2016-01-01から1年間の記事一覧
その昔、『地球ロマン』復刊全6号や『迷宮』全3号という雑誌で取り上げられた戦前のトンデモない人達も、今や小説や漫画の登場人物となり、身近な(?)存在となっている。 安彦良和『虹色のトロツキー』の安江仙弘、大塚英志氏の木島日記シリーズの藤沢親雄ら…
一昨年、京大11月祭で『蒼鴉城』40号(京都大学推理小説研究会、平成26年11月)を購入。研究会の創立40周年記念ということで、OBの作家、森川智喜、円居挽、大山誠一郎、麻耶雄嵩、我孫子武丸、法月綸太郎、綾辻行人各氏が執筆。法月氏の「祝辞と追伸」には、 …
大観堂書店の古書目録が削除処分を受けたことについては、「発禁になった大観堂書店の古書目録」で紹介した。『発禁年表』記載の「処分理由又ハ摘要」欄に「美濃部博士の禁止出版物広告掲載」と記載されている典拠は不明だが、『出版警察報』82号に同目録に…
何枚か入手した長谷川鉱平宛葉書の一枚。昭和15年8月20日付けの消印で、文面は、 少年保護拝受致しました。(略) 新しく(久保喬)の名にて再出発の覚悟であります。(略) 長谷川伸三編『近世思想・近代文学とヒューマニズム 長谷川鉱平評論選』(いなほ書房、200…
原武史『皇后考』(講談社、2015年2月)は、『蘆花日記』や『関口日記』まで言及されていて感心した。ただ、一点資料の使い方に疑問がある。535頁で、 その翌日、高松宮は日記に謎の記述を残している。 陛下ノ時局ニ関スル御判断、楽観ニスギルヲオソル。御性…
『昭和書籍雑誌新聞発禁年表』中巻を見てたら、昭和10年6月5日東京の大観堂書店が発行した『一般古書販売目的[ママ]』が同月20日安寧秩序紊乱で発禁になっていた。内容は、「一四二頁削除、美濃部博士の禁止出版物広告掲載」。美濃部達吉の天皇機関説事件の…
京大生協ルネで吉岡書店が古本市をやっているのを見つけて、上記を購入。編者は父の三橋時雄で、発行所はあらくさ印刷共働作業所。昭和51年2月初版、同年4月2版。節子の経歴は、年譜から要約すると、 昭和14年3月3日 大阪で出生 27年6月 父時雄、京都大学教…
発禁関係書を多数所蔵する恵美須町の文庫櫂で上記を購入。発行所の赤間耕文堂は京都市五辻通千本東入西五辻東町に所在、取次所は京都市四条通新町西入の文福書店。非売品500部限定だが、古書店・コレクターで愛用されたのだろうか、結構残っているようで、「…
田口ランディ『マアジナル』(角川書店、平成23年5月)に京都大学鞍馬山UFO研究会の初代会長岡田淳子という女性が出てくる。年に一度の鞍馬の星祭りに山の頂上で部員らとピンク・レディーの「UFO」を踊ると、空飛ぶ円盤がやって来たという。京大で実在したの…
古本にうつつを抜かし、新刊は中々読めないが、只今はミネルヴァ日本評伝選の上記を。 野波静雄という人物については、「野波静雄と下中弥三郎」、「世界的大旅行家としての野波静雄」などで紹介したが、本書で再会。 大亜細亜協会の前身は従来「汎アジア学…
去年河原町丸太町のアイタルガボンで開かれた古書ダンデライオン「ひとり古本市」で発見、500円。均一台で見つけたいところだが、贅沢は言えない。書き込みは全くない美本。1969年8月付けの「新刊と重版」の挟み込みあり。裏表紙に今は無き「KYOTOオーム社」…
『北方人』24号をお送りいただきました。ありがとうございます。 目次は、 創作/ゆうゆう館小話 通雅彦 創作/文学部教授ルーデ博士(第三章) 哀神シュナイダー 評論/釧路湿原文学史(5) 盛厚三 書誌/なんとなく手にしてみたい装丁本(3) かわじもとた…
ブッダ・ハンドの人が長谷川鉱平宛葉書を某書店で見つけたとつぶやいておられたので、残り物に福があるかもとゴッド・ハンドの人になりかわってパトロールに行ってきました。そしたら、ありました。昭和9年3月24日消印の長谷川鉱平宛で兵庫県武庫郡本山村の…
『ブックレビュー』2巻2号(図書研究会、昭和3年1月)の「回顧一年の読書界その他/記憶に残つたものは何/八十名家それぞれの思出」に萩原朔太郎が回答している。 芥川龍之介氏の死後に発表されたる多くの作品。尾崎士郎氏の「運命について」その他/。室生…
八幡書店(はちまんしょてん)から復刻された三村三郎『ユダヤ問題と裏返して見た日本歴史』(日猶関係研究会、昭和28年8月)という本がある。かわじ・もとたか『畸人傳・伝』(かわじ・もとたか、1995年8月)で言及されてはいないが、一種の奇人伝でもある…
