神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

昭和4年のライオン歯磨本舗の年賀状と大手拓次

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 松野博一官房長官がライオンに勤めていた経歴があって、ライオン歯磨本舗小林商店広告部に勤めていた大手拓次に言及するツイートがあった。それで、先日の平安神宮における古本祭りでシルヴァン書房から入手した昭和4年のライオン歯磨本舗(株式会社小林商店)の年賀状を思い出した。冒頭に挙げた写真である。600円。
 昭和4年年始における大手の日記を見ると、次のとおりである*1

(昭和四年)
一月一日 火
 前夜おそく逸見氏来訪、二人で十二時すこしすぎまで矢来町通りへあるいていつた。帰つて来たら、年賀状がきた。(略)
 巣鴨社長宅へゆき、神谷、井口、小野沢宅へまはつた。
 詩一篇、散文一つ、

 大手の所に年賀状が来ている。社長や上司個人から年賀状は来ただろう。しかし、入手した年賀状はおそらく取引先や顧客向けのもので、大手には届いていないだろう。ただ、文面を大手が作っていれば貴重だ。しかし、それは確認できない。右下に絵の説明だろうか、何か書かれているものの、不鮮明で□□「田□の朝」と推測できるだけである(追記:Twitterで勅題「田家の朝」と御教示いただきました。ありがとうございます)。
参照:「大手拓次がライオン歯磨広告部員だった時代の広告が載った『ヒコバエ』(女子大学講義大正15年3月附録) - 神保町系オタオタ日記

*1:大手拓次全集』5巻(白凰社、昭和46年8月)