神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

小谷野敦『このミステリーがひどい!』に「SF「小説」は必要なのか?」と。

先日猫猫先生こと小谷野敦氏から『このミステリーがひどい!』(飛鳥新社、2015年8月)をお贈りいただきました。大変遅くなりましたが、ありがとうございました。
第五章が「SF「小説」は必要なのか?」で、前々からの小谷野氏の持論である。映像が小説を超えた現在、SF小説は存在意義があるのか、というもの。まあ一理はあって、かつてペリー・ローダン・ファンクラブに所属した私でも、スペースオペラは、もはや映像作品があればいいのではないか、という部分はつい同感してしまう。しかし、SF小説全般に拡大されるとどうかとも思う。いくら映像で何でもかんでも観ることが可能になっても、ポルノ小説の一定の人気はなくならないのと同様、SFを活字で読む面白さは別にあるのだろう。
さて、猫猫先生J・G・バラードの『沈んだ世界』なんぞを50頁ほど読んで、ダメだとやめたのは正解として、「半村良もダメである」とは残念である。かつての半村ファンとしては、25冊位読んでから判断してほしいものである(^o^;)
もっとも、『産霊山秘録』について「偽史的なものへの興味がない」とあるので、『石の血脈』や『妖星伝』あたりの伝奇SFを読んでも結局ダメかもしれない。しかし、半村が編集委員の一人を務めた国枝史郎伝奇文庫を五冊買ったこともあるという小谷野氏、半村SFをもうちょっと読んでほしいものである。

このミステリーがひどい!

このミステリーがひどい!