神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

臨川の戦いと知恩寺の古本猛者たち


皆勤賞の山本善行氏やほぼ皆勤賞のma-tango氏には負けるが、知恩寺の秋の古本まつりには十数回は参戦しているオタどんである。
初日の開店前に行われる寺の大殿での古本供養に参加すれば金券がもらえるのだが、どうも誰ぞが待ち構えている悪寒がするので、まずは臨川の戦いへ臨む。


「臨川の戦い」というのは、善行氏の命名のようで、『関西赤貧古本道』(新潮新書)に、

青空古本祭りを前にして悩むのは、百円均一コーナーに並ぶべきか、それともまずは臨川書店に向かうべきなのかということである。(略)
私はその争いがだんだん激しくなってきたので「臨川の戦い」と呼んで警戒している。


とある。この名物だった百円均一コーナーも臨川書店の出店もなくなったのだが、今年は臨川書店の本店前で即売展を開催するという。9時半から開催というので、まずはそこで誰ぞをかわすこととした(これを書いている今(31日)入った情報によると、誰ぞこと「書物蔵」さんは、結局来ていなかったらしい・・・)。


9時半前に京阪出町柳駅に着き、すぐ近くの臨川書店に向かうが、既に戦いは始まっていた。10数名の古本者による乱戦状態である。店の前の歩道には、100円〜500円の均一コーナーや図録類など、店内には唐本のコーナー。特に欲しい本がなかった。山積みの本を両手で抱えているおっさんもいたから、いい本もあったか。あきらめて早々に、百万遍に向かう。


古本供養はまだ終わっていない。
供養に参加せずに、参道に立ったり、ベンチにすわっているおじさんたち。
あっ! 茶髪で黒のパンツ姿の女性が!
黒岩さんかと、思ってしまったが、そんなわけはなく別人であった・・・


開店時間前なので、本棚はブルーシートでおおわれているのだが、竹岡書店だったかの3冊500円の均一台は透明のシートだったので、フライング(?)でチェックに入る。なにやら、古本者らしき人たちの声が聞こえてきた。


「100円均一も臨川もないと、戦いが見られないね」
「いえ、臨川は本店の前でやってますよ。2回目らしいですけどね・・・」


ん、名うての古本者か。


「古本供養が終わりました。全店開店します」との放送が。あわてて、昨年均一コーナーが好評だった津田書店の方へ向かう。
ほえ〜、シートがめくられるのを待っているのは女性が多い。女性の古本者も増えてきたなあ。シートがはがされると、そこは宝の山。じゃなかった、「児童読物」の山。す、すまった。児童書のコーナーだった(汗)


ヨドニカ文庫にサンリオSF文庫が数冊出ていた。特にアーシュラ・K・ル=グウィン『天のろくろ』があるのを見て、初期のサンリオSF文庫は新刊をリアルタイムで買い、かつ、読んでいたのを思い出し、懐かしかった。と、思い出にふけっていたら、隣のおにゃのこがやおら手をのばして、その『天のろくろ』をつかむ。「お、女せどり師の出現か!?」とビックリ。お近づきになりたいなあ(笑)と、様子をうかがっていると、パラパラと見て、棚に戻していた。わしもその本を手にとってみると、初版800円の値付け。服装は学生ぽかったが、年齢は20代半ばくらいか。某大SF研(まだあるのか?)のコだったりして。


珍しく(?)出遅れたらしい、雑誌『太陽』(戦前のではなく、戦後の方)を抱えた善行氏に黙礼した。
1時間ほどで出たので、まだナンダロウ氏は到着していなかったのだろうか、見かけなかった。
「金なくなった」u-sen氏は出現しなかったようだ。


(参考)臨川書店。同書店の次回即売展は12月15日らしい。「同業者(古本屋)のお買い上げは、ご遠慮ください」との注意書きがあちこちに。わしとか誰ぞみたいなせどり師も対象か(笑)