荒木優太『これからのエリック・ホッファーのために 在野研究者の生と心得』(東京書籍、2016年3月)で取り上げられた16人の在野研究者は、
三浦つとむ、谷川健一、相沢忠洋、野村隈畔、原田大六、高群逸枝、吉野裕子、大槻憲二、森銑三、平岩米吉、赤松啓介、小阪修平、三沢勝衛、小室直樹、南方熊楠、橋本梧郎
大槻憲二が出てくると聞いたので、読んでみました。先日亡くなられた曾根博義先生の「『精神分析』創刊までーー大槻憲二の前半生」『復刻版精神分析[戦前篇]』別冊が引用されていて、感慨深い。また、大槻の「精神分析的自伝」塚崎茂明編『大槻先生還暦記念帖』から大槻が1933年5月に創刊した『精神分析』に関して引用されていて、
「始めは四百部位しか刷らなかつたのだが、後には千百部ほど刷るやうになつた」
これを読んで、そう言えば『精神分析』は発禁になったことがあるから、『雑誌新聞発行部数事典ーー昭和戦前期 附.発禁本部数総覧』に載ってるのではないかと見てみると、ありました。3巻6号、1935年11月は700部発行、7巻3号、1939年3月は1000部発行で、大槻の記憶はおおむね正しいことが確認できた。
これからのエリック・ホッファーのために: 在野研究者の生と心得
- 作者: 荒木優太
- 出版社/メーカー: 東京書籍
- 発売日: 2016/02/24
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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