神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

荒俣宏先生もびっくらちょの絵葉書の重要性

ネタにするのが遅れたが、『大学出版』105号(一般社団法人大学出版部協会、2016年2月)に荒俣宏「韋編三絶ーー読書と本づくりの過去と未來」が掲載された。2015年11月に開催された大学出版部協会編集部会主催の「図鑑」をテーマにした研修会で話された荒俣先生の講演を抄録したものである。これによると、先生は死ぬまでに水族館の歴史の本を書きたいと考えて、江ノ島水族館について調べた。昔は島の中にあったことがわかったものの、地元民に聞いても当時の姿、形がわからなかった。やがて、絵葉書を思いついて、

江ノ島の桟橋から島を見る角度の絵はがきをネットオークションで片っ端から買いました。三〇〇枚ぐらいあるのを毎日虫眼鏡で見るんですよ。そしたらあるとき、水族館を発見いたしましてね。ちゃんと「水族館」と書いてありました。

絵葉書の重要性は図書館史に関連して誰ぞも言ってたなあ。先日開催された寸葉会の案内葉書にも、ある金閣寺の絵葉書から重要な発見がされたことが書いてあったが、一枚の絵葉書が歴史の謎解きに画期的な役割を果たすことがあるのだ。