「丸万書店で『福田與先生回想録』(福田與先生回想録刊行会)を拾う」で紹介した福田與は、静坐社*1の研究者の方は既にお気付きのようですが、静坐社に出入りしてました。『福田與先生回想録』の井口大「福田大学学長福田寺住職」によると、 日曜とか平日の…
「図研出品の『仏教之日本』11巻7号(日本仏教新聞社、昭和14年7月)」で紹介した『仏教之日本』に載っていた『邪淫戒』の広告。「四六版三百八十六頁(上記頁数の内四頁だけ不足せり/お含みの条件附にて御注文乞ふ)」とあって気になっていた本である。た…
これまた『雑誌新聞発行部数事典』を見ていて、「あれっ」と思った一冊。『心霊研究』創刊号(山陰心霊科学研究会、昭和11年4月)、12年3月9日処分だが、心霊雑誌で発禁というのも珍しい、『出版警察報』103号を見ると、松江市で発行されたもので、処分理由…
『雑誌新聞発行部数事典ーー昭和戦前期 附.発禁本部数総覧』(金沢文圃閣)を読破。ていうか、書名だけ斜め読み。そしたら発禁になったオモロイ本を色々発見。『昭和書籍雑誌新聞発禁年表』の書名も同様に全部見たはずだが当時と今とでは関心領域が異なるの…
丸万書店の100円均一台で『福田與先生回想録ーー満点の星を仰ぎて君ゆくかーー』(福田與先生回想録刊行会、1989年1月)なる本を発見。猫猫先生のいうとおり「非有名人を調べるのが楽しい」のだが、全く無名のただの人では困るわけで、最初は本書を買うつも…
以前「新潟県立図書館の大東亜文庫」で話題にした大東亜文庫。出典を書き忘れていて、わしもどこで見たか忘れてたが、ようやく判明した。荘司徳太郎・清水文吉編著『資料年表日配時代史 現代出版流通の原点』(出版ニュース社、昭和55年10月)第3部年表の「…
『ブック・レビュー』(後に『ブック・マン』を経て『内務省納本月報』に改題)の復刻版(金沢文圃閣)で発行所である図書研究会々員の名簿を見てると、「森谷均(大阪)」なんていうのもあった。「本会新申込者芳名録(六)」で、同誌1巻12号、昭和2年10月…
ネタにするのが遅れたが、『大学出版』105号(一般社団法人大学出版部協会、2016年2月)に荒俣宏「韋編三絶ーー読書と本づくりの過去と未來」が掲載された。2015年11月に開催された大学出版部協会編集部会主催の「図鑑」をテーマにした研修会で話された荒俣…
1952年11月7日から12日まで読書週間実行委員会主催により日本橋三越で開催された展覧会の目録。昨年東京古書会館であきつ書店出品200円。珍稀本出品者は、 反町茂雄 植田秀 松下英麿 内藤政勝 関野準一郎 斎藤昌三 山宮允 江島伊兵衛 小倉重勝 浜田徳太郎 庄…
『脈』88号(脈発行所、2016年5月)「村上一郎の未発表日記と『試行』Ⅰ」特集で村上の日記を見てたら、酒井温理が出てきた。 (昭和三十五年) 一月二十一日(木) (略)急に酒井温理さんを訪ねてみたくなった。(略)青山学園へ電話して番地を訊き(略) …
開店時間が遅れがちの京阪書房で、小林参三郎『生命の神秘 生きる力と医術の合致』(杜翁全集刊行会、大正11年8月7版)を8百円で。小林参三郎については、吉永師匠の「小林参三郎と真言宗の近代化」などで見て名前を覚えていたのであった。よく売れたようで…
図研から300円で。神戸のサンボーホールだったと思う。日本仏教新聞社の月刊PR誌で、32頁。同社が発売している書籍のほか、仏像、おみくじ、数珠、霊鏡などの広告も載っている。広告が載っていて欲しい本は、 霊感霊視と霊媒養成法 神通自在霊狐使用口伝(き…
金沢文圃閣から復刻中の『内務省納本月報』。当初は『ブック・レビュー』というタイトルで大正15年11月創刊。発行所である図書研究会の会員名簿を見てたら、昭和2年1月号掲載の「図書研究会々員名簿(其三)」に「須田国太郎(京都)」とあった。同名の画家…
これは名古屋の山星書店で入手。奥村寛純『天草土人形調査記録 S46・3・26〜27』とセットで2千いくら。記事の内容は、 蒐集趣味展覧会 浪華の娯美会と土俗会 人魚洞主人 祝儀袋 木村芳太郎 古看板集(六) 杉浦丘園 雉子車の話 巨泉生 新聞表題蒐集(蒐集百…
三密堂書店の100円均一台で上記を。未知の人の饅頭本の場合、旧制高等学校や帝国大学卒業、或は出版・印刷などの関係者で面白そうであれば購入するのだが、本書はどれにも該当しない。大分前から棚にあるのは気付いていたのだが、あまりに無名の人すぎて買う…