神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

夢は東京古書会館でステッキの高さまで古本を買うこと

紀田順一郎氏の『古本屋探偵の事件簿』に、古本屋で毎回ステッキの高さまで古本を買っていく爺さんが出てきたことがあった。本の内容よりも、決めた量まで買わないと気がすまないという一種の病気であろう。しかし、わしも年取って金持ちになったらやりたいなと思っていた。もっとも、安い本が増えたとはいい東京古書会館でやったら金がかかりそうだが、西部や南部古書会館のガレージ本なら今でもできそうではある。
ところで、坂本一敏『古書の楽しみ』(財団法人国鉄厚生事業協会、昭和58年4月)の「西洋の愛書秘話」を読んでたら、フランスの愛書家アントワアヌ・マリイ・アンリ・ブウラアルについて次のような記述があった。

ブウラアルは弁護士であった。彼もはじめは普通の愛書家で、主として中世紀の写本を蒐めて楽しんでいた。(略)彼は七十一年間の生涯に六十万冊の書物を蒐めた。彼が書物漁りに出かけるときには、いつも長い杖を曳いて行った。その杖の長さは一メートル九四九で、彼は毎日杖の長さだけ書物を買わなければ気がすまなかった。

この人をモデルとして紀田氏が創作したのかな。
追記:ナカネ氏の御教示により、紀田氏がブログにヒントは知人の話で、あとで庄司浅水『世界の古本屋』に出ていることを知ったと書いていることが判明しました→「http://plus.harenet.ne.jp/~kida/topcontents/news/2011/052603/index.html