神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

2016-01-01から1年間の記事一覧

『雑誌・創刊号蔵書目録』(大塚文庫)で見る創刊号コレクター大塚正基の蔵書

下鴨納涼古本まつりのチャリティー100円均一コーナーで拾えた『雑誌・創刊号蔵書目録』(大塚文庫、昭和61年7月)。302頁、定価3000円。目次は、 カラーグラビア・雑誌は世につれ 世は雑誌につれ 創刊号図書館の設立をめざして 大塚文庫代表大塚正基 序・なぜ…

下鴨納涼古本まつり、チャリティー百円均一コーナーで『京都民芸だより』を

下鴨納涼古本まつりの「集印帖」に「2日目からのお楽しみコーナー」とあったのは、やはり百円均一コーナーでした。「熊本地震災害義援金チャリティー」とのこと。8月12日開店すぐの一回目では何も拾えずトホホであったが、しばらく時間を置いた二回目に『混…

下鴨納涼古本まつりは三密堂書店で『笹村草家人文集』上下を

三密堂書店の一冊二百円三冊五百円コーナーで発見。昭和55年2月発行、非売品。序は森信三と今井兼次。笹村草家人とは誰だっけなあとパラパラ見ると岡田虎二郎が出てきたので購入。下巻巻末の年譜によると、 明治41年 東京市芝区神明町に生まれる。 大正3年 …

下鴨納涼古本まつり初日にまず並ぶべき古書店は

京都の青空古本まつり(下鴨と知恩寺)から100円均一コーナーが消えてもう何年目だろうか。普段は何をしてるのだろうかと訊きたくなるような古本猛者が全国から初日の均一台に結集したものである。今年も無いと思っていたが、「集印帖」(店の配置図も兼ねる)を…

文庫櫂で『洛趣』創刊号(洛趣社、昭和25年8月)を

文庫櫂で上記を500円で。非売品、80頁、特輯「京のたべもの」。編輯兼発行人は初瀬川松太郎。「後記」によると、「洛趣会の会員を母体として、それに両千家家元や友人知己が集つて洛趣社を創設して、観光、文化、産業を主題として月刊洛趣を発行することにな…

和洋会で『四国古書通信古書目録』(四国古書通信社)を

ようやく長い冬眠から目覚めて東京の古本市へ。東京古書会館の和洋会は千代田図書館へ行く前の30分間という時間制限があって、ざっと見ただけ。上記の9輯(昭和17年4月)、10輯(同年10月)、11輯(同年12月)3冊で1000円だけを購入。発行所の四国古書通信社は高松…

東亜同文書院教授植田捷雄宛絵葉書

天神さんの骨董市で拾ったもの。昭和9年1月1日付け支那上海東亜同文書院住宅内の植田捷雄宛の絵葉書(立山彌陀ヶ原と大日岳)。差出人の東京中野の弦間紀寛の経歴は不詳。植田は、『昭和人名辞典Ⅱ』によると、 明治37年9月9日生、高知市出身 昭和3年 東大政治…

出久根達郎が出席した手書き古書目録に関する座談会

『ちくま』で連載されていた出久根達郎「謎の女幽蘭」(連載時は「幽蘭」)が単行本になったので読書中。『ちくま』を入手できた時だけ読んでいたので、入手できなかった回を読めてありがたい。出久根氏が出席したという手書き古書目録に関する座談会というの…

『大阪古書月報』「尾上蒐文洞氏ーー追悼特集ーー」

『大阪古書月報』(大阪府古書籍商業協同組合)は、『古書月報』(東京都古書籍商業協同組合)よりも入手困難。しかし、たまたま、238号、平成4年11月の「尾上蒐文洞氏ーー追悼特集ーー」を入手できた。内容は、 弔辞 今木芳和(理事長) 弔辞 肥田皓三 本好き人好…

南多摩農村図書館旧蔵の植村長三郎『書誌学辞典』

天地書房で購入した植村長三郎『書誌学辞典』(教育図書、昭和17年8月)。背表紙に「南多摩農村図書館保管/海老原蔵書/第6門/1501号」のラベル。扉にも同様の記載のラベルがあるが、「第7門」になっている。独自の図書分類だろうか。 浪江虔『図書館運動五…

