神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

上方郷土研究会が主催した『好色一代男』250年記念西鶴忌


 大阪古書会館の「たにまち月いち古書即売会」で『上方:郷土研究(復刻版)1』(新和出版、昭和44年7月)を購入した。古書ディック出品で300円。1冊300円の棚で上下2分冊だから600円かなと思ったが、函に300円のシールが貼られていて300円で済んだ。ありがとうございます。
 『上方:郷土研究』(上方郷土研究会編、創元社発行)の元版は大阪市立中央図書館の開架で読めるので買わなくてもいいのだが、300円では買ってしまいますね。2~9と索引の巻もあったが残しておいた。誰か買っただろうか。
 パラパラ見ると、8号(昭和6年8月)は「西鶴記念号」、9号(同年9月)に南木生「西鶴忌」掲載。後者の一部を引用しよう。

 昭和六年八月十日は大阪の生んだ文豪井原西鶴翁逝いてより二百三十八年に当る。又画期的小説一代男を著述せる天和二年より恰も二百五十年の詳[ママ]月命日に相当する。(略)西鶴に至つては元禄文学喚[ママ]発の尤たるもの、その霊、その墓を今日まで弔ひ行はれなかつた事は甚だ遺憾の極みである[。]本会茲に感ずる処あり、西鶴忌を修行し、以後年々歳々俳句の季題として西鶴忌を永久に営まれん事を世の俳人に提唱したのである。(略)玄関にて署名を乞ひ記念はがき及展観目録を渡し、書院にては陳列せる左記の著書遺墨を展観、休憩に宛てた。
  展観目録
(略)

 そういえば、この「記念はがき及展観目録」に当たる物を持っていたことを思い出した。誓願寺で開催された西鶴忌の式次第・展観目録が記載された紙と絵葉書2枚*1、更に昭和6年5月27日~6月3日大阪三越で開催された「西鶴記念展覧会」の目録の合計3点である。令和3年4月大阪古書会館で厚生書店出品、3千円。
 南木芳太郎が書いた前記「西鶴忌」に載る「来会者名簿(記名順)」の154人の中から目につく名前を拾っておく。この中に私が入手した西鶴忌関係史料の旧蔵者がいれば嬉しいが、何の痕跡も無く残念である。

中井浩水*2 玉樹芦城*3 鹿田文一郎 三宅吉之助 川崎巨泉 高安吸江 水木十五堂 水木直箭 福良虎雄 野田別天楼*4 藤原せいけん 上田長太郎 生田花朝女 魚澄惣五郎 高梨光司 多田莎平 松瀬青々*5 野間光辰 入江来布