口笛文庫で『ザニタース月報』7号(アルス代理部、昭和7年5月)と9号(同年7月)を拾う。前者は12頁、後者は16頁。アルス内にあったザニタース診療所(所長山崎英治)のPR誌。編輯兼発行人は北原富子。アルスの人脈を生かして著名人が絶対健康法やザニタース薬品の推薦文や体験記を書いている。前者は、「絶対健康法現代名士推讃号」で、
岡田道一(東京市学校衛生技師、医学博士)
金子元臣(御歌所歌人、国学院大学教授)
宇野浩二
新居格
萩(ママ)原井泉水
千葉亀雄(東京日日新聞学藝部長)
昇曙夢
平田禿木
森田草平
らが執筆している。後者は「絶対健康法名士体験激賞号」で、
らが執筆している。
アルスの創立者北原鉄雄を『出版人名鑑』(新聞之新聞社、昭和7年8月)で見ると、昭和7年1月アルス診療所を創立し、妻は美佐子とある。アルス診療所とザニタース診療所は同一のものだろうか。また、発行人の北原富子は鉄雄の親族と思われ、北原白秋(鉄雄の兄)の妻菊子宛大正10年□月1日付書簡*1に「富子さんの肋膜炎は可なり重い」とあるが、詳細は不明である。