浪江虔の弟板谷敞もアジア復興レオナルド・ダ・ヴィンチ展覧会を見ていた

昭和17年上野で開催されたアジア復興レオナルド・ダ・ヴィンチ展覧会については、「まだまだあったスメラ学塾関係論文」などで紹介したところである。私の調査により天羽英二、大蔵公望、斎藤茂吉、高松宮、中野重治が観覧したことが判明しているが、『浪江…

伊藤隆先生がスメラ学塾に言及していた

グーグルブックスで発見したのだが、伊藤隆『昭和十年代史断章』(東京大学出版会、1981年9月)でスメラ学塾に言及していた。『矢部貞治日記』銀杏の巻から昭和16年9月1日の条の次の一節を引用している。 末次大将は、この二三日中に東亜建設同志会の会長を辞…

小説家浜野健三郎の甘粕正彦研究

昨日言及した浜野は、小説家浜野健三郎でした。石川達三『私の周囲・生活の内外』(大和書房、1971年12月)の「後記」に、 もともと私自身はこんな本を出そうとは考えていなかったが、旧友浜野健三郎君と大和書房主とが計画して、相談に来られたので、ついその…

甘粕正彦の秘書伊藤すま子と編集者浜野

石川達三『流れゆく日々Ⅰ』(新潮社、昭和50年4月8刷)に甘粕正彦の元秘書で銀座ベレーのママという女性が出てくる。 (昭和四十五年) 十一月十九日(木)雨 (略) 浜野君雨の中を来訪。満洲育ちは雨がきらいだと言う。(略)私の随筆集出版の相談。 彼は終戦のとき…

壽岳文章邸「向日庵」を設計した澤島英太郎の生没年

壽岳文章(じゅがく・ぶんしょう)の邸宅「向日庵」を設計した澤島英太郎。昨年の講演会「近代住宅史から見た壽岳文章邸」(京都市文化財保護課技師石川祐一)で生没年不詳と聞いたが、『満州紳士録』(満蒙資料協会、昭和18年12月第4版)で生年がわかった。同書*1…

『国史研究室通信』26号(終刊号?)(京都帝国大学文学部国史研究室、昭和17年2月)に吉田三郎が

これまた、三密堂の100円均一台で拾った3冊の『国史研究室通信』のうちの1冊。非売品、35頁。さすがに南部や西部の古書会館でもこれは落ちてないだろう。 本誌は、昭和6年12月創刊で11年に休刊、15年7月に再興して24号を発行。京大文学研究科図書館が創刊号…

『記念俚謡会宿題地巻:東京俚謡会創始三周年記念兼深澤銀扇先生謝恩』(東京俚謡会、昭和10年9月)

臨川書店のバーゲンで100円だったか。表紙に「左右先生選」、見返しには 宿題『三、週(周)、年、記、念、深、澤、銀、扇』 総数 七百七十七章 選抜章数 二十八章 天。地。人。五客。秀逸二十章 軸吟 一章 右に依り御選抜の程希上候 扱所 東京市麻布区飯倉片…

宮田昌明『西田天香』(ミネルヴァ書房)に日ユ同祖論

山科にある一燈園の西田天香については、『天華香洞録』に村井弦斎のタラコン湯が出てくることを紹介したことがある*1。しかし、西田そのものについては、真っ当すぎて面白くなさそうだと思って、伝記を読んだりはしてこなかった。今回、ミネルヴァ日本評伝…

愛犬王平岩米吉の発禁雑誌『変態随筆』

荒木優太『これからのエリック・ホッファーのために 在野研究者の生と心得』(東京書籍、2016年2月)で取り上げられた平岩米吉。昭和9年の『動物文学』創刊前に『変態随筆』なる雑誌を出していたというので、より詳しい片野ゆか『愛犬王平岩米吉伝』(小学館、2…

斎藤昌三氏に物を聴く会

道具屋筋に移転した天地書房にて『第31回阪急古書大会目録』を300円で。1月23日から28日まで阪急百貨店西館7階で開催された古書展の目録。発行年の記載はないが、伊藤一男「あゝ斉藤昌三氏に物を聴く会」に斎藤が旧冬の11月26日に亡くなったとあるから、伊藤…

