神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

青柳秀雄旧蔵『思遠会会報』創刊号(思遠会、昭和10年4月)

趣味展の扶桑書房出品500円で『思遠会会報』創刊号昭和10年12月ー8号11年7月を。「青柳文庫」の印にビビビときたオタどん。ビニール袋に封がしてあって中の確認ができなかったが、郷土資料で青柳ときたら、誰ぞが調べておった青柳秀雄ではないかと買ってみた。そしたら、5号11年4月に、同会に手紙を寄せた人の氏名を記して謝意を述べている欄があって、「新潟県小木町 佐渡研究会青柳秀夫[ママ]*1氏」 とあり、そこだけに波線が引かれていた。また、よく視ると創刊号の表紙に多分「佐渡研究 御吹聴を乞」と書いてある。「『佐渡研究』で「思遠会」について吹聴してください」という意味だろうか。どうやら青柳秀雄旧蔵の可能性が高い。思遠会は、「在京青森県出身者及び、本会の主旨に賛同せられたる有志を以て組織」されたもので、第一回研究会の出席者は、長谷川進、濱館貞吉、木村捨三、竹内運平、岡本成雄、森山泰太郎で、中道等が欠席。佐渡民俗研究会の青柳も郷土史家として交流があったのだろう。本誌は、青森県立図書館も8号までしか所蔵してないので、これで揃いかもしれない。ちなみに、執筆者には山形県出身の国分剛二(「慶應義塾図書館の国分剛二と森銑三」参照)の名もある。

*1:書物蔵氏によると、青柳秀雄と青柳秀夫を使い分けていたらしい。