京都工芸繊維大学美術工芸資料館で開館40周年企画展第2弾「美術の教育/教育の美術」を開催中。11月6日(土)まで。有料*1だが、72頁の豪華図録は無料*2。私は先日観てきた。
展示品や図録掲載の図案関係の古書を見ていて、四天王寺秋の大古本まつりで出会えたらいいなあと思っていたら、初日の8日(金)に本当に見つけてしまった。Cosyo Cosyoの和本300円台から。今回ここは、美術関係、仏教関係等で掘り出し物が多かった。冒頭に挙げた写真の浅井忠『新編自在画臨本』第1編(金港堂書籍、明治39年12月初版・40年3月訂正再版)が、見つけた図案教育書である。図録には、工繊大附属図書館所蔵本が出ている。
展覧会を観た直後に見つけるのは奇跡と言ってもいいだろうが、古本の世界では割とよくあることではある。本自体も教科書なので、それほど珍しくはなさそうだ。ただし、国会図書館には第4編しかない。「近代教科書デジタルアーカイブ」では全8編が公開されている。また、日本の古本屋には第1編が2店、その他の編が5店で出品されたが、すべて売り切れていて人気があるようだ。
図録の解説には、次のようにあった。
これらの教科書が京都高等工芸学校で使用されていたことを示す資料は残っていない。『訂正浅井自在画臨本』*3によると、浅井自身が緒言で「中学校教授要目ニ準拠」して「中等程度ノ諸学校ノ図画教科書」とするために編纂したと記しており、専門教育機関である京都高等工芸学校では使用されなかった可能性が高い。