神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

平安神宮の古本まつりで東寺済世会病院長小林参三郎夫人の小林信子宛絵葉書を掘り出すーー『静坐』(静坐社)の総目次を期待ーー

19日(土)から始まった平安神宮の古本まつりも明日(水)までとなりました。おかげさまで色々掘り出し物がありました。初日シルヴァン書房の寸葉さんの所は、常連客で混み合っていた。というのも、常連客には案内状が発送されていたからである。初めてのイベン…

大阪古書会館で武田五一邸や木島櫻谷邸の作庭をした植重(佐野庭園工藝所)のカタログーー庭師佐野榮太郎の世界ーー

今月も無事開催された大阪古書会館の「たにまち月いち古書即売会」。18日の初日に行ってきました。シルヴァン書房は19日からの平安神宮の古本まつりにも参加するためか、出品のメインが100円均一の文庫であった。もう文庫・新書は見ないことにしているので、う…

平安神宮の古本まつりで買った本ーー京都で静岡市清水区の古本屋に出会うーー

京都では、夏に下鴨神社、秋に知恩寺の青空古本まつりが開催される。これらと春のみやこめっせの古本まつりを併せて、「京の三大古本まつり」と呼ばれている。ところが、コロナ禍のせいでみやこめっせは2年連続、下鴨は昨年中止になった。こうした古本界の危機…

たにまち月いち古書即売会で買った本ーー明日からは平安神宮で古本まつりも(*_*)ーー

今日はたにまち月いち古書即売会の初日。開場前の行列が賑わっていた。20日(日)まで開催。いつも通り古本横丁から廻る。いつものメンバーではない人が多かった。激戦区となって、1冊だけ購入。シルヴァン書房は明日から平安神宮での古本まつりにも参加するの…

名古屋古書会館で見つけた『郷土文化』無住国師・蓑虫山人研究号ーー望月昭秀・田附勝『蓑虫放浪』(国書刊行会)刊行ーー

名古屋古書会館には、何年も行っていない。そろそろ行きたいと思っていたら、昨年からのコロナ禍で度々中止になっているので、しばらくは無理そうである。本日紹介する『郷土文化』4巻2号(郷土文化会、昭和24年3月)は、その名古屋古書会館で入手したものであ…

三重県志摩地方民俗総合調査団長の和歌森太郎から国文学者川口久雄宛の年賀状

何年か前に、金沢大学名誉教授の国文学者川口久雄宛の書簡が出回った。「日本の古本屋」の記録を見ると、加藤楸邨、吉田精一、吉川幸次郎らからの葉書や江藤淳、神田喜一郎からの書簡が売り切れている。当時私も寸葉さんから東京教育大学文学部教授だった和歌…

『白樺』同人で『台湾土俗誌』著者小泉鉄の晩年ーー中央公論社編集者三沢澄子宛書簡からーー

『白樺』同人だった小泉鉄の書簡を70通ほど持っている。3年前に文庫櫂から購入。貧乏なわしには、やや高額であった。すべて中央公論社の編集者だった三沢澄子宛である。昭和20年8月(推定)から亡くなる年の29年3月までで、晩年の様子がある程度うかがえるもの…

『滋賀公論』創刊号(明治23年)に本願寺大学林文学寮教頭中西牛郎

10日無事に開催された平安蚤の市へ。『滋賀公論』創刊号(滋賀公論社、明治23年11月)を購入。24頁、1,000円。国会図書館サーチや滋賀県内図書館横断検索でヒットしないので、貴重な雑誌だろう。目次を挙げておく。 井上円了と中西牛郎の名前があるので、買っ…

『荷風全集』別巻(岩波書店)の「書簡宛名解説索引」(中村良衛作製)への補足ーートム・リバーフィールド「出版人の饅頭本」『二級河川』に期待ーー

平成23年から25年にかけて親族の不幸があり、この間に出た本や論文に見落としが多い。『荷風全集』別巻(岩波書店、平成23年11月)も未読であったので、読んでみた。頼まれたわけでもないのに、同書の「書簡宛名解説索引」(中村良衛作製)に補足してみよう。とい…

白川書院の臼井喜之介宛中村直勝の『中村直勝日本史』に関する書簡

3年前に文庫櫂から白川書院の臼井喜之介宛中村直勝書簡を購入。1通500円。「臼井書房の臼井喜之介と野薔薇詩社の稗田菫平 - 神保町系オタオタ日記」等で紹介した富山の詩人稗田菫平宛書簡群の中になぜか紛れていた。4通あって、内容は ・昭和38年2月10日付け …

柳田國男が貴族院書記官長を辞めた本当の理由?

