神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

古本

今年も『神田神保町古書街2012』対『神保町公式ガイド Vol.2』

『神田神保町古書街2012』(毎日ムック)と『神保町公式ガイド Vol.2』(メディアパルムック)を見る。 ・どちらも買う ・どちらも買わない ・どちらかを買う さて、どうしやう。神田神保町古書街2012 (毎日ムック)出版社/メーカー: 毎日新聞社発売日: 2011…

永久保存版となった「古書の楽しみ方」特集の『月刊京都』6月号

『月刊京都』6月号は「古書の楽しみ方」特集。目次は、「http://www.gekkan-kyoto.net/kongetsu_new.html」。 「古書を愛する人たち」には、林哲夫氏(画家・装幀家・文筆家)が登場。「装幀」を三十数年来のテーマとするという林氏だが、 本屋のレッテルが…

本郷東大前古書店の思い出

おっさんの古い日記から。 2005年11月29日 誰ぞが、本郷の古書店をのぞいてきたみたい。 そこで、思い出した本郷東大前古書店の思い出。 東大前某古書店で海外移民関係の本を立ち読みしてると、宅配便業者と店のおばさんの会話が聞こえる。 業者:業務用の割…

西部古書会館の思い出(その2)

古い日記から。 2005年7月8日 西部古書会館は、靴を脱いで、上がる方式。 ある時、年配の客が「靴がない」と、大騒ぎ。レジの店主いわく、「昔は、銭湯に来て、いい靴を履いて帰るやつがいたという話があったなあ」と独り言。オイオイ、そんなのんきな事を言…

西部古書会館の思い出

昔の日記を発見。 2005年7月7日 あれは、いつ頃の出来事だったろうか。西部古書会館で、目は必死に古本の背表紙を追いながら、聞き耳を立てていた。レジの係員に文句を言っている人がいるようだ。どうやら、古書店が合同で発行している古書目録の送付先の住…

道頓堀にあった謎の古本屋「古本大学」(その2)

『新派名優喜多村緑郎日記』第1巻に続いて、第2巻にも「古本大学」が出てきた。 昭和9年1月25日 夜の部を了へてから、紅梅と、たけ子をつれて、雪岡、若井と「古本大学」へ茶をのみにゆく。前の時の方が装置がいゝとおもつた。大分いろいろと主人公が女達…

2010年古本界隈10大ニュース(順不同)

・黒岩比佐子さんが亡くなられた ・猫猫先生が京都府南警察署の事情聴取を受ける*1 ・林哲夫氏の『ちくま』表紙絵担当終了 ・書物蔵氏が『文献継承』(金沢文圃閣)で「あったかも知れない大東亜図書館学」の連載開始*2 ・『彷書月刊』が300号で、『spin』が…

東京古書会館に群れるオッサン

黒岩さんの母校の本を読んでみた。佐藤道生編『名だたる蔵書家、隠れた蔵書家』(慶應義塾大学出版会、2010年11月)。このうち、石川透「赤木文庫・横山重」に面白い記述があった。 私は、毎週金曜日の午前十時には、神田の東京古書会館に赴く。(略)以前は…

道頓堀にあった謎の古本屋「古本大学」

八木書店から刊行された『新派名優喜多村緑郎日記第一巻』に戦前道頓堀にあった古本屋「古本大学」が出てくる。 昭和7年3月20日 そこで長いこと食事をして、寺嶋氏の東道で「古本大学」へゆく。聞いた通り、空ン洞の古本の見世、ノツクによつて、その古本が…

ミュージアムと古本市

美術館や博物館での古本市というと、古くは京都文化博物館、最近では名古屋市博物館と芦屋市立美術博物館(今年は、11月5日(金)〜11月7日(日))がある。京都と芦屋のは何度も行ったことがあるが、名古屋のは行ったことがない(誰ぞとか、ナンダロウさん…

2005年の四天王寺と天神さんの古本祭

5年前の大阪の古本祭りの記録があった。 2005年10月7日 書物奉行さんに負けじと10時をもって突撃!の巻 書物奉行さんに10月7日の大阪古本祭めぐりを推奨したものの、どうやら「雨にたたられた青空古本祭」になりそうな気配・・・ 責任をとって辞職しよ…

読売新聞「緩話急題」に『古本検定』登場

9月10日付読売新聞朝刊の「緩話急題」に文化部次長尾崎真理子さんが、古本話を書いていた。「日本の古本屋」を愛用している尾崎さんが、たいていのリストに顔を出す「高原書店」が気になり町田の本店を訪ねたという。本店長の池原実歩さんや現社長の高原陽子…

「古本と少女」の古本屋

かつて、「あべの古書店」の店主は、「全国古書店案内」の[静岡中部編その二]に次のように書いた。 (略)間口二間奥行き二間のひつそりとした古本屋が、町中で五十年も商売を続けている。自分はこの店を訪れるたび、つげ義春の「古本と少女」を思い出す。残…

森村泰昌が『美術手帖』を漁った大阪の古本屋とは

『美術手帖』3月号の坪内祐三と森村泰昌の対談「「ユレ」と「ブレ」後ろ向きで前へ進む」に、 森村 今日は「うえほんまちハイハイタウン」を一緒に歩いていただきました。(略)学生時代、それこそ『美術手帖』のバックナンバーを探していた古書店も駐車場…

小熊英二『1968』にあの古書店主が

何年も前の『×砦』という古書目録のあとがきにこんなことが書いてあったと思う。店主は、学生運動の活動家のブラックリストで企業の人事担当者向けのものを長い間捜し求めているという。そのリストには、かつて全共闘の活動家だった店主の名前が、糸井重里ら…

