月)を紹介しよう。「世界興廃大戦史」シリーズの東洋…

北野天満宮の骨董市で見つけた明治期の『家庭週報』ーー成瀬記念館で日本女子大学創立120周年記念展ーー

尾崎翠の年譜*1を見ていると、大正8年4月日本女子大国文科に入学し、5月週刊校報『家庭週報』515号に「木蓮」を発表、6月同紙519号に短歌「富春園にて」を発表している。『家庭週報』は、明治37年4月創立の同窓会「桜楓会」の機関紙で、同年6月25日に創刊された。…

四天王寺秋の大古本まつりで浅井忠『新編自在画臨本』(金港堂書籍)を掘り出すーー京都工芸繊維大学美術工芸資料館で「美術の教育/教育の美術」展を開催中ーー

京都工芸繊維大学美術工芸資料館で開館40周年企画展第2弾「美術の教育/教育の美術」を開催中。11月6日(土)まで。有料*1だが、72頁の豪華図録は無料*2。私は先日観てきた。 展示品や図録掲載の図案関係の古書を見ていて、四天王寺秋の大古本まつりで出会えたら…

予言者隈本有尚の第七官と尾崎翠の「第七官界彷徨」ーー石原深予『尾崎翠の詩と病理』(ビイング・ネット・プレス)からーー』

石原深予『尾崎翠の詩と病理』(ビイング・ネット・プレス、平成27年3月)を御恵投いただきました。ありがとうございます。石原先生との初対面は、人文研で日本心霊学会(人文書院の前身)関係の作業があった時だったか。挨拶で「尾崎翠の作品『第七官界彷徨』で…

昭和4年のライオン歯磨本舗の年賀状と大手拓次

松野博一新官房長官がライオンに勤めていた経歴があって、ライオン歯磨本舗小林商店広告部に勤めていた大手拓次に言及するツイートがあった。それで、先日の平安神宮における古本祭りでシルヴァン書房から入手した昭和4年のライオン歯磨本舗(株式会社小林商…

国際シンポジウム「20世紀の和紙ーー寿岳文章 人と仕事ーー」が10月16日開催:関連特別展「寿岳文章 人と仕事ーー向日庵と和紙の旅ーー」開催中

寿岳文章が残した「20世紀の和紙」と手漉紙をめぐる世界の状況に関する国際シンポジウムが10月16日(土)に開催されるようだ。詳しくは、「催し物案内/京都府向日市ホームページ」参照。私もオンライン配信の方を申し込んだ。まだ空きがあるが、早めに申し込みま…

四天王寺の秋の大古本祭りで見つけた須原玄雄『坐禅の力』(護国山聖徳寺、昭和13年)ーー大谷栄一「『皇道仏教』の形成」も活用する「ざっさくプラス」ーー

いよいよ四天王寺秋の大古本祭りが近づいてきました。古本強化月間である10月の始まりですね。ということで、昨年コロナ禍のせいでテント無しの上に小規模だった100円均一コーナーで見つけた本を紹介しよう。須原玄雄『坐禅の力』(護国山聖徳寺、昭和13年7月…

日清戦争期における緊急勅令による事前検閲制及び『萬朝報』の発行停止ーー奥武則『黒岩涙香』(ミネルヴァ書房)への補足ーー

奥武則『黒岩涙香:断じて利の為には非ざるなり』(ミネルヴァ書房、令和元年11月)に、戦前の緊急勅令による事前検閲制に関する記述がある。 (略)相馬事件報道をめぐって『萬朝報』が四回もの発行停止処分を受けたことにふれた際に記したように、一八七五年の…