神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

2007-03-01から1ヶ月間の記事一覧

 昭和7年11月白木屋の古書展に集まった書痴

昭和7年11月開催の白木屋の古書展について、幾つかの日記で言及されている。 坪内逍遥の日記には 昭和7年11月21日 午前 石野やゝ快方にて来、浅草より日本橋白木屋古書展行 昭和7年11月22日 十一時 おくに同伴おせきと三越行、買物、主としておくにの物、…

なぜか朝日書店にトチゲキ

古書展も神保町も行かずになぜか、朝日書店をのぞく(30日)オタどんであった。 確かに門前仲町の駅の2番出口から右手に20秒ほど。方向音痴のわしでも迷いようがない。 新刊書店みたいな雰囲気(実際にも、新刊雑誌を少し販売している)。 ずっと前に誰ぞが…

某所で甘酒をいただいた上に、『未来』もゲット!

某交差点をフラフラしてる(31日)と甘酒が出てきた。某書店では『未来』4月号をゲット。「出雲から早稲田へ、早稲田から「路上」へ」(昨年、東京堂書店で開催された南陀楼綾繁・向井透史による対談)を読めた。「驚愕の事実」の謎がようやく判明した。 東…

宮本常一が書きたかった小説

「常一略年譜」(『父母の記/自伝抄』、未来社、2002年9月)によると、 一八歳 大正十三年 (略) しかし本だけはたえずよんだ。(略)本は主として中学教科書だったが、矢野のおばあさんの息子が家へ少々本をおいて行ったので(略)それをかりてよんだ。 『…

国家主義者赤神良譲と藤澤親雄(その3)

「大日本興亜同盟」とは、堀幸雄『最新右翼辞典』(柏書房、2006年11月)によると、 大政翼賛会は一九四一年(昭和一六)一月一四日の閣議決定に基づき、革新団体の統合を目指し四一年七月六日日比谷公会堂で大日本興亜同盟の結成大会を行った。加盟五三団体…

藤澤親雄の大陸進出

藤澤親雄の大陸での活動は謎であるが、多少その姿が見えてきた。 『全国国家主義団体一覧 昭和16年10月現在』の「日本国家学会」に関する記述に藤澤の名前が見られた。 日本国家学会 麻布区新竜土町一二 新民会内 創立 昭和十三年五月二日 性格 藤澤親雄ヲ指…

 プラトン社の根本茂太郎

プラトン社々員の根本茂太郎については、昨年8月23日に紹介したように坪内逍遥の日記に登場する。その他、泉鏡花の「玉造日記」(大阪朝日新聞大正13年7月21日〜9月6日)にも「丸の内ビルヂングに室のある、女性、苦楽の発行所、プラトン社の東京支社なる根…

九段下でオタオタする

なぜか、九段下の昭和館に失言、じゃない、出現。桜につられたか・・・ 「手塚治虫の漫画の原点」展を見る。タンクタンクローや冒険ダン吉のメンコまで展示されてるね。「なつかしー」、て、わしは幾つやねん。誰ぞとさほど齢は離れていないはずだが(汗 昭…

諸岡存博士の公職追放

高村智恵子の診察を行った諸岡存博士。東洋精神研究所の理事長だった他に、昭和19年10月21日に大直会なる反ユダヤ主義団体の創設者だったことは判明していた。公職追放について調べてみると、「大直会主幹者皇国運動同盟理事」を理由として該当者であった。…

ショートショートの神様、星新一創作の秘密

読売新聞によると、 生涯1000編以上のショートショートを執筆したSF作家、星新一さん(1926〜97年)の作品の下書きや着想メモが大量に見つかった。 「ボッコちゃん」など代表作の制作過程が解明できる貴重な資料で、今日28日発売されるノンフ…

国家主義者赤神良譲と藤澤親雄(その2)

総理庁官房監査課編『公職追放に関する覚書該当者名簿』(日比谷政経会、昭和24年)には、赤神の該当事項として 赤神良譲 大東亜青年同盟顧問 東京 赤神良譲 右翼主義的国家主義的活動か著しかつた 埼玉 とあるが、どちらも明治大学の赤神と見てよいだろう。…

『近代日本社会学者小伝』を見る

『近代日本社会学者小伝−書誌的考察−』(勁草書房、1998年12月)には、こんな人まで収録されていると驚かされる。若宮卯之助、新明正道は挙がっていていいのだろうけれど、元良勇次郎、坪井正五郎、建部遯吾、小野秀雄、河村只雄、高群逸枝、きだみのる、古…

国家主義者赤神良譲と藤澤親雄

建部遯吾は政治学者、樺俊雄は哲学者、安田三郎は民俗学者かと思ってた(汗 それはさておき、『近代日本社会学者小伝−書誌的考察−』で「環境社会学の幻の創始者」とされた赤神良譲(あかがみよしつぐ。1892−1953)。 坪内祐三『三茶日記』(本の雑誌社、2001…

馬場孤蝶の泊鴎会

『近代文学研究叢書』第46巻中の「馬場孤蝶」によると、 この時期に泊翁[ママ]会が結成された。孤蝶を中心として文学について語り合う会で、昭和十五年に彼が亡くなるまでの二十年間続けられた。もともと田中貢太郎を中心とする石蕗会が母胎であったが、一時…

生方敏郎と津田塾大学初代学長星野あいは従兄妹か?

