神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

四天王寺の古本まつりで山崎斌の生活文化雑誌『月明』を

四天王寺秋の大古本まつりは、明日10月7日(金)から。今回Cosyo Cosyoが参加されないのが、残念。冒頭の写真は、4月に開催された四天王寺春の大古本まつりで同店の均一台から見つけた雑誌『月明』5巻5号(月明会、昭和17年6月)である。同誌の発行人である…

太田喜二郎はなぜ内藤湖南の葬儀に出席しなかったのか?ーー太田喜二郎邸が来月公開ーー

「京都モダン建築祭」の一環で太田喜二郎邸の見学ツアー(事前予約制)があるようだ。太田が大正5年に京都帝国大学工学部講師になって知り合った藤井厚二*1に設計を依頼した建物である。藤井も含めた太田周辺の近代文化人、京大関係者・画家・文学者・新聞記者…

坂本慎一『ラジオの戦争責任』(法藏館文庫)への「補足」ーーラジオ新聞の戦争責任ーー

坂本慎一『ラヂオの戦争責任』(PHP研究所、平成20年)が法藏館文庫入りした。せっかくなので、版元の法藏館に行って購入。本書の「法藏館文庫版・解説」によれば、 その後、少し遅れて大きな反響があったのが、近代仏教史である。「ミスター・近代仏教」と呼ばれ…

三高教授中村直勝から大津市の関蝉丸神社元社掌の三上左也宛年賀状

今月の平安蚤の市では、中村直勝の大正15年の年賀状を購入。娘2人の写真が載っているだけで、直勝そのものを研究しているわけではないが、200円なので買ってみた。直勝は当時第三高等学校教授兼京都帝国大学文学部講師で、翌年同学部助教授に昇任している。 …

柳田國男「炉辺叢書刊行趣旨」掲載の『郷土研究社図書目録』

数ヶ月前に平安蚤の市で、田中緑紅日記と同じ出所の物という図書目録を購入。てっきり田中が主宰した郷土趣味社の図書目録と思っていた。しかし、よく見たら岡村千秋が創立した郷土研究社の図書目録(以下『図書目録』という)であった。 本書は、柳田國男「炉…

寸葉会で発見されたスター食堂の社内報?『スター食堂ニュース』57号(昭和14年10月)

先日の寸葉会で購入した残る1点は、『スター食堂ニュース』(スター食堂研究部、昭和14年10月)である。国会図書館サーチではヒットしない。毎月1回発行とすると、昭和10年2月創刊ということになる。 斎藤光先生(@hikaru_sth)のツイート(平成31年3月3日)では、…

在野の怪物藪田嘉一郎と京都帝国大学教授の西田直二郎

9月9日京都新聞に没後30年を迎える松本清張の「先生」だった藪田嘉一郎に関する記事。有料配信の「THE KYOTO」の記事「松本清張が仰いだ京都の“怪物”(全5回)」(樺山聡記者。令和2年9月1日公開)の一部をあらためて紹介している*1。「藪田嘉一郎の古書店文林堂書店が…

寸葉会で新京極の興行新聞?『楽々新聞』2号附録(楽々新聞社、明治37年10月)を

今月は寸葉会ということで、行ってきました。ひげ美術からは2点購入。今回は、『楽々新聞』2号附録(楽々新聞社、明治37年10月)を紹介。明治期の京都にこんな新聞があったのかと購入、1,000円。楽々新聞社は、京都市下京区御幸町六角下ルに所在し、編輯兼発行…

帝国劇場戦後初の開演「銀座復興」(尾上菊五郎一座)のチラシ

平安蚤の市をのぞいてきた。例によって楽しみは、ナンブ寛永氏(@kan_ei_sen)出品の200円均一箱である。チラシ類の中に帝国劇場のものがあった。表紙に大東亜戦争が終結し、当劇場が新発足とあり、演目も「銀座復興」で面白そうなので、買ってみた。 『帝劇の五…

3年後に100周年を迎える森田慶一設計の楽友会館ーー京大総合博物館に展覧会を期待ーー

『明治大正大阪市史編纂日誌(下)』(大阪市史料調査会、令和4年2月)が出たので、上下巻を借りてきた。『大阪市史』の続編『明治大正大阪市史』の編纂事業開始(昭和2年)から事業終了(昭和10年)までの日誌の翻刻である。冒頭いきなり楽友会館が出てきた。 (昭和…