財界人の日記は、作家や学者等の日記に比べて面白くない。渋沢栄一*1や小林一三*2の日記でも面白い記述は、極一部である。そのため、『平生釟三郎日記』(甲南学園)は手付かずであった。しかし、人名索引を読んでみたら絶句するような名前が幾つか出てくる。…

新村出・成瀬無極の脚本朗読会カメレオンの会と小林参三郎・信子夫妻ーーそして谷村文庫の谷村一太郎もまたーー

『秋田雨雀日記』1巻(未来社、昭和40年3月)に新村出の脚本朗読会カメレオンの会と野淵昶のエラン・ヴィタール小劇場が出てくる。 (大正九年) 五月十六日★ 午後一時三十分の汽車で神戸を出発、京都へきた。四時前についた。林久男君がきていた。三人で、谷村…

南洋旅行中の児童文学者久保喬から長谷川鉱平宛パラオの絵葉書

川村湊編『中島敦 父から子への南洋だより』(集英社、平成14年11月)の「解説 トンちゃん、南の島をゆく」は、サイパン公学校の教育に対する視点について、中島と『南洋旅行』(金の星社、昭和16年12月)の久保喬(本名・隆一郎)を比較している。公学校は、島民(現…

中原中也が通った京都のカフェーとエラン・ヴィタール小劇場

木股知史先生の「瞬間と全体ーー晶子・啄木と生命主義的発想ーー」が載った『国文学解釈と鑑賞』別冊の『「生命」で読む20世紀日本文芸』(至文堂、平成8年2月)に、鼎談「日本の近・現代文学と生命観」も掲載されている。出席者は、平岡敏夫(城西国際大学)・吉田凞…

鳥居龍蔵の次男鳥居龍次郎に「先ずは鳥居龍蔵全集を読んで」と言われたオタどん

あれは平成6年だったか、7年だったか、当時鳴門市にあった鳥居記念博物館に電話したことがある。図録の在庫の問い合わせだった。対応したのは、お爺さんだったが、「無いので、古本屋に当たってください」とか「先ずは全集を読んでください」と言われた。学生時…

興亜民族生活科学研究所の創立者戸田正三と石田英一郎ーー本田靖春『評伝今西錦司』の誤りーー

斎藤清明『メタセコイア:明治天皇の愛した木』(中公新書、平成7年1月)によると、昭和14年6月京都帝国大学内に興亜民族生活科学研究所が、興亜院(のち大東亜省)の所管する研究組織として設立された。前医学部長の衛生学教授戸田正三(戦後、金沢大学学長)が中…

南洋新占領地へ修学旅行に行く山本宣治から三高同級生山田種三郎宛絵葉書ーー坂野徹『〈島〉の科学者』(勁草書房)への補足ーー

『日本古書通信』5月号の岡崎武志「昨日も今日も古本散歩」127回に、奈良の古書柘榴ノ國が登場。岡崎氏が紹介している内容のほか、均一台に戦前の文芸雑誌が出たり、良さげな絵葉書を格安で売ってる店でもある。そう言えば、同店で買った山本宣治の絵葉書を思…

薄井秀一『神通力の研究』を発行した東亜堂書房の特売品目録ーー小林昌樹「特価本目録は庶民読書の証言者」への補足ーー

ネットでも読める『国立国会図書館月報』(国立国会図書館月報|国立国会図書館―National Diet Library)3月号及び5・6月号の「国立国会図書館にない本」シリーズの小林昌樹「特価本目録は庶民読書の証言者」を読了。図書館の月報なので並の図書館なら蔵書の自慢を…

金関丈夫、中村直勝、湯浅八郎らが創設した京都民芸同好会の民芸品展覧会

『民芸品展覧会目録(第四回)』(京都民芸同好会、昭和11年8月)が出てきた。あきつ書店300円の値札が貼ってあるので、東京古書会館まど展で買ったのだろう。大丸百貨店で開催された第4回民芸品展覧会の目録である。「本会の主旨」に挙がっている会員名は、次の9…

女衒村岡伊平治の電気治療師時代ーー村岡の実在を証明した寺見元恵「マニラの初期日本人社会とからゆきさん」に注目すべきーー

『近現代日本の民間精神療法:不可視なエネルギーの諸相』(国書刊行会、令和元年9月)の吉永進一「序論」は、明治から昭和戦前期までの民間精神療法を5つに区分している。そのうち、第4期精神療法後期(大正10年~昭和5年)に続くものとして、第5期療術期(昭和5年…

慶應義塾図書館で「(西洋)文字景ーー慶應義塾図書館所蔵西洋貴重書にみる書体と活字」開催中ーー慶應義塾ミュージアム・コモンズ「交景:クロス・スケープ」の関連展示ーー

