2019-09-01から1ヶ月間の記事一覧
戦前・戦中期及び占領下の検閲に関する研究が進み、関連する単行本が続々と刊行されている。金ヨンロン・尾崎名津子・十重田裕一編『「言論統制」の近代を問いなおす 検閲が文学と出版にもたらしたもの』(花鳥社)も刊行されたようだ。 さて、検閲の制度や運…
一昨年の9月文庫櫂で『民謡レビユー』2巻6号(民謡レビユー社、昭和6年7月)を1,000円で入手。状態が悪いので300円ぐらいで入手したいところだが、国会図書館サーチやCiNiiでヒットしないので、この値段なのだろう。編輯兼発行人は松村又一。経歴は『日本近代…
近代の京都を彩った人物・グループで私の関心を惹くものとしては、次のようなものがある。細い線・太い線で繋がる関係もあれば、今のところ関係が不明のものもある。いつかこれらの相関関係を図示できるだろうか。 鈴木大拙 寿岳文章 三人の西田(西田幾多郎…
丸善で『フリースタイルな僧侶たち』55号をもらってきた。平成21年8月創刊で今年が10周年とのこと。初代・第2代の代表(池口龍法氏、若林唯人氏)に対する現代表加賀俊裕氏のインタビューを掲載。池口氏が語る創刊時の状況。 (略)ヒントにしたのは、意外かもし…
日本霊学研究所長関昌祐=関書院の関為之祐と判明したが、関の神戸高等商業学校時代の恩師はウィリアム・ジェイムズの弟子だったらしい。『霊光』3年8号(霊光洞本部、大正15年10月)の「神秘の世界への思慕」によれば、 曽て恩師小川忠蔵先生(神戸高商教授)を…
大正4年10月に東京帝国大学を追われた福来友吉は、4年後の大正8年3月から4月にかけて四国巡礼の旅に出た。大正12年の妻と共に出かけた四国巡礼については福来の研究書で言及されるが、なぜかこの大正8年の巡礼については言及されてこなかった。しかし、この…
「臨川書店のバーゲンセールで冨山房国民百科大辞典の禅宗関係原稿を発見 - 神保町系オタオタ日記」で戦前の『国民百科大辞典』(冨山房)の「易」に関する項目を担当した満洲国暦法顧問佐藤了翁に言及した。『日本人物情報大系』別巻11-20(満洲編被伝記者索引…
河原町で行列のできる店というと、この間までは抹茶館で、いつ見ても100人以上並んでいたものだった。その後、6月にできた生タピオカの専門店モッチャムに人の波は移った。今はやや落ち着いて、並ぶ人の数も減っている。 ところで、テレビでも紹介されたとい…
昨年4月四天王寺の大古本祭りで『民衆新報』29号(民衆新報社、昭和6年8月)を発見。シルヴァン書房出品。発行所は東京市京橋区槇町2丁目の民衆新報社で、発行人は川口海三。。シルヴァン書房ではよくあることだが、値段が書かれていない。店主に訊くと、「ほ…
第1回古本バトルできしもとげん『宗教と国会議員』(サークル「ガラスの動物園」)を紹介したが、その後2号、3号(FINAL)と刊行された。今回いただいたFINALには、西田天香など142人の国会議員が登場する。そう言えば、地元京都の山科に一燈園資料館があるの…
京都外大国際文化資料館で開催中の「ラテンアメリカの古代美術展」を見てきた。10月12日(土)まで。4階の企画展示室に加えて、5月から3階にコレクション展示室ができていた。驚いたのは、この展示室は豊雲記念館が所蔵していた小原豊雲コレクションや宮武辰夫…
京都のオカルト書店というと拙ブログの読者の多くは、人文書院の前身日本心霊学会を挙げる人が多そうだ。しかし、「『京都人物山脈』(毎日新聞社)に万屋主人金子竹次郎 - 神保町系オタオタ日記」で紹介した『京都人物山脈』(毎日新聞社、昭和31年12月)の「…
並木誠士編『近代京都の美術工芸ーー制作・流通・鑑賞』(思文閣出版、平成31年3月)所収の中尾優衣「雑誌にみる近代京都の美術工芸ーー黒田天外の『日本美術と工芸』をめぐって」を読んでいたら、ビックリ。 振り返ってみると、黒田が仏門に入る兆しは、いく…
京大附属図書館に谷村文庫がある。谷村一太郎の旧蔵書からなる特殊文庫だが、『京都大学附属図書館六十年史』(昭和36年3月)によれば、 谷村一太郎氏は明治4年(1891)富山県福光町の素封家に生れ、長じて慶応義塾大学に入学したが、のちに東京専門学校(早…
「もし京都が東京だったらマップ」というのがネットで話題になり、本になったことがある。デパートのある四条通りは銀座、京大を有する吉田は本郷だそうだ。美術館、動物園、図書館がある岡崎は、上野だ。しかし、上野とは違って岡崎には博物館がない。ところ…
三密堂書店の100円均一台で東白陵という木津高校の教師であった画家の伝記を見つけた。牧野芳子『鹿背山の画教仙人東白陵』(平成12年7月)である。知らない画家だし、木津高校とは縁もゆかりもないが、略年譜の昭和7年の条に「堀内庸村氏と青年文化振興会[マ…
南方熊楠、福来友吉、江戸川乱歩らが登場するというので柴田勝家『ヒト夜の永い夢』(ハヤカワ文庫JA、平成31年4月)を買ってある。乱歩と親しかった岩田準一も登場するらしい。また、皓星社から『岩田準一日記』の刊行が予定されているようだ。そういえば、…
美術工芸資料館では「近代京都と染織図案」展として、一昨年「纏う図案」を、昨年「掌の中の図案」を開催した。第3弾の今年は「図案家の登場」である。→「京都工芸繊維大学美術工芸資料館」 無料で10月6日(日)まで開催なので、皆様どうぞ(日曜日・祝日は休館。ただ…
すっかり児童の姿が見られなくなった国際児童文学館で、小展示「大阪府立中央図書館 国際児童文学館 資料小展示「フランダースの犬 ―ネロとパトラッシュのさまざまな姿―」 - 大阪府立図書館」を開催中。日本における最初の翻訳書は日高善一(柿軒)訳『フラン…