流行語からは程遠いが、今年は「神保町のオタ」が妙に文献で言及される年である。まずは、御恵与いただいた小田光雄『近代出版史探索Ⅶ』(論創社、令和6年1月)の「1258 前田河広一郎『三等船客』、自然社、「新人叢書」」。次のような過分の言葉をいただいた。6月に亡くなられた小田氏には、改めて感謝を申し上げる。
なおアップする前に検索してみると、「神保町系オタオタ日記」(2011・10・1)がすでに「プロレタリア出版社自然社の梅津英吉」を書いていることを知った。
「必読」と付記しておく。
北見継仁編著『知られざる佐渡の郷土史家・蒐集家:青柳秀雄の生涯とその業績』(皓星社、令和6年4月)も謝辞と献本をいただき、ありがとうございます。
そして、『『謄写版』:人びとのメディアーーガリ版/アート/印刷史』第3巻・第4巻(金沢文圃閣、令和6年9月)。資料提供への謝辞である。拙ブログ「風船舎で買った小泉與吉の昭和10年創刊『謄写版』(謄写版研究社)に「全国謄写人名簿」 - 神保町系オタオタ日記」で紹介した『謄写版』の復刻版で、推薦文は磯部敦先生。
続いて、田中聡・斎藤英喜・山下久夫・星優也編『〈学知史〉から近現代を問い直す』(有志舎、令和6年3月)の栗田英彦「ポスト全共闘の学知としてのオカルト史研究ーー武田崇元から吉永進一へーー」。「なお、U超研-近代ピラミッド協会からは、在野の古書マニアでブロガーとしても知られる「神保町のオタ」も輩出している」とある。岩波の「帝国日本の学知」以来「学知」という言葉が好きなので、タイトルに「学知」を冠した本に名前が出て嬉しい。私なんかは、京大UFO超心理研究会や近代ピラミッド協会に参加していたことが自慢である。しかし、世間的には必ずしも自慢できるサークルとは受け止められないので、他に「輩出」したアカデミズムの研究者名を追加するのは遠慮しておこう(^_^;)
栗田論文の存在は、旧Twitterの「斎藤英喜教授@広報秘書(HNくたくた)」で御教示いただき、本体価格8,600円なので「貧乏なのでまだ買えてない」とつぶやいた。すると、栗田さんからpdfをお送りいただいた。ありがとうございます。他にも面白そうな論文が載っているので、借りてきている。補足を書ける論文があったら、またアップします。編者の1人である斎藤先生は9月に亡くなられた。御冥福をお祈りします。
同じく栗田さんの論文「昭和一〇年代の文部省と知識人ーー日本神話派(「生みの哲学」派)周辺人脈を中心にーー」は『藝林』73巻1号(日本学協会、令和6年4月)掲載。抜刷をいただいている。こちらは、戦争文化研究所、国民精神文化研究所、スメラ学塾に関連して拙ブログに言及している。
昔からの知り合いである斎藤光先生には『健康塾通信』27号(京都健康管理研究会、令和6年10月)の「消えたモダン京都:スターバー(1930~1939?)」で言及いただいた。拙ブログ「寸葉会で発見されたスター食堂の社内報?『スター食堂ニュース』57号(昭和14年10月) - 神保町系オタオタ日記」である。
そして、古本道の大先輩高橋輝次さんから届いたばかりの『戦前モダニズム出版社探検:金星堂、厚生閣書店、椎の木社ほか』(論創社、令和6年11月)。「毎回、興味深く拝見している”神保町のオタさん“の最近のブログ」云々と登場していた。ありがとうございます。いつまでもお元気で御活躍いただけますように。
U超研の先輩横山茂雄さんと武田崇元氏の対談集『霊的最前線に立て!:オカルト・アンダーグラウンド全史』(国書刊行会、令和6年10月)はまだ買えてないが、拙ブログが出てくるはずである。
雑誌では、上記の他にも、盛厚三さんの『北方人』別冊『野中賢三Ⅲ』(北方文学研究会、令和6年5月)の「野中賢三の周辺の人たち①:画家武田壽・武田比佐のこと」と『草の根研究会会誌』2号(草の根研究会、令和6年5月)のTakashi Kamikawa「細い道ーー私の在野研究とSNS」に登場しました。
それから、書物蔵著・小林昌樹解説『あったかもしれない大東亜図書館学:ガラパゴス的日本主義図書館学の形成』(近代出版研究所、令和6年8月)には、数えきれないぐらい出てくる。もっとも、『文献継承』誌からの再録で、本書が初出ではない。しかし、まとまって読めて楽しい。
追記:失礼しました。岩瀬彰利編著『愛知の名所いまむかし:明治・大正・昭和』(風媒社、令和6年2月)の近藤順「五色園 文献・資料から辿る“迷処”の謎【日進市】」に画像協力者として登場しています。
以上、思い出せる範囲内で「神保町のオタ」や「神保町系オタオタ日記」に言及していただいた文献を列挙しました。年内には、あと某同人誌に謝辞が載る予定である。1年に1回言及されるだけでもありがたいのに幾つもの文献で言及していただいた。関係者の皆様、ありがとうございます。