ゼロ年代の古本本

朝日のゼロ年代の50冊は、大著が多く、「そんな分厚いもの誰が読むんだ」という感があった。大澤真幸『ナショナリズムの由来』などは、さっぱり理解できなかったわしとしては、「う〜む」。新書も赤坂憲雄『東西/南北考』一冊だけか。新書ブームはどこへいっ…

神戸市の後藤書店

三宮のセンター街を歩くと、何か欠けている気分がするようになった。そうだ、後藤書店がないのである。 2008年1月に閉店した後藤書店。『現代出版業大鑑』(昭和10年8月)*1によると、 後藤書店 後藤和平 明治28年2月12日生 神戸市葺合区熊内橋通一の六 神戸…

静岡の松尾書店

静岡の古本屋松尾書店が阿部次郎の日記に出てきた。 昭和18年5月12日 夕食後静岡の松尾書店主来訪 松尾書店は、『全国古本屋地図 改訂新版』(昭和53年2月)によれば、昭和3年開業。夜店から今日を築いた努力家で、傍ら侠客の研究をやっていることでも知られ…

荷風のベレー帽を盗んだ古本屋

永井永光『父荷風』によると、荷風の葬儀の時に、『断腸亭日乗』の原本が盗まれないよう対策をとったという。しかし、他の物が盗まれた。 実際に物が盗まれました。ベレー帽と埋葬書で、犯人は市川のマーケットの古本屋でした。出棺のときの写真にも写ってい…

つぶれてほしい古本屋

何年も前のことだ。支払ったはずの古本屋から再度請求書が来た。「あなたは会員ではないので、送料が必要だ。送料を負けてほしければ会員になれ」というような手紙も入っていた。ここは、会員になると、送料が無料になるのだが、私は会員になっていなかった…

小川書店の小川勝蔵

小川書店の経営者の経歴が判明*1。 小川書店 小川勝蔵 [住]麻布区新堀町一一 明治28年1月15日現在地に生る。大正7年書籍業に志し、京橋区銀座の街頭にて古本の夜店を開業。同8年くに子と結婚。 9年12月現在地に店舗、昭和4年現在の木造洋風の店舗を新築、7年…

ある古本者の2009年10大ニュース

順不同で、今年の10大ニュースを選んでみた。・黒岩比佐子さん、読売新聞読書委員となる*1・小谷野敦氏東大を追われ、猫猫塾を開講*2・南陀楼綾繁・内澤旬子夫妻の「別居」*3・山本善行氏の善行堂開店*4・林哲夫氏が『ちくま』の表紙を担当・東部古書会館で…

知恩寺秋の古本まつりの感想

百円均一コーナーがないのも寂しいが、先日の下鴨での梁山泊みたいな、各種雑誌をごちゃごちゃ集めて一冊百円とか三冊二百円とかで売る店がほしかった。何年も前の福田屋だったかがやってくれて、英学史研究とか国学院雑誌をあさったが、ああいう感じ。数年…

臨川の戦いと知恩寺の古本猛者たち

皆勤賞の山本善行氏やほぼ皆勤賞のma-tango氏には負けるが、知恩寺の秋の古本まつりには十数回は参戦しているオタどんである。 初日の開店前に行われる寺の大殿での古本供養に参加すれば金券がもらえるのだが、どうも誰ぞが待ち構えている悪寒がするので、ま…

下鴨納涼古本まつりで泣いた人、笑った人

『小説すばる』9月号の「荻原魚雷の古書古書話」は、『sumus』とその同人山本善行氏による善行堂開店の話。最後に下鴨納涼古本まつりに今年も行くと書いていたが、ブログを見ると、地震のために断念したらしい。 結局、 前日には入洛していた人・・・岡崎武…

大量の本に埋もれて亡くなられた女性

駿府城の石垣が崩れたと思っていたら、静岡市内では大量の本に埋もれて亡くなっているのが発見された40代の女性がいたとのこと。 人事とは思えない。黒岩さんにも気を付けてもらわねば。市内の古書店とかは無事だったかしら。 下鴨の100円均一コーナー…

台風も地震も何のその

誰ぞは昨日岡山へ寄った後、既に京都へ到着していたらしい。u-sen氏は今頃どこにいるかしら。 朝から雨が降っているし、テレビを見てたらいきなり緊急地震速報の表示で、なんだろうと思っていたらグラグラと来た。古本市はどうなることやらと思っていたら、…

坪内祐三の御用達でもあった蟻二郎のワンダーランド

いやはや坪内祐三氏が蟻二郎のワンダーランドに言及していたとは*1。 私が学生の頃、神保町には、北沢書店だけでなく、東京堂書店の洋書部があり、米文学者蟻二郎の経営するワンダーランドがあり、古書の東京泰文社や松村書店があり、三省堂の洋書部も今より…

昔々、駿河の国に松尾書店があったとさ

ma-tango氏がいう*1松尾書店とはこのことかしら。 書店となれば、七間町通りの吉見書店へまっすぐには行かず、まずその手前にあった古本屋をのぞく。(略)いつも店の奥の決った場所にいて、かならず本を読んでいた。かたわらに小ぶりの火鉢があり、冬はそこ…

東條書店とバラック装飾社

関東大震災後、今和次郎、吉田謙吉らによって創設されたバラック装飾社。最初の仕事は日比谷公園の開進食堂だったが、二番目は神保町の東條書店だったらしい。飯野正仁「疾走する眼玉 吉田謙吉試論」の「第1章俄然!震災が襲った。−考現学の芽生えとバラッ…