神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

2026-01-01から1年間の記事一覧

地理学者で大阪外国語学校初代学校長の中目覺宛絵葉書ーマヤルカ古書店からー

今日(8月31日)で阪神古書ノ市が終了。私は、初日(8月26日)のんびりと1時間遅れの大名出勤?でした。マヤルカ古書店が絵葉書を出していたが、2人張り付いていたので見られなかった。そこで、今回は藤井大丸の最後の古本市でマヤルカ古書店から入手した絵葉書…

貸本仕様の講談本の魅力ー大阪公立大学奥野久美子教授の講演を聴いてー

先日は、大阪公立大学森之宮キャンパスまで講演会「都市大阪の豊かな歴史像の再構成を目指して」を聴きに。前半の岸本直文「大阪歴史文化研究の拠点構想」と奥野久美子「四台目旭堂南陵氏旧蔵の講談本の寄託について」を拝聴。寺田先生やヲガクズさんもおられたら…

萩原朔太郎は群馬県人会に出席したかー『群馬』昭和15年2月号(群馬県人社)を読むー

手元に『群馬』第7年第2号(群馬県人社、昭和15年2月)がある。どこで買ったかは、不明。朔太郎通信さん(@Sakutaro1917)にウケるネタがあるかもと買ったようだ。題字は小室翠雲、表紙絵は横堀角次郎、編輯兼発行印刷人は高田せい*1。目次を挙げておく。 東京に…

『井上円了センター年報』第34号(東洋大学井上円了哲学センター)に神保町のオタ

今年も「神保町のオタ」に言及する紀要類がありました。『井上円了センター年報』第34号(東洋大学井上円了哲学センター、令和8年3月)の石井慶太「境野黄洋が書き込んだとされる『仏教統一論第一編大綱論』解題と翻刻」である*1。拙ブログ「第4代東洋大学学長境野…

「日本の古本屋」の底力ーー長谷川匡俊『反骨の新聞人長谷川善治』(大空社出版)を読むーー

長谷川匡俊『反骨の新聞人長谷川善治:昭和初年『萬朝報』での言説と行動』(大空社出版、令和7年8月)に面白い記述。善治は、大正5年の出獄後生活のため秘蔵の書籍を背負い大道で古本の夜店を開いた。売れた金で書店から月遅れ雑誌や予約出版の古い本を仕入れ…

幸野楳嶺門下の鵜飼豊三郎と投稿雑誌『明進新誌』

今朝のNHKラジオ「著者からの手紙」に『伝説の出版社博文館』(筑摩書房、令和8年3月)の著者堀啓子氏が出ていた。聞き逃し配信は、「プレーヤー | NHK ONE らじる★らじる」。同書を見てみると、25・26頁に後に博文館を創業する大橋佐平が長岡で創刊した『北越雑誌…

脇清吉のワキヤ書房に通っていたグラフィックデザイナー金野弘の展覧会

ランキング参加中京都 6月26日の京都新聞に京都工芸繊維大学美術工芸資料館で開催中の「旅するこころをのせた金野弘の観光ポスター」の紹介記事(田中恒輝記者)。7月11日まで開催で、私も既に観ている。金野弘と言っても記憶に無かったが、拙ブログ「『京都吉田…

俳人鈴鹿野風呂が見たオキュパイド・ジャパンの京都占領軍

ランキング参加中京都 高知県の本山町立大原富枝文学館で、「弾圧された俳人たちー暮石ゆかりの五人展ー」~7月26日が開催中。昭和15年の『京大俳句』弾圧以降の新興俳句弾圧事件に光を当てた展示である。これで5月30日の京都新聞で樺山聡記者による鈴鹿野風呂…

[トンデモ]藤澤親雄と刎頸の友だった日独同志会理事長松本德明

藤澤親雄や黒田禮二が参加した日独同志会の理事長だった松本德明という注目すべき仏教者がいる。私が松本の名前を知ったのは、小見山登編『創造的日本学:藤沢親雄遺稿 附諸家追悼・随想録』(日本文化連合会、昭和39年2月)の松本「親友藤沢親雄君」だった。そ…

大淵小華主宰の仏教児童雑誌『日曜学校』(法藏館)