慶應義塾ミュージアム・コモンズ(Keio Museum Commons | 慶應義塾ミュージアム・コモンズ)のグランド・オープン記念企画「交景:クロス・スケープ」の一環として、6月18日(金)まで「文字景ーーセンチュリー赤尾コレクションの名品にみる文と象」と「集景ーー集う…

大正期親鸞ブームの中『燃え出づる魂』を書いた小松徹三の経歴ーー大澤絢子『親鸞「六つの顔」はなぜ生まれたのか』(筑摩書房)への補足ーー

大澤絢子先生の『親鸞「六つの顔」はなぜ生まれたのか』(筑摩書房、令和元年8月)の本論に補足はできないが、人物情報であれば補足できそうである。大正期の親鸞ブームの中で、創作『燃え出づる魂:親鸞の新生』(弘文閣、大正11年4月)を書いた百貨店日日新聞社…

国会図書館所蔵『西哲夢物語』(明治20年)の表紙は水色だったーー磯部敦「書物を誌す」『出版史研究へのアプローチ』(出版メディアパル)からーー

Twitterで磯部敦先生から、『西哲夢物語』(明治20年)の国会図書館及び都立中央図書館所蔵本の表紙は水色で、茨城で作製されたらしいとの御教示をいただきました。ありがとうございます。日本出版学会関西部会編『出版史研究へのアプローチ:雑誌・書物・新聞…

二種類あった星亨らによる秘密出版物『西哲夢物語』(明治20年)ーーキクオ書店から見つけた宮田豊による赤い本の復刻版ーー

数年前知恩寺の古本まつりで、キクオ書店の3冊500円台から赤い本を見つけた。『西哲夢物語』(明治20年)の復刻版である。原本でなく復刻版なので迷ったが、買っておいてよかった。限定70部発行で、所蔵する図書館も少ない。復刻版を出した宮田豊先生(大正13年…

図録『寿岳文章 人と仕事 展』の刊行ーー向日市文化資料館で公開された向日庵資料の凄さーー

今年1月から3月にかけて、向日市文化資料館で「寿岳文章 人と仕事 展」*1が開催された。コロナ禍による講演会延期、会期延長などもあって、関係者の皆様お疲れ様でした。その図録『寿岳文章 人と仕事 展』(寿岳文章 人と仕事 展実行委員会、令和3年3月)が刊行…

昨年翻刻された西田直二郎日記を読むー西田天香、石神徳門、竹林熊彦ら豪華メンバーが登場ーー

京大大学文書館が所蔵する西田直二郎日記の翻刻、入山洋子「西田直二郎日記(1)」『京都大学大学文書館研究紀要』18号(Kyoto University Research Information Repository: ブラウズ)が発表されて、1年が経つ。すっかり読むのを忘れていたが、ようやく読了。様…

高木彰彦『日本における地政学の受容と展開』(九州大学出版会)に藤澤親雄とスメラ学塾

藤澤親雄が大正14年日本において最初に地政学を紹介したと、「情報官鈴木庫三とクラブシュメールの謎(その16) - 神保町系オタオタ日記」で言及したところである。ところが、高木彰彦『日本における地政学の受容と展開』(九州大学出版会、令和2年3月)の「第…

「文博ろうじの古本まつり」で、新築地劇団東京後援会発行のパンフレット『綴方教室物語』(昭和13年)を発見

大笹吉雄『日本新劇全史』第1巻(白水社、平成29年9月)によると、昭和13年は、新築地劇団にとって『綴方教室』の上演で明け暮れたと言っても過言ではないという。『綴方教室』は、豊田正子原作、古川良範脚本、岡倉士朗演出。3月6日~20日の築地小劇場、4月27…

ダーウィン、『種の起源』と『種の起原』の違いーークリントン・ゴダール著、碧海寿宏訳『ダーウィン、仏教、神』(人文書院)への補足ーー

クリントン・ゴダール著、碧海寿広訳『ダーウィン、仏教、神:近代日本の進化論と宗教』(人文書院、令和2年12月)を読んでみた。「目から鱗」というのは、本書のためにあるような言葉である。本書によって、著者のいう二つの神話が葬り去られたと思われる。一つ…

跡見花蹊が観た明治20年の工科大学校における活人画ーー京谷啓徳『凱旋門と活人画の風俗史』(講談社選書メチエ)への補足ーー

『跡見花蹊日記』2巻(跡見学園)に、「活人画」という見慣れぬ言葉が出てきた。 (明治二十年三月)十二日 三条公より御招ニ預り、相公及御簾中と共に、工科大学校にて洋人等の催しにて活人画を見る。山水之位置、人物之配合等はほとんど画の如し。奇観言へからす…