平安蚤の市をのぞいてきた。例によって楽しみは、ナンブ寛永氏(@kan_ei_sen)出品の200円均一箱である。チラシ類の中に帝国劇場のものがあった。表紙に大東亜戦争が終結し、当劇場が新発足とあり、演目も「銀座復興」で面白そうなので、買ってみた。
『帝劇の五十年』(東宝、昭和41年9月)によれば、帝劇は昭和19年3月決戦非常措置により閉鎖。「銀座復興」と「鏡獅子」の二本立てが戦後初の開場(10月3日)で、2カ月のロングランになったという。入手したチラシは、11月興行とあるので、この前月のチラシも存在するのだろう。それでもこれは貴重なチラシと思われる。どこかに所蔵している機関はあるだろうか。
「銀座復興」は、大正12年の関東大震災後焼け野原となった銀座でいち早くバラック建ての小料理店を始めた男の物語である。もちろん大東亜戦争による空襲で焼け野原となった銀座、東京そして日本の復興という願いを込めた演目であろう。このチラシの旧蔵者は上演を観ただろうか、そして復興への決意を抱いただろうか。