『ザニタース月報』(アルス代理部)とザニタース診療所

口笛文庫で『ザニタース月報』7号(アルス代理部、昭和7年5月)と9号(同年7月)を拾う。前者は12頁、後者は16頁。アルス内にあったザニタース診療所(所長山崎英治)のPR誌。編輯兼発行人は北原富子。アルスの人脈を生かして著名人が絶対健康法やザニタース薬品の…

倉紡図書館の笠原史苑林

兼田麗子『大原孫三郎ーー善意と戦略の経営者』(中公新書、2012年12月)によると、孫三郎の明治36年1月24日の日記に、倉敷の民衆のための公会堂、図書館、公衆運動場の設置計画が記されているという。図書館については、 「図書館 図書館設立は人物吸収の良法…

『大阪ふるほんやMAP』を作った青空書房のさかもとけんいちさん

先日のORC200の古本市で入手した『大阪ふるほんやMAP』(大阪府古書籍商業協同組合、昭和43年4月)。折り畳み式で表面が古書店地図、裏面が「浪速紙魚双六 古本屋名所巡り」である。編集「あきれすけん」、アイデア「伊藤光三」、構成「杉本要太郎」とある。伊…

『雑誌新聞発行部数事典』(金沢文圃閣)を使ってみた

荒木優太『これからのエリック・ホッファーのために 在野研究者の生と心得』(東京書籍、2016年3月)で取り上げられた16人の在野研究者は、 三浦つとむ、谷川健一、相沢忠洋、野村隈畔、原田大六、高群逸枝、吉野裕子、大槻憲二、森銑三、平岩米吉、赤松啓介、…

ありゃまあ、恩地孝四郎装幀『詩歌年刊歌集』が二冊も

斎藤光陽編『前田夕暮全歌集』(至文堂、昭和45年6月)所収の年譜から白日社に関する記述を幾つか拾ってみよう。 明治39年12月 『明星』に対抗の意図から、漱石、逍遙等の賛助を得て白日社を創立 44年4月 白日社を再興し、雑誌『詩歌』創刊 大正6年9月 『詩歌…

三密堂書店が大放出!野口謙蔵『遺歌集凍雪』

激戦区である三密堂書店の均一台がまたまたやってくれました。上記を100円で。所蔵は滋賀県立図書館だけか。あきつ書店では19440円。昭和23年10月発行、発行所は滋賀県蒲生郡桜川村の白日社関西支部、発行者は同住所の歌人米田雄郎。非売品で、115頁。 目次…

口笛文庫で横尾忠則人生初の装幀本『近畿文学作品集』を確保

六甲に「古本とジャズ」の店、口笛文庫がある。このキャッチフレーズだと今風のおされな店だと思い、わすとか誰ぞは「わざわざいかんでもいいか」と敬遠してしまいそうだ。ところがどっこい、近所の奥さんが子供の本を買いに来る町の古本屋である一方、明治…

天神さんで『三人』2巻3号(三人社、大正11年5月)を拾う

北野天満宮にて上記を100円で。16頁の歌誌。所蔵図書館は皆無か。富士正晴らの出した『三人』とは無関係。編輯兼発行人は名古屋市西区の渡邊周一、発行所の三人社も同じ所在地。目次は、 武蔵野小景(短歌) 前田夕暮 庄内川稲生附近(短歌) 森三樹雄 四明ヶ嶽(…

吹田草牧『渡欧日記』に桜沢如一の名が

画家吹田草牧が大正11年から12年にかけて渡欧していた時期の日記が京都国立近代美術館ニュース『視る』の303号、平成4年9月から478号、27年8月まで断続的に連載された。わしは全部読んだわけではないが、同時期に渡欧していた入江波光、黒田重太郎、土田麦僊…

夢は東京古書会館でステッキの高さまで古本を買うこと

紀田順一郎氏の『古本屋探偵の事件簿』に、古本屋で毎回ステッキの高さまで古本を買っていく爺さんが出てきたことがあった。本の内容よりも、決めた量まで買わないと気がすまないという一種の病気であろう。しかし、わしも年取って金持ちになったらやりたい…