生方敏郎については、秋田雨雀、坪内逍遥、岩野泡鳴などの日記を読んで、色々ネタがあるものの、詳細な年譜がないとその位置づけができない。誰か作って!?
例えば、次のような興味深い記述がある。
まずは、岩野泡鳴の日記*1から。
大正2年10月13日 博文館へ原稿を持つて行つたが、西村君は留守であつた。長谷川氏がゐた。丁度生方氏が来てゐて、三人の話をしてゐるうちに、生方氏の新雑誌(享楽第一号切りでまた別なのを出す)の名が「ゴシプ」と定つた。
昭和8年5月31日 山田来
生方敏郎の前妻、人参売不況、何処かへ勤めの周旋頼みたし 生方説諭願ひたし云々
6月1日 山田来(生方前妻の件)
6月5日 角田スミ来 生方往訪して子供の件、女の件など熟談せしよし
9月16日 生方の前妻(ツノダ)来、就職口の件頼み
なお、生方は、大正15年に離婚している(要確認)。
黒岩さんや小谷野氏などが作成された労作というべき詳細年譜でも、あれがないとかこれがないとか指摘するのは、比較的容易なことではあろうが、「それじゃ、お前も作ってみろ」と言われたたら、私は「すんません、できません」と謝るしかない。想像するだけでも、年譜の作成とは大変そう。
追記:岡崎武志『読書の腕前』(光文社新書)と、岩合光昭『ネコを撮る』(朝日新書)を見る。「均一本」と「ネコ」をとるだすね。