神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

戦前期古書目録の発行部数の一例

大観堂書店の古書目録が削除処分を受けたことについては、「発禁になった大観堂書店の古書目録」で紹介した。『発禁年表』記載の「処分理由又ハ摘要」欄に「美濃部博士の禁止出版物広告掲載」と記載されている典拠は不明だが、『出版警察報』82号に同目録に関する記載があった。「地方庁に於ける出版物取締状況」の「警視庁管下に於て行はれたる出版物大量執行実績」に、「出版法ニ依ルモノ(削除)」として、『大観堂一般古書販売目録(昭和十一年度)』があがっていて、発行部数3000、削除部数3000、削除処分6月20日、執行署戸塚署とある。古書目録の発行部数が3000部というのは想像していたより多く、1000部も無いだろうと思っていたので、意外であった。