手元に法藏館の社史『仏教書出版三六〇年』(法蔵館、昭和53年11月)がある。自分で買ったわけではなく、川島昭夫先生の遺品からいただいた物である。巻末に「出版総目録」(嘉永7年~昭和53年)のほか、「広告掲載書目」「全集・叢書一覧」「刊行雑誌目録」がついていて…

昭和12年大阪みやげ品展覧会に協力した蒐集家たち

みやこめっせの古本まつりでは、竹岡書店から『大阪みやげ品展覧会出品一覧』を購入。昭和12年10月1日~7日心斎橋そごうで開催された展覧会への出品リストである。主催は、大阪市と大阪土産品協会である。出品は、「今のみやげ品/明日のみやげ品」(食料品之部…

占領期に獄中の京大生小野君が観た五色園少女歌劇団

戦後の日記は、原則として読まないことにしている。しかし、小野信爾著、宇野田尚哉・西川祐子・西山伸・小野和子・小野潤子編『京大生小野君の占領期獄中日記』(京都大学学術出版会、平成30年2月)は、何かの参考文献に挙がっていたのと占領期は戦前・戦時…

『イエーZINE』第2号に「南木芳太郎邸で発行された市川新升のファン雑誌『廿日艸』」を執筆

ランキング参加中舞台(演劇、オペラ、ミュージカル、ダンス、伝統芸能など) 狂言屋発行の『イエーZINE 』第2号(令和8年5月)に、「南木芳太郎邸で発行された市川新升のファン雑誌『廿日艸』」を寄稿しました。大阪古書会館の「たにまち月いち古書即売会…

矢崎千代二の金曜談話会における談話が載る『大阪ユーラン新聞』とは:伊達俊光とパステル画家矢崎千代二

伊達俊光らが開催した金曜談話会については、「伊達俊光の金曜倶楽部とオカルティスト達ー福来友吉・浅野和三郎・関昌祐・間部詮信らー - 神保町系オタオタ日記」で紹介したところである。この金曜談話会をどこかで見た覚えがあると思ったら、「パステル画家…

『高楠順次郞と近代日本』(吉川弘文館)の真名子晃征「雑誌『現代仏教』に見る高楠順次郞の交友関係」への補足

武蔵野大学高楠順次郞研究会編『高楠順次郞と近代日本』(吉川弘文館、令和6年11月)の石上和敬「序文」によると、高楠の日記が公刊予定とのこと。 (略)筆者からは、近々公刊予定の「高楠日記」を是非、ご一読されることをお勧めする。同日記は、大正九年…

伊達俊光の金曜倶楽部とオカルティスト達ー福来友吉・浅野和三郎・関昌祐・間部詮信らー

吉永進一さんが亡くなられて今月31日で4年ですね。吉永師匠に頼まれた霊術家関昌祐に関する拙稿が載る栗田英彦編『「日本心霊学会」研究:霊術団体から学術への道』(人文書院、令和4年10月)*1が生前に間に合わなかったのは、残念ではある。しかし、日本…

大阪古書会館で小磯良平装幀の『金曜』創刊号(へちま文庫)を

毎月大阪古書会館で開催される「たにまち月いち古書即売会」に行ってます。ここでは開場前から並ぶ古本猛者の多くは、矢野書房が出品する文学書の棚を目指す。しかし、私は先ず古本横丁の和本400円台から廻っている。 ところが、今月の即売会では古本横丁は…

北村兼子と池田威を繋ぐ関西文壇ネットワークと道頓堀詩人

古本同人誌『BORO』同人誌特集(林大地・巽香連)が刊行された。林大地「片隅詩人の記録(一):伊藤杜詩夫ーもうひとりの大阪道頓堀詩人」を拝読。詩人・画家の伊藤を扱うことは事前に聞いていた。しかし、さっぱりお役に立てなかった。 林氏の調査によ…

戦時下に南木芳太郎の動向を伝える牧村史陽日記はどこに?

