総理庁官房監査課編『公職追放に関する覚書該当者名簿』（日比谷政経会、昭和24年）には、赤神の該当事項として
赤神良譲 大東亜青年同盟顧問 東京
赤神良譲 右翼主義的国家主義的活動か著しかつた 埼玉
とあるが、どちらも明治大学の赤神と見てよいだろう。もっとも、「大東亜青年同盟」というのは未詳。赤神が会長を務めた「明治大学興国同志会」は、『全国国家主義団体一覧 昭和16年10月現在』によれば、
明大・興国同志会 神田区駿河台明大内
創立 昭和四年十一月
性格 一.赤神良譲ヲ中心トシタル国家主義学生団体ニシテ、創立当時ニハ興国学生聯盟日本学生聯合会ト関係ヲ有セリ 二.学内左翼思想ノ一掃ヲ意図セリ
綱領 （略）
役員 会長 赤神良譲 委員 学生及卒業生若干名
会員 三十名
活動状況 一.赤神教授指導ノ下ニ、研究会、座談会ヲ開催ス
なお、創立年月日については、石田論文で引用されている『戦前における右翼団体の状況 中巻』（公安調査庁、1964年）では、昭和5年2月10日とされている。
昭和16年6月21日、帝国ホテルで開催された大日本興亜同盟第1回創立発起人会には、事務局参与として、情報局次長久富達夫や陸軍省軍務課長佐藤賢了らが、大政翼賛会側からは副総裁柳川平助、東亜局長永井柳太郎、東亜局庶務部長藤澤親雄らが出席している。戦後、東京裁判でA級戦犯となった佐藤とその弁護をする藤澤はこういうつながりがあったのだね。
また、同年6月30日大政翼賛会本部会議室で大日本興亜同盟の結成準備委員会総会が開催されたが、出席者として神田孝一*1、山岡萬之助、増田正雄、児玉誉士夫、赤神良譲、諸岡存*2、永尾策郎らの名前が見える。
