神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

板垣芳男『業』(板垣芳男発行・厚生閣書店発売、昭和7年9月)

8月9日に閉店した水明洞の半額セールで裸本500円。堀口九萬一宛献呈署名入。板垣の第二詩集かつ最後の詩集だという。堀口大學に献呈するのなら分かるが、父親の九萬一とも交流があったのだろうか。室生犀星の序によれば、

板垣君と僕とは十四五年来の友人であるが、彼は山形の田舎に引籠つてゐて十年目にこの『業』をもたらした。

また、「巻尾に」には、
・本書は大正11年より昭和4年までの作品から編集したこと
昭和5年以後の作品は未だ決定稿として出すには堪えないこと
・本書出版に世話をされた室生、百田宗治に深甚なる感謝の意を表すこと
が記されている。装幀も室生。「業」は「KARMA」と読む。
私が入手したのは、限定200部の内21番。駒場山形県立、横浜市中央図書館が所蔵しているが、献呈先は誰だろう。
「日本の古本屋」では、あきつ書店が函(地欠)付きで41040円。