神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

田中俊次編輯『鳩笛』6号(ちどりや、大正15年3月)

これは名古屋の山星書店で入手。奥村寛純『天草土人形調査記録 S46・3・26〜27』とセットで2千いくら。記事の内容は、

蒐集趣味展覧会
浪華の娯美会と土俗会 人魚洞主人
祝儀袋 木村芳太郎
古看板集(六) 杉浦丘園
雉子車の話 巨泉生
新聞表題蒐集(蒐集百題)
おもちやの蒐集(六) 田中緑紅
宝船の話ーー大正十五年度ーー 田中緑紅
京都の趣味家(下) 緑紅生
趣味界雑話
鳩笛総目次
本誌終了にさいし

「蒐集趣味展覧会」は、大正15年1月17日から22日まで大阪三越呉服店西館7階で開かれた大阪の趣味家グループ娯美会主催の展覧会の報告。
「京都の趣味家(下)」は、木戸忠太郎、小西石蔵、藤井好浪子、矢野豊次郎、宮脇彦太郎、吉川観方、寺田紫村、小島勇之助、山崎翠紅、大隈柳丈、細川佐一郎を紹介。
「趣味界雑話」のうち「趣味家取調べ」では、京都府警察部により書籍店が取り調べられ、続いて裸体絵葉書から祝儀袋(の店?)まで検挙された。その後府高等課から洛葉会々員名簿に基づき在京の7、8人の趣味家が呼び出されて、「趣味家は何でも集めてゐる猥褻物も沢山集めてゐると云ふ事だからそれを提供せよとのお取調べ」だったという。
全体的に面白い趣味誌で、総目次によると、3号に斎藤(昌三だろう)「趣味の蔵書票」、無署名の「創刊雑誌の蒐集」、5号に村西「東京我楽他宗」が載っていて、読みたくなる。
「本誌終了にさいし」によると、大正14年3月創刊、次号から『人魚の家』に改題とある。また、3月下旬頃本誌とは無関係だが『信仰と迷信』なる和装の小冊を出す計画で、詳しくは『ちどり』に発表とある。