神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

展覧会

芦屋市立美術博物館の行く末

指定管理者制度導入に伴い、芦屋市立美術博物館の学芸員が一斉に退職することになってしまったことについては、2月の「神戸新聞」に載ったが、その後のことが、読売新聞に出た。4月から新たに採用された2人の学芸員は他館での実務経験がある20、30歳代の女性…

吉備路文学館で「吉備路近代文学のさきがけ 百輭・譲治・捷平展」

吉備路文学館で4月24日まで「吉備路近代文学のさきがけ 百輭・譲治・捷平展」開催中。同文学館は2003年の森田思軒展の時に行ったくらいかな*1。 *1:2009年6月17日には、「何回か行っている」と書いてた。

さいたま文学館の展示室

中村稔『文学館を考える』(青土社、2011年2月)に、 さいたま文学館のばあい、学芸担当の専門職員が任命されたのは開館の数カ月前、すでに建物は完成していた。展示室は外面が総ガラスであった。そのような展示室に肉筆資料を展示すれば資料がたちまち劣化…

富士フイルム写真歴史博物館で「幕末・明治の寫眞師 内田九一」展

東京ミッドタウン内の富士フイルム写真歴史博物館で「幕末・明治の寫眞師 内田九一」展開催中。無料。日本写真史にも詳しかった黒岩さんだが、直接内田に言及したことはなかったかな。開催期間: 第1部 風景編Ⅰ 2011年3月1日(火)〜2011年4月28日(木) 第2…

神戸ファッション美術館で「グレゴリ青山のモダン画廊」

神戸ファッション美術館で4月3日(日)まで開催中の特別展示「あぁ!美しきモダーンズ―東西新世代女性たちの装い―」と併せて、「グレゴリ青山のモダン画廊」も開催中。 本展のポスター・イラストレーションを描いた、漫画家・グレゴリ青山さんのプライベート…

渋沢史料館で「法学者・穂積陳重と妻・歌子の物語」展

渋沢史料館で「法学者・穂積陳重と妻・歌子の物語」展を3月5日から5月8日まで開催。 歌子の「日記」や、陳重と歌子婚礼の「料理次第心覚」なども展示されるようだ。歌子の日記も活用して、『『食道楽』の人 村井弦斎』を書いた黒岩比佐子さんも、見に行きた…

千代田区立千代田図書館で「戦前の出版検閲を語る資料展」

誰ぞが、宣伝してくれと言ってるような、言ってないような気がするので、紹介。3月26日(土)まで、千代田図書館9階で、「戦前の出版検閲を語る資料展「浮かび上がる検閲の実態」」開催中(協力:国立国会図書館、江東区立深川図書館)。 展示関連講演会 本…

二科会の初日をのぞく里見とんと久米正雄

昭和7年9月3日〜10月4日第19回二科美術展覧会が東京府美術館で開催された。宇野浩二の日記によると、里見とんや久米正雄らが初日に観覧している。 昭和7年9月3日 二科会場で、林倭衛、中村研一、里見弓享、久米正雄、石井白[柏]亭、正宗得三郎諸氏に会ふ。

新宿歴史博物館で「新宿中村屋に咲いた文化芸術」展

2月19日〜4月10日、新宿歴史博物館で「新宿中村屋に咲いた文化芸術」展開催。開催を記念して、秋田雨雀日記から、中村屋ネタを。 大正10年10月25日 新宿中村屋へ行く。娘さんの婿さん、印度人のボスコという人、奥さんの兄さん、江口教師の三人と一緒に七面…

今橋映子「展覧会情報はどうやって手に入れるか」の補足

今橋映子編著『展覧会カタログの愉しみ』所収の「展覧会情報はどうやって手に入れるか」には、ネットや新聞のほか、雑誌として『ぴあ』、『芸術新潮』、『美術手帖』、『ギャラリー』があがっている。これは、主に美術館を対象としているので、博物館につい…

ゼロ年代の展覧会カタログ

今橋映子さんに負けるが、多少展覧会好きのオタどんがゼロ年代のカタログを選んでみた。『平塚運一展』東京ステーションギャラリー 2000 『田中恭吉展』和歌山県立近代美術館 2000 『黒田辰秋展』豊田市美術館 2000 『石田収蔵』板橋区立郷土資料館、2000 『…

サントリーミュージアム天保山閉館と佐伯順子

何とまあ、サントリーミュージアム天保山が来年12月に閉館。川崎市市民ミュージアムとかに比べると、便利な場所にあるのだが、それでも状況は厳しかったようだ。1994年開館時は、「美女100年展」であった。図録には佐伯順子先生(当時、帝塚山学院…

長谷川時雨生誕130周年

神奈川近代文学館では、10月3日〜11月15日の「開館25周年記念 大乱歩展」に続き、11月21日〜1月11日に「生誕130年長谷川時雨展」を開催する予定。「森茉莉街道をゆく」さんが喜びそうなニュース。 - 川崎市市民ミュージアムの「サンデー・マガジンのDNA -週…

コレクションの誕生、成長、変容―藝大美術館所蔵品選―

東京藝術大学大学美術館では、今日から「コレクションの誕生、成長、変容―藝大美術館所蔵品選―」展が開催。大学の前身、東京美術学校の正木直彦校長時代のコレクションも展示されるらしい。正木の日記『十三松堂日記』を見てみると、 明治45年2月24日 (前略…

ジョルジュ・ビゴー展

2002年に川崎市市民ミュージアムで開催されたビゴー展は見ごたえがあった覚えがあるが、東京都写真美術館で11日から開催される「ジョルジュ・ビゴー展」は、「初めて、ビゴーの全生涯を明らかにする展覧会」*1というから相当本格的なものになるらしい。ビゴ…