昭和5年名古屋で開催された怪談会ーーモズブックスで買った中西竹山宛佃野由兵衞葉書からーー

先日の阪神百貨店の古本まつりにモズブックスが参加することになって、驚いた古本者も多かっただろう。中之島公会堂の古本まつりの中止が何年も続き、絵葉書など紙もののマニアがモズの出店を待望していたが、ようやく実現したわけだ。ただ、日本絵葉書会の…

京都帝国大学総長山川健次郎とヤルート島学術調査ーー坂野徹『〈島〉の科学者』(勁草書房)への補足(その2)ーー

『山川健次郎日記:印刷原稿第一~第三、第十五』(芙蓉書房出版、平成26年12月)を見ていたら、第一次世界大戦で海軍が占領したヤルート島等の南洋新占領地における学術調査に関する記述があった。 (大正三年) 十一月九日 出。ヤルート島行の事にて中村氏に電…

『姫路の史蹟』(昭和15年)を書いた兵庫の郷土史家島田清ーー昭和戦前期における「観光コース」の使用例ーー

島田清『姫路の史蹟:特ニ増位観光コースの史蹟』は、平安蚤の市で200円で買ったのかな。昭和15年2月3日に姫路商工会議所で行った講演の概要のようだ。目次を挙げておく。 未知の人物だが郷土史家と思われる島田清や「観光コース」という用語に惹かれて、購…

昭和7年桑原武夫が顧問を務めた大阪高等学校仏蘭西科学会の『La Science』

先日の「たにまち月いち古書即売会」で、厚生書店の棚から見慣れぬ雑誌を発見。『La Science』4号(大高仏蘭西科学会、昭和7年?*1)で、112頁、500円。巻頭に桑原武夫教授「感想」が載っていたので、買ってみた。国会図書館サーチでは、ヒットしない。ただ…

下鴨納涼古本まつりの最終日に福沢諭吉『京都学校の記』(書籍会社、明治5年?)を拾う

今年も無事下鴨納涼古本まつりが開催された。今回は書物蔵氏と森洋介氏が後半に上洛された。私の方は、初日から参戦しているので既にお腹一杯であったが、最終日に最後の最後にのぞいた三密堂書店の特価本コーナーで驚くべき1冊を見つけた。500円。 冒頭の写…

古書柘榴ノ國で井上女神が創立した神九図之会の10周年記念誌『神九図』(昭和55年)を発掘

今年も下鴨納涼古本まつりが始まりました。シルヴァン書房が参加しているので、てっきり寸葉さんこと矢原さんが絵葉書を出品していると思いきや、不参加であった。ヲガクズさん(@wogakuzu)の情報によると、「下鴨は卒業」されたらしい。そう言えば、寸葉さ…

玄洋社役員・社員の公職追放一覧ーー嵯峨隆『頭山満』(ちくま新書)への補足ーー

一時期福岡市には出張で行くことが多く、帰りに福岡市美術館、福岡県立美術館や古本屋の葦書房には必ず寄ったものである。しかし、玄洋社記念館に寄る機会がないまま同館は無くなったので、惜しいことをしたものである。 さて、昨年10月ちくま新書から嵯峨隆…

『児童百科大辞典』完結で賑わう玉川学園出版部と京都の書道家多和格

玉川大学出版部のホームページで「会社情報 - 玉川大学出版部」を見ると、昭和4年玉川学園出版部として発足し、昭和7年日本で初めての子ども向け百科事典『児童百科大辞典』(全30巻)を刊行したことが書かれている。『児童百科大辞典』は、今年が創刊90周年に当…

明治44年小川一眞が撮影した少女小宅﨑子ーー岡塚章子『帝国の写真師小川一眞』(国書刊行会)刊行ーー

岡塚章子『帝国の写真師小川一眞』(国書刊行会、令和4年4月)が刊行された。日本写真史も一時期関心があったので、小川の名前は知っている。しかし、詳しいことは知らないので読んでいるところである。小川がどういう人物かは、本書の「はじめにーー写真メデ…

昭和8年竹中郁から川西英に贈られた詩とはーー小磯記念美術館で開館30年特別展「竹中郁と小磯良平」、神戸ゆかりの美術館で特別展「川西英」を開催予定ーー

久しぶりに小磯記念美術館に行ってきました。お目当ては、特別展「秘蔵の小磯良平ーー武田薬品コレクションから」に出品されている薬用植物画である。薬用植物学を多少かじったこともあって、小磯の作品の中でも好きな画である。 美術館で、次の特別展は開館30…

