神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

2023-05-01から1ヶ月間の記事一覧

アントニン・レーモンド設計星商業学校新講堂の落成記念品附大売出しチラシ

私の古本人生を簡単に図式化すると、次のとおりだろうか。 文庫・新書→白っぽい単行本→黒っぽい単行本→雑誌・小冊子→紙もの(絵葉書、チラシなど) 年を重ねると、蒐集対象がありきたりの本から人が持ってなさそうな冊子やチラシ類に移る。これは、古本人生…

【拡散希望】6月3日に「ブックオフあるある」の大石トロンボ『新古書ファイター真吾』(皓星社)のトークイベント

皓星社に寄ったら、大石トロンボ『新古書ファイター真吾』(皓星社、令和5年5月)をいただきました。ありがとうございます。6月付けの2刷で順調に売れているようだ。東京堂書店のベストセラー展示でも1位に並んでいた。正直絵そのものはそれほど上手いとは思…

竹内理三の恩人山中武雄広島文理科大学助教授と本多龍成京城帝国大学助教授

絵葉書は、もっぱら宛名面記載の発信者名や受信者名を見て、知ってる人を中心に未知の人でも旧制高校・旧帝大などの教員らしい人だと買うことにしている。今回写真を挙げたのは、京城帝国大学法文学部支那哲学研究室*1の本多龍成宛である。発信者は、山中武…

山田一夫が多過ぎる件ーー明治39年山田一夫宛三宅克己画の絵葉書ーー

Twitterで古書柘榴ノ國氏が山田一夫宛献呈署名本(田辺聖子『ひねくれ一茶』平成4年)について、この山田は誰だろうとつぶやいていた。これに、ヲガクズ氏が「NDL Authorities」にあがるだけでも10人いる旨のリプライをしていた。これを見て、わしは遙か昔の明…

山口八九子が描いた年賀状ーー浅草の医師本多冬城から名古屋の尾崎仁三郎宛年賀状ーー

日本絵葉書会創立20周年記念出版事業として、1月に『絵はがきのサイン』が刊行された。旧い絵葉書に使われた192名の画家のサイン(印章)を分類したものである。氏名の五十音順による一覧だけではなく、サインの形状・文字の種類(四角、三角、丸、カタカナ、漢…

國學院大學講師尾崎久弥に冷たい折口信夫教授と改造社出版部長広田義夫

国文学研究資料館の『調査研究報告』43号で翻刻された真山青果の日記(昭和5年)に折口信夫が出てきて、面白い*1。 (昭和五年三月) 二日 朝ぐもり (略)尾崎久弥君より来書、餓死云々と窮状を訴へて援助を求め来る。彼の人とは二三度面話せるだけにて何んの交際…

東京帝国大学文学部史料編纂所や折口信夫のゴシップが載った昭和10年7月2日付け『東京毎夕新聞』

池田弥三郎『わが幻の歌びとたち:折口信夫とその周辺』(角川書店、昭和53年7月)は、折口の助手を務めた波多郁太郎の日記の翻刻と池田による解説によって、折口とその周辺の歌人・研究者の人間像に迫った好著である。中でも132頁にオモシロい記述があった。 …

お初天神で見つけた家永三郎宛石田一良同志社大学教授の絵葉書(昭和32年)

骨董屋のサイトウさんが亡くなったのは、一昨年だったか。東寺、四天王寺、北野天満宮、新大阪駅前などの骨董市でよくお見かけしました。一見クズの絵葉書を原則100円(その日の気分によっては、はね上った)で売っていて、その中に個人的に「どひゃあ」という…

推し南木芳太郎、萌ゆーー風俗研究会大阪支部幹事松本茂平と南河内の重要文化財吉村邸ーー

ヲガクズさん(@wogakuzu)ほどの南木芳太郎推しではないが、私は早くも平成22年8月には『南木芳太郎日記』第1巻を読んでいる(「南木芳太郎と『食道楽』の時代 - 神保町系オタオタ日記」)。昨年11月第5巻が刊行され完結したので、あらためて既刊分も再読した。…

忍頂寺務らの神戸陳書会で満洲・朝鮮旅行の報告をする三田村鳶魚ーー「ざっさくプラス」で『陳書』総目次が見られるよーー

昭和7年に三田村鳶魚が満洲・朝鮮を旅行したことは、「鳶魚のギョギョギョーー昭和7年三田村鳶魚が見た朝鮮の民俗学者・人類学者群像ーー - 神保町系オタオタ日記」で紹介したところである。鳶魚は、昭和7年7月19日に神戸へ帰港。翌日神戸陳書会により歓迎会が…