神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

2015-09-01から1ヶ月間の記事一覧

沖田信悦編『地域古書店年表ーー昭和戦前戦後期の古本屋ダイレクトリー』(金沢文圃閣、2015年5月)

文圃から沖田信悦編『地域古書店年表ーー昭和戦前戦後期の古本屋ダイレクトリー』の内容案内が届いた。沖田氏は、千葉県の古書店鷹山堂の店主で『植民地時代の古本屋たち 樺太・朝鮮・台湾・満州・中華民国ーー空白の庶民史』(寿郎社、2007年)の著者でもあ…

小谷野敦『このミステリーがひどい!』に「SF「小説」は必要なのか?」と。

先日猫猫先生こと小谷野敦氏から『このミステリーがひどい!』(飛鳥新社、2015年8月)をお贈りいただきました。大変遅くなりましたが、ありがとうございました。 第五章が「SF「小説」は必要なのか?」で、前々からの小谷野氏の持論である。映像が小説を超…

『服をめぐる』創刊号(京都服飾文化研究財団、2015年7月)に藤野可織さんのSF「ニュー・クリノリン・ジェネレーション」

京都国立近代美術館に置いてあった『服をめぐる』。京都服飾文化研究財団が創刊した年3回発行12頁の広報誌。巻頭に藤野可織「ニュー・クリノリン・ジェネレーション」が。クリノリンは、19世紀中頃考案された下着の一種で、くじらのひげや針金をフープ状に加…

生誕150年記念展Baron住友春翠ーー邸宅美術館の夢ーー

泉屋博古館で10月12日まで開催中。大阪図書館(現大阪府立中之島図書館)を建設して寄付した人。 展示の構成は、 1ー1 須磨別邸の概要ーー須磨にすまう 1ー2 須磨別邸と建築家野口孫市 1ー3 須磨別邸の室内装飾 2 西洋美術への眼差し 3 内国勧業博覧…

古書ますく堂で南陀楼綾繁+枕屋春水『日記日和』(物数奇工房、1998年12月)

誰ぞこと書物蔵氏の車に乗せてもらい、西池袋の古書ますく堂へ。大阪の本おや(本は人生のおやつです!!)の坂上友紀さんからお噂を聞いていたので、行きたかった店である。地図は調べてあったが、一人では迷っていたかもしれない。本の本が多く、その中から…

ヨゾラ舎で『本の装幀展示会目録』(国立国会図書館、昭和53年2月)

市内のヨゾラ舎で購入。昭和53年2月16日から25日まで国立国会図書館で開催された展示会の目録。展示品は同図書館所蔵本を中心としたが、成田図書館や日本近代文学館などの機関に協力を得たほか、次の個人からも提供を受けた。 芹沢けい介、今岡規恵、福田清…

『たのやく』2015年9月号(たのやく出版)特集「珍書がアツイ」

泊まった東横インでもらった客室専用誌。「複数の出版社と連係し、各雑誌・書籍からの転載記事を主体に構成」した「ホテル宿泊者向けコラボレーション情報誌」とのこと。『九州の巨人!巨木!!と巨大仏!!!』、『珍名いきもの124』『日本懐かしアイス大全』など…

青柳秀雄旧蔵『思遠会会報』創刊号(思遠会、昭和10年4月)

趣味展の扶桑書房出品500円で『思遠会会報』創刊号昭和10年12月ー8号11年7月を。「青柳文庫」の印にビビビときたオタどん。ビニール袋に封がしてあって中の確認ができなかったが、郷土資料で青柳ときたら、誰ぞが調べておった青柳秀雄ではないかと買ってみた…

『普及』創刊号(日本謄写印刷普及会、昭和22年6月)

大阪古書会館で唯書房出品500円。目次は、 発刊の辞 後藤治郎 発刊を祝す 萬年孝成 日常謄写版常識について(遺稿) 五十里岱三 墨拓荘を訪ねて 中林清二 今日の課題 吉川清太郎 謄写談義 細田克兵 孔版の道 安達友治 五十里の想ひ出 鯉池定二 山陰だより S…

『心霊研究』創刊号(心霊科学研究会、大正12年7月)と『心霊界』創刊号(輝文館、大正13年2月)

下鴨古本まつりの吉岡書店の最終日半額セールで各2000円。『心霊研究』創刊号の目次は、 趣意書ーー心霊科学研究会設立に就きて 右英文 巻頭言 心霊学の立脚地ーー心霊講座(その一)ーー 中野馨透視及自働書記実験録 腰山金雄 中野馨少年の実験会に臨みて …

『謄写版の冒険 卓上印刷器からはじまったアート』(和歌山県立近代美術館、2013年2月)

名古屋の山星書店で540円。和歌山県立近代美術館で2013年2月9日から3月24日まで開催された展覧会の図録。観覧者には無料で配布されたが、私が会期末に行った時にはもう品切れであった。目次は、 はじめにーー記憶と「歴史」に映る謄写版の面影 熊田司 図版 1…

中村浩『野次馬放談』(高風館、昭和30年12月)の「千里眼」

Z書店の均一台で100円。「学者知遇記」に柳田国男登場。 柳田国男先生とはある会合のとき、自動車に同乗して以来、ときどき訪れるようになった。この先生は、わたしの祖父、父とも交流があった人で、わたしで三代目である。気むづかしい老人だが、研究慾は青…

金子明雄「「風俗壊乱」へのまなざしーー日露戦後期のをめぐって」『検閲の帝国』

紅野謙介・高榮蘭・鄭根埴・韓基亨・李惠鈴編『検閲の帝国 文化の統制と再生産』(新曜社、2014年8月)の金子明雄論文の冒頭。 日本における出版統制や検閲についての研究をふり返るとき、その情報集積の基軸を担ってきたのが、いずれも印刷物の蒐集に常人に…