確証がないが、生方敏郎と女子英学塾第二代塾長・津田塾大学初代学長だった星野あいは、どうも従兄妹だったのではないかと思われる。本当にそうかなあ。 追記:生方は、星野光多・あいのいとこであることは確認できた。

慶應義塾図書館の国分剛二と三田村鳶魚

2月22日に言及した慶應義塾図書館員国分剛二が、三田村鳶魚の日記*1に登場していた。同図書館の井上芳郎が柳田國男の『炭焼日記』に出てくることは9月21日に紹介したけれど、こういう著名でない図書館員の名前を見つけて記録しておくのも何か意味があるかも…

何と、貴司山治の展覧会が開催されていたよ

小谷野敦『間宮林蔵の虚実』(教育出版、1998年10月)にも次のように出てくる貴司山治。 昭和十一年五月に、新築地劇団十周年を記念公演として「洋学年代記」という芝居が上演されている。これが実はシーボルト事件と間宮林蔵を扱っているのだ。作者は貴司山…

永代静雄の鳩事報国

書物奉行氏が「文献報国」とすれば、黒岩さんは「鳩事報国」というべきか。 「鳩事報国」って、「オタさんの造語か?」って・・・ 戦前そういう言葉があったみたいなのだ。『戦時下日本文化団体事典』第3巻(大空社、1970年7月。底本:『日本文化団体年鑑 …

東大ブームに便乗

書店で黒咲藍『東京大学みず物語 キャバ嬢の仁義なき戦い』(グラフ社)なる本を見かける。これも東大ブームの一環か。東大生が何をしても、もはや驚かないので、どうせなら御茶の水の子の方がごろが合ったかも。 現役の東大総長も便乗して本を出したみたい…

渡辺千萬子『落花流水』の近刊

4月10日に岩波書店から、渡辺千萬子『落花流水 谷崎潤一郎と祖父関雪の思い出』が刊行されるみたい。「6年前に刊行されて話題になった『谷崎潤一郎=渡辺千萬子往復書簡』に収録されなかった谷崎潤一郎宛書簡21通を収録する予定です」という。まだ、未収…

中谷徳太郎と「ハッピ会」

中谷徳太郎に関心を持っていそうな人を見つけた。紅野敏郎(こうのとしろう)だ。 『遺稿集連鎖−近代文学側面誌−』*1所収の「中谷徳太郎『孔雀夫人』『三人の女に』」によると、 『孔雀夫人』につづき中谷徳太郎にもう一冊没後の本がある。これも遺稿集とい…

あれこれ立ち読みす

「×眼」の上に「乱視」もある。橘右橘『図説江戸文字入門』(河出書房新社)が「江戸文学」と読めてしもうた。 光人社NF文庫の秋本実『日本飛行船物語』は文庫本書下ろし。内容は、わしの好みに合いそう。 新潮社から30日発売予定の最相葉月『星新一 一〇…

『WASEDA BUNGAKU』9号を読む

『WASEDA BUNGAKU』9号の連載インタヴュー「作家の背骨−重松清の部屋」⑨で中森明夫が次のように語っている。 それで思い出したのが、「彷書月刊」で連載してるnanakikaeっていう広島の女子高生。岡本かの子の「呼ばれし乙女」を模擬試験で読んで感動して、…

生方敏郎が「新潮社を訴へてやる!」

生方敏郎の略年譜をシコシコ作りかけるも、各種の日記で見つけた記述をどこまで盛り込むか、悩むところ。 鴎外の日記によれば、生方は鴎外と少なくとも4回会っているが、略年譜では全部書くのもどうか。次のような興味深い記述もあった。 明治43年1月31日 …

皇戦会設立者の一人、鈴木寿雅の書いた記事

昭和13年に仲小路彰、高嶋辰彦らと皇戦会を結成したとされる、鈴木寿雅。 「皓星社雑誌記事索引」で検索した結果、判明した執筆記事は、 『回天時報』*1(回天時報社) 「在満機構改組問題雑感」(昭和9年11月) 「農村対策の思想的考察(一)」(昭和9年12…

武侠社の弥吉三光

三田村鳶魚の日記*1で、武侠社社員弥吉三光(弥吉光長の弟)に出会えた。 昭和6年11月16日 ○犯罪科学、弥吉三光。 昭和6年7月1日 武侠社へ。 昭和6年8月22日 ○犯罪科学校正届く、直に加筆、返送。 昭和6年10月25日 ○犯罪科学、校正、先方より取り来る。 昭和…

軍用鳩委員部の鳩中尉と三田村鳶魚

久しぶりに伝書鳩ネタが提供できる! 三田村鳶魚の日記(『三田村鳶魚全集』第25巻・第26巻)で、「軍用鳩委員部」なる言葉に出会った。 大正9年4月26日 山田益次氏、鳩中尉。 大正10年3月21日 ○井崎中尉新妻を挈へて来る。 大正11年1月1日 井崎於菟彦(中略…

生方敏郎略年譜(未定稿)

明治15年 8月24日 群馬県沼田町に生まれる。明治25年12月25日 父幸助を亡くす。明治32年 上京。明治学院普通部入学明治35年 明治学院普通部卒。早稲田大学英文科入学。秋田雨雀、片上伸、会津八一、相馬御風、楠山正雄、白柳武司が同級生。在学中、会津八一…

プラトン社の『苦楽』創刊

「daily-sumus」によると、 アトリエ箱庭の主催で下記のような催しを行います。ぜひご参加ください。◉ プラトン社 大大阪のモダニズム出版社 ◎講 師=小野高裕(プラトン社コレクター)、林 哲夫(画家、装丁家) ◎と き=4月7日(土) 午後7時15分〜 …

求む、生方敏郎の詳細年譜

生方敏郎については、秋田雨雀、坪内逍遥、岩野泡鳴などの日記を読んで、色々ネタがあるものの、詳細な年譜がないとその位置づけができない。誰か作って!? 例えば、次のような興味深い記述がある。 まずは、岩野泡鳴の日記*1から。 大正2年10月13日 博文館…