『和紙談叢』第1冊(澄心堂、昭和12年)を編集した後に消えた謎の奥本正人ーー向日市文化資料館で企画展「『紙漉村旅日記』が語る和紙と時代」開催中ーー

壽岳文章は平成4(1992)年没。今年が、没後30年に当たる。そのためか幾つか壽岳関係の出版・展覧会を目にする。『民藝』7月号(日本民藝協会)は、特集「寿岳文章と民藝運動」である。本誌は、壽岳の孫弟子に当たる中島俊郎先生から御恵投いただきました。ありが…

坪内逍遥は「沙翁」を「シヤヲウ」と読んでいたーー早稲田大学坪内博士記念演劇博物館職員の平塚義角から岡山の教員花田一重宛葉書からーー

星槎グループ監修、飯倉洋一・日置貴之・真山蘭里編『真山青果とは何者か?』(文学通信、令和元年7月)260頁に参考文献として、大山功『真山青果:人と作品』(木耳社、昭和53年12月)が出ている。この演劇評論家大山の経歴は、『20世紀日本人名事典』(日外アソ…

昭和32年11月2日奈良女子大学の文化祭で講演「西洋文学と日本」をした桑原武夫

平安蚤の市で入手した奈良女子大学の学生達による北海道旅行の計画書についての記事「昭和32年奈良女子大学家政学部被服科の女学生が旅した北海道ーー山本志乃『団体旅行の文化史』(創元社)を使うーー - 神保町系オタオタ日記」は、多少評判が良かったようだ。…

山口瑞穂『近現代日本とエホバの証人』(法藏館)でも活用された小林昌樹編『雑誌新聞発行部数事典』(金沢文圃閣)

山口瑞穂先生の『近現代日本とエホバの証人:その歴史的展開』(法藏館、令和4年2月)103頁の註に小林昌樹編・解説『雑誌新聞発行部数事典ーー昭和戦前期 附.発禁本部数総覧』(金沢文圃閣、平成23年12月。以下『事典』という。)*1が出てきた。 (27) 発禁処分と…

大正末期に松本幸四郞や宝塚少女歌劇の公演を主催した都ホテル内のアートクラブとからふね屋印刷所

三密堂書店をのぞいてきた。店内で特価200円の『アートクラブ第十二回例会松本幸四郎公演会』の冊子を発見。都ホテル内のアートクラブが大正15年11月29日岡崎の京都市公会堂で主催した松本幸四郎公演会の演目と脚本の一部(?)を掲載した31頁の小冊子である。…

昭和32年奈良女子大学家政学部被服科の女学生が旅した北海道ーー山本志乃『団体旅行の文化史』(創元社)を使うーー

山本志乃『団体旅行の文化史:旅の大衆化とその系譜』(創元社、令和3年9月)135頁は、明治期に男子から女子へと広がった修学旅行の例として奈良県女子師範学校を挙げている。奈良県師範学校に女子部が開設された明治35年の翌年大阪の内国勧業博覧会に出かけた…

文庫櫂にあった柳田國男『遠野物語』初版の限定番号は何番だったのか?

逃した獲物は大きかった。文庫櫂のガラスケース内にあった柳田國男『遠野物語』の初版は、店で売れなかったのでヤフオクに出されて売れたという。店にあることは以前から聴いていたが、手が出ない値段だろうし、今更『遠野物語』の初版を見ても新知見を得ら…

第4代東洋大学学長境野黄洋旧蔵の村上専精『仏教統一論』(金港堂、明治34年)を発見!ーーオリオン・クラウタウ編『村上専精と日本近代仏教』(法藏館)に寄せてーー

オリオン・クラウタウ編『村上専精と日本近代仏教』(法藏館、令和3年2月)では、複数の論者が村上『仏教統一論第一編大綱論』(金港堂、明治34年7月。以下単に『仏教統一論』という。)及び境野黄洋「仏教統一論を読みて」(以下「批評」という。)収録の『仏教統一論…

昭和10年3月坪内逍遥の葬儀に伴う妻坪内センから岡山の教育者花田一重宛礼状

岡山の教育者・郷土史家であった花田一重宛書簡群の中でも、ひときわ異彩を放つ黒枠の封書である。昭和10年3月4日付け(封書の消印は同月8日)の坪内センからの礼状が入っていた。センは、同年2月28日に亡くなった坪内雄蔵(逍遥)の妻である。逍遥の葬儀告別式…

『公職追放に関する覚書該当者名簿』から漏れた井上秀日本女子大学校校長

平安神宮古本まつりでは、色々拾えました。最も驚いたのは、不死鳥BOOKSの200円均一箱から見つけた本。しかし、出し惜しみして今回は汎書店の100円・200円台から拾った非売品の『井上秀伝』(桜楓会出版・編集部、昭和48年4月)の紹介にしよう。初日から出てい…