神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

ありゃまあ、恩地孝四郎装幀『詩歌年刊歌集』が二冊も

斎藤光陽編『前田夕暮全歌集』(至文堂、昭和45年6月)所収の年譜から白日社に関する記述を幾つか拾ってみよう。

明治39年12月 『明星』に対抗の意図から、漱石、逍遙等の賛助を得て白日社を創立
44年4月 白日社を再興し、雑誌『詩歌』創刊
大正6年9月 『詩歌』同人米田雄郎処女歌集『日没』を発行、序文を記す。
昭和6年10月 米田雄郎により近江極楽寺に第一夕暮歌碑建設さる。
7年3月 『詩歌年刊歌集第一輯』を白日社より発行、序及び作品を寄せる。
8年4月 『詩歌年刊歌集第二輯』を白日社より発行
11年5月 『詩歌年刊歌集第三輯』発刊

『詩歌年刊歌集第一輯』の「巻末小記」によると、

「詩歌」は明治四十四年四月に創刊し、大正七年十月に休刊してゐる。そして昭和三年四月に復活する迄約十年かかつてゐる。
(略)
本書の装幀は、一九三一年度「詩歌」の裏絵を、恩地孝四郎君の快い承諾を得たる上、文字の配置丈を私がしてそのまま用ゐた。私はその構図と色彩とに少なからぬ魅力を感ずるものである。猶校正は、小関茂君が全部してくれた。

また、第二輯の「巻末小記」には、

猶装幀は恩地孝四郎氏を煩はし、校正は、狭山信乃、須藤四朗両君が引受けてくれた。

わいわい、この恩地孝四郎装幀本二冊を昨日紹介した野口謙蔵『遺歌集凍雪』とともに三密堂書店の100円均一台で拾ったのでした。旧蔵者は、前田と関係があった人かもしれないね。例によって「日本の古本屋」を見ると、あきつ書店が第一輯に41040円も付けてるよ(◎-◎;)