神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

大手拓次が執筆した?『ライオン当用日記附録』大正15年版(ライオン歯磨本舗)


 平安蚤の市でライオン歯磨本舗発行の『ライオン当用日記』を3冊購入。昭和8年*1、10年、13年*2版である。特に函付きの2冊が嬉しい。ライオン歯磨の広告部にいた大手拓次昭和9年4月に亡くなっているので、昭和8年版(昭和7年11月)は拓次が編集・執筆に関与した可能性はある。
 ただし、『大手拓次全集別巻』(白凰社、昭和46年11月)の「資料六 大手拓次作と推定される詞文」では、大正14年版日記中の各月の「季節題詞」(12篇)と附録中の「香水の撰方」のみが掲載されている。また、同全集5巻の「年譜」大正7年12月の条は、『ライオン当用日記』大正8年版は未見だが後年の附録のうち幾項目かは拓次作かとし、編集についても拓次の創意工夫が生かされていると見られるという。
 最近、大正15年版の日記附録も入手したので紹介しておこう。142頁で、奥付はなく、この年は別冊になっている。目次を挙げておく。

 残念ながら、「香水の撰方」は載っていない。「香のたのしみ」が載っているが、拓次の作かどうか。それよりも、まったく根拠はないが「美爪術(マニキユーア)」は拓次の執筆のような気がする。朔太郎通信さん(@Sakutaro1917)、どうかしら。

*1:実際の記述は昭和22年

*2:実際の記述は昭和19年