神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

丸万書店で『福田與先生回想録』(福田與先生回想録刊行会)を拾う

丸万書店の100円均一台で『福田與先生回想録ーー満点の星を仰ぎて君ゆくかーー』(福田與先生回想録刊行会、1989年1月)なる本を発見。猫猫先生のいうとおり「非有名人を調べるのが楽しい」のだが、全く無名のただの人では困るわけで、最初は本書を買うつもりはなかったのだが、パラパラ見てみると、高田集蔵や新井奥邃が出てくるので、買ってきた。217頁、非売品ではなく、頒価1000円とある。調べてみると、『童安さんの思い出と遺稿』や新井の『内観祈祷録』を編集・発行した人であった。巻末の略年譜から一部を抜き出すと、

明治39年1月25日 岡山県倉敷市で出生
大正12年3月 岡山県立倉敷高女卒業
大正15年3月 京都府立第一高女国漢専攻科卒業
昭和4年11月 福田武雄と結婚。宮崎童安の媒酌による
昭和8年9月 高田集蔵初めて来訪
昭和14年9月 京都府立盲学校に奉職
昭和35年3月 京都府立盲学校退職
昭和42年4月 個人誌『雲』創刊
昭和49年9月29日 夫武雄(69)死去
昭和51年3月 個人誌『雲』51号をもって廃刊
昭和59年2月 『新井奥邃の人と思想』(全二巻)を発行
昭和63年1月24日 死去

目次のうち太字の分だけ紹介すると、

第一部 福田與先生の人と実践
第二部 回想
新井先生記念会の部
宮崎童安先生の部
高田集蔵先生の部
一般の部
盲学校同僚の部
草衣社同人の部
久佐の葉歌会同人の部
実践人道友の部
聾学校卒業生その他教え子の部
ご遺族・親族の部
第三部 福田與先生遺文集
第四部 書簡集
第五部 略年譜
回想録刊行ご協力者ご芳名
編集後記

「宮崎童安先生の部」には鳥谷部陽之助(三土社主宰)「福田與先生と宮崎童安グループ」が載っていて、鳥谷部の『江渡狄嶺ーー目で見るその生涯』(三土社)について、「「高田集蔵(p47)、九津見房子さんとうつっている人は木田茂で則定嘉久治ではありません」と、びしゃっとその誤謬を指摘して下さった」とある。
本書を所蔵するのは滋賀県立図書館ぐらいで、貴重な本が均一台で拾えてよかった。