下田光造『下田精神鑑定集』(鳥城会、昭和48年12月)

南部古書会館で月の輪書林出品1000円(ガレージで売ってた割には高い)。序文によると、「主として余が大正より昭和初期に亘り九州帝国大学医学部精神病学教室に教授として勤務していた期間中、裁判所から委嘱された精神鑑定三十四例を集録したもの」。また…

『落札価格年報昭和四十三年度』(明治古典会、昭和43年4月)

「daily-sumus2」で昭和四十一年版を紹介しておられたので、わすは四十三年版を。名古屋の山星書店で購入。限定300部の内141番。旧蔵者は、大國至宏。「巻頭のことば」によると、「昭和四十二年中に、明治古典会の入札会で落札された古書及び古本の落札価を…

『日本近代文学館』266号(日本近代文学館、2015年7月)の山尾悠子「マルセル・シュオッブ全集のこと」

『日本近代文学館』で山尾悠子さんの「マルセル・シュオッブ全集のこと」を読む。国書刊行会の同全集の担当者I氏とは30年以上前に同社の仏蘭西世紀末文学叢書の『黄金仮面の王』の月報に氏の依頼で一文を寄せてからのつきあいだという。 この度の全集刊行で…

『日本書票協会通信』82号別冊「日本の書票集書目 大正11年ー昭和60年」(日本書票協会、昭和61年1月)

アスタルテ書房の閉店半額セールで150円。巻頭に吾八書房社長今村喬「戦前の蔵書票界の事始め」。 大正十一年、失敗に終わった香取緑波氏の蔵票同好会の後を継ぐようなかたちで日本蔵票会が東京で発足した。これは我楽他宗を母体にしたもので、滝島余加乱、…

『鬼ケ島通信』48号(鬼ケ島通信社、2006年12月)特集「マンガと児童文学」

大阪の「本は人生のおやつです!!」で購入。「マンガと児童文学」特集で、佐藤さとる氏と山中恒氏の対談「マンガが宝物だった!」や、巻頭の萩尾望都「子どもの頃の読書体験から」などを掲載。萩尾氏は、子どもの頃にどんな本を読んでいたかという質問に、 『…

『音読』3号(2011年3月)「ほんやら洞」特集

「おとよみ」と読む14頁のフリペ。アスタルテ書房の閉店半額セールで50円。ほんやら洞店主の甲斐扶佐義氏や詩の朗読会の主催者だった片桐ユズルさんへのインタビュー、国分寺ほんやら洞と西陣ほんやら洞の紹介あり。今出川寺町のほんやら洞は、今年1月焼けて…

『月刊島民中之島』82号(2015年5月)特集「中之島図書館はすごかった。」

京阪電車主要駅や書店などにおいてあるフリペ。東京では、往来堂書店、BOOKSルーエなどにもあるらしい。この号は、4月にリニューアルオープンした中之島図書館の特集。ビジネス支援課司書の小笠原弘之氏と大阪資料古典籍課司書の灘井雅人氏がインタビューに…

かわじもとたか『序文検索2箇目 序文跋文あれこれ』にオタどんと書物蔵さん

杉並けやき出版から昨年7月に刊行された本書に、わすが登場。 一つ目は見出しにも出てくる。 48.生方敏郎(「神保町系オタオタ日記」にみる)。 さて生方敏郎だが、ネット検索していたら、またまたブログで「神保町系オタオタ日記」に遭遇した。そしてここに…

日本古書通信社編集部編『改訂基本図書時価便覧』(日本古書通信社、昭和27年11月初版・28年10月2版)

ツイン21で、古書あじあ號出品の800円。46頁の小冊子。「まえがき」によれば、 図書館や学校で図書購入の予算を編成する時、業者が古本相場を調べる時の参考のために、編集部において図書の選択、分類をなし更に各専門店の意見を聞いて検討してこゝに発表し…

板垣芳男『業』(板垣芳男発行・厚生閣書店発売、昭和7年9月)

8月9日に閉店した水明洞の半額セールで裸本500円。堀口九萬一宛献呈署名入。板垣の第二詩集かつ最後の詩集だという。堀口大學に献呈するのなら分かるが、父親の九萬一とも交流があったのだろうか。室生犀星の序によれば、 板垣君と僕とは十四五年来の友人で…

『松竹座ニュース』29号(松竹座、昭和13年7月?)の「血の敵」と「ゾロツク」

六甲の口笛文庫で拾う。映画には興味がないけど、めくって見たら、「性病映画と講演の会/主催・保健衛生キネマ協会」の見出しがあったので購入。「血の敵」という製作独逸プレゼンス・フヰルム社、監督ワルター・ルツトマンの映画の宣伝で、日本語版には高…

桃源社営業通信特別号『桃源』8号、1968

アスタルテ書房の閉店半額セールで2500円(;´∀`) ちなみに閉店時期は未定で、もうしばらくはセールがあるらしいが、油断してると突然閉店になってるかもしれないので、まだ行ってない人はお早めに。 16頁の小冊子にしては、値段は高めだが、誰ぞが「『桃源…

鹿島茂「神田神保町書肆街考」にオタオタ日記

いささか古いネタではあるが、『ちくま』2月号の鹿島茂「神田神保町書肆街考56」に拙ブログが引用されました。 ここまで書かれれば、九十年近く経過した今でも、舞踏家としての田沢千代子さんがその後どうなったか気になるところである。そこでネット検索を…