まちだ作家博覧会

町田市民文学館ことばらんどで、「まちだ作家博覧会」が開催中。赤瀬川原平、片岡義男、北上次郎、国松俊英、小林清之介、沢野ひとし、翔田寛、多田茂治、辻由美、常盤新平、長谷川知子、森村誠一、吉目木晴彦、渡辺有一を紹介しているらしい。無料で、7月5…

仙台の夏

仙台で6月20日(土)・21日(日)、「古本縁日 in 仙台 〜「わめぞ」の古本・雑貨市〜」があるらしい。宮城県美術館の「洲之内コレクション展」、仙台市歴史民俗資料館の「オールド・グラフィック〜仙台の出版文化の歴史」は6月7日で終了しているが、内澤さ…

荷風生誕130年・没後50年

永井荷風の生誕130年・没後50年ということで、『荷風全集』第二次刊行。新たに別巻一巻(補遺二 資料篇)を増補し、新資料・研究資料を収めるとのこと。 25日発売の『文学』3・4月号も「永井荷風没後50年」特集で、十川信介「荷風の私がたり」、菅聡…

平成の絵葉書展覧会

元気のない誰ぞのためか、名古屋市博物館で3月1日まで絵葉書展覧会が開催中。「日本の絵葉書1900−1945」。 - 何年も前のこと、『京都古書組合綜合目録』に載った浅野和三郎『英文学史』*1(大日本図書、明治40年2月)、1万円前後したと思うが、何を…

 蒼空画会と星製薬

里見とんが「中戸川吉二君に贈る」とする「春の水ぬるむが如くに」*1に、 去年の春、星製薬の楼上で催された蒼空画会で、志賀君と私との共通の友人である、同会の同人、山内神斧君と志賀君とが落合つて、たまゝゝ私の話が出た。 また、星製薬における展覧会…

萬鐵五郎の第一回円鳥会展と星製薬 

萬鐵五郎らによって、大正12年1月円鳥会が結成された。萬の「円鳥会展覧会に就て(上)」(『東京朝日新聞』大正12年6月3日)によると、 今年一月その成立を発表いたしました吾が円鳥会は、六月一日から十日まで、京橋星製薬楼上にて第一回展覧会を開催する…

星製薬と黒曜会第二回展覧会

星製薬を会場として開催された展覧会については、何回か紹介したが、小松隆二『大正自由人物語 望月桂とその周辺』(岩波書店、1988年8月)にも出てきた。プロレタリア美術展である黒曜会第二回作品展覧会が、大正9年11月23日から6日間星製薬(京橋区南伝馬…

 生誕110年記念海野十三展

今年は国木田独歩没後100年であるとともに、日本SFの父、海野十三(うんのじゅうざ)の生誕110年の年*1でもあるらしい。 徳島県立文学書道館で1月5日〜2月10日の間、「日本SFの父・海野十三展」が開催される。「徳島のSF文学展」も併催。 …

井上円了に美人の娘あり

岸田劉生の日記*1に、井上円了の名前が出てきた。 大正10年3月6日 京橋の星製薬の階上の白樺美術館の第一回展覧会見る。大逸がゐて、誰れか来たかと聞いたら清宮*2が来て白木の展覧会へ行つたと云ふので、電車で行つてみて、結局食堂で合ふ。井上円了の娘と…

世田谷美術館の資生堂展

世田谷美術館って、確かさんまの「男女七人物語」(夏か秋のどっちだったか?)でお見合い場所のシーンに使われていたね。フランス料理のレストランもあり、おしゃれな美術館である。用賀駅から美術館までの途中にある散策路(短いけど)もよくできている。…

七夕に初恋の人デジャー・ソリスに再会

7月7日から根津の弥生美術館で「武部本一郎展」開始。 かつて武部画伯描くところの、火星シリーズのヒロイン、デジャー・ソリスにときめいた私にはたまらない企画だね。 といっても、このへんの話がわかるのは南陀楼綾繁氏くらいか・・・ 七夕は、「ソト、…

稲岡奴之助の娘と散歩する秋田雨雀

『秋田雨雀日記』第1巻を見ていると、 大正6年12月8日 晴。夜寒い。昼は温かに日光が輝いていた。今朝下村君がきて小林*1の撮影があるからといって誘いに来た。ちょうど其時稲岡奴之助の娘さんも来たのでみんなで出て行った。停車場前で井出*2の連中と逢った…

展覧会場としての星製薬

河内紀氏の著書で知ったのだけれど、星製薬は展覧会場として重要な役割を果たしていた。 『古本探偵』(北宋社、2000年1月)によると、ポーランド人のウビェンスキー(日本滞在中の署名表記はルビェンスキー)が、三越と星製薬で二回展を開催した(出典は、…

トンデモ系人物のレファ本

人名事典については、「書物蔵」でも特集されたことがあったけれど、戦前のトンデモ系の人物については、意外と総理庁官房監査課編『公職追放に関する覚書該当者名簿』(日比谷政経会、1949年)も役に立つかも。もっとも、公職追放の該当事項だけで、生年月…

つかの間の池袋往来座モンパルナス

今から80年ほど前、池袋、板橋、練馬付近に若い芸術家たちが集まった。住人の一人である小熊秀雄は、この界隈の詩を詠んで「池袋モンパルナス」と名づけたという。今日明日と、その池袋には老若の古本者が集まるという。「第2回外市」、みんなで「外、行こ…