2月15日京都市立芸術大学で日本伝統音楽研究センター細川周平所長退任記念シンポジウム「細かさの偉大さ 近代芸能史研究家倉田喜弘の仕事」が開催された。そのうち、土田牧子「川上音二郎の表象ー倉田以前・倉田以後ー」が、倉田以前の音二郎についての研究…

北村兼子のスキャンダルと池田威の『文藝新報』(大正15年12月創刊)

pieinthesky氏が旧Twitterで北村兼子「國際スパイの女」が載る『關西文藝』第5巻第12号(關西文藝協会、昭和4年12月)を挙げていた。この大正14年3月に創刊された雑誌については、浦西和彦・増田周子・荒井真理亜『大阪文藝雑誌総覧』(和泉書院、平成25…

知られざる小早川秋聲初期の作品、村上俊吉『回顧』(警醒社書店、大正元年)の挿絵

ランキング参加中展覧会、美術展、画集、写真集などの紹介 勝尾金弥『『七一雑報』を創ったひとたち:日本で最初の週刊キリスト教新聞発行の顛末』(創元社、平成24年11月)。これは、近く発行される『近代出版研究』第5号(皓星社発売)に明治期のとある雑…

明治26年岸和田で演説する英人フォンデスー南日根郡婦人教育会の活動ー

日記、特に近代の日記を読むのが好きである。ただ、幕末~明治20年代の日記は私向きの人物がまだ活躍することが少ないためか面白い日記が少ない気がする。そのため明治30年代以降の日記を選んで読む場合が多い。しかし、先日書物蔵さんと待ち合わせをした大…

江馬務の妹としての書家・熊谷恒子ー熊谷恒子記念館で講座「熊谷恒子と江馬家 風俗史家の兄・務の追想」開催ー

フライヤーを整理していたら、大田区立熊谷恒子記念館「熊谷恒子と『万葉集』ー晩年までの荘重な書ー」~4月5日が出てきた。熊谷恒子と言っても未知の人だが、裏面の関連イベントを見て驚いた。 第4回記念館講座 「熊谷恒子と江馬家 風俗史家の兄・務の追…

クィアの美術館細辻伊兵衞美術館に残る岩井藍水らの講演集

永樂屋創業410周年記念特別展「私は昔『モモタロウ』と云われてました展」を観てきた。1月28日までで、既に終了しています。驚いたことに、「創業410周年の永楽屋細辻伊兵衛商店と十二世芭蕉堂こと岩井藍水 - 神保町系オタオタ日記」で言及した細辻伊兵衞商…

『上方』(昭和6年1月創刊)の南木芳太郎と『雑草苑』(大正15年2月創刊)の池田威

南木芳太郎と旧大川町遊歩道の「やなぎん」への愛に溢れたヲガクズ『大川町の柳は大大阪の夢を見るか?』。わしもあらためて、『南木芳太郎日記一』(大阪市史料調査会、平成21年12月)や『南木芳太郎日記三』(大阪市史料調査会、平成26年8月)を読んでい…

『催眠術自在』(大学館、明治36年)の竹内楠三と神道雑誌『皇道』(済美館)

3年前に栗田英彦先生から伊藤聡・斎藤英喜編『神道の近代:アクチュアリティを問う』(勉誠社、令和5年3月)を頂きました。ありがとうございます。栗田「明治二十年代の神道改革と催眠術・心霊研究ーー近藤嘉三の魔術論を中心に」掲載。楽しく拝読しまし…

北村兼子と池田威の『雑草苑』の時代ー北村兼子の関西大学特別卒業を祝してー

遅ればせながら、昨年2月に北村兼子(1903-1931)への特別卒業証書贈呈式が開催されたことを知った。北村は関西大学初の女子学生だが、聴講生だったため大正期当時は卒業扱いできなかった。しかし、今回特別卒業扱いとなったのである。詳しくは、「故・北村…

野間光辰が顧問を務めた京大歌舞伎研究会の『おほむかふ』創刊号(昭和37年)

先日、旧Twitterで慶應義塾大学歌舞伎研究会創立百周年記念『「浅黄幕」(第二次)「三田歌舞伎研究」復刻版』のポストが流れてきた。これで思い出したのが、昨年10月末臨川書店の古書バーゲンで買った『おほむかふ』創刊号(京大歌舞伎研究会、昭和37年3月…

南木芳太郎はヲガクズ『大川町の柳は大大阪の夢を見るか?』の完結を夢見るか?

ヲガクズさん(@wogakuzu)から『大川町の柳は大大阪の夢を見るか?』を御恵与いただきました。ありがとうございます。2024年に旧Twitterで公開した分を加筆・モノクロ化し、関係する絵葉書・写真を収録した増補版である。ヲガクズさん推しの筆頭である南木…