神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

国家主義者赤神良譲と藤澤親雄(その3)


「大日本興亜同盟」とは、堀幸雄『最新右翼辞典』(柏書房、2006年11月)によると、

大政翼賛会は一九四一年(昭和一六)一月一四日の閣議決定に基づき、革新団体の統合を目指し四一年七月六日日比谷公会堂で大日本興亜同盟の結成大会を行った。加盟五三団体、政府から東条英機陸相、翼賛会から柳川平助副総裁、永井柳太郎東亜局長らが出席した。国防国家建設のための各種統制の一環であり、これによって革新文化団体をも強制的に統制しようとしたもの。


当日決定された役員を見ると、
総裁:近衛文麿
顧問:一条実孝、頭山満荒木貞夫、柳川平助、伍堂卓雄ら
総務委員:山岡萬之助ら
協議会議員:鵜澤總明ら
理事長:永井柳太郎
常務理事:松本徳明、藤澤親雄、頭山秀三ら
理事:児玉誉士夫、赤神良譲、諸岡存ら


加盟団体としては、東洋精神研究会(理事長:諸岡存)、大日本同志会(理事長:松本徳明)、大日本経国連盟(総裁:一条実孝)、大東文化協会(会頭:松平頼寿)、日本大学興亜研究所(総裁:山岡萬之介)、興亜青年運動本部(代表者:児玉誉士夫)、黒竜会(会長:葛生能久)のほか、東方文化学院、東方文化研究所、東亜同文会、東亜研究所、太平洋協会なども参加している。「バスに乗り遅れるな」とばかり参加してようだ。諸岡や児玉が参加団体の代表として、大日本興亜同盟の役員入りししているのはわかるが、赤神はどのような立場で同盟に参画したのであろうか。


赤神と国家主義団体との関係は、かなり遡るようだ。『最新右翼辞典』の「新日本協会」の項を見ると、

一九二一年(大正一〇)五月一日山本悌二郎が中心になり今井竜三郎、赤神良譲ら国粋学者と貴衆両議員がつくった。機関紙『共存』を発行、後藤新平大杉栄への資金援助を暴露したり、徳川義親不敬ダンス事件などを攻撃した。


他の国粋学者としては、山川健次郎、澤柳政太郎、古在由直、土方寧、富井政章、平沼騏一郎、田島錦治がいる。*1


追記:「書物蔵」が非公開中にアクセス数で追いつかねば(アセ、アセ

*1:『戦前社会思想事典』第6巻、1992年3月、大空社。底本:石川龍星『日本愛國運動総覧』(東京書房、昭和7年8月)