神保町系オタオタ日記

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吉永進一さんの三回忌に静坐社史料に関するワークショップ開催


 『図書』3月号(岩波書店)に、鼎談「現代に生きる仏教と仏教学ー『岩波 仏教辞典 第三版』二十一年ぶりの改訂」掲載。出席者は、大谷栄一・菊地大樹・末木文美士各先生である。一部を引用すると、

末木 グローバル化していく近代仏教について、お話しいただけますか。
大谷 (略)なかでも世界的に注目されているのが、近代仏教のグローバル化に貢献した「神智学」の役割です。(略)近代日本の仏教雑誌などを見ていると、「神智学」ということばがしばしば出てくるのにほとんどの研究者が注意を向けてこなかったのですが、二〇二二年に亡くなった吉永進一先生がその役割を明らかにされました。(略)

 吉永さんの研究により神智学関係の「オルコット」が『岩波仏教辞典』に立項されたのであろうことは、私も「雑学王吉永進一と雑学博士土屋元作が交錯したシカゴ万国宗教会議ー『岩波仏教辞典第三版』刊行ー - 神保町系オタオタ日記」で言及したところである。
 その吉永さんが亡くなって今月31日で2年目、三回忌である。偶然らしいが、その日に吉永さんが発見した静坐社史料に関するワークショップが南山大学ライネルス中央図書館で開催される。「南山宗教文化研究所所蔵・静坐社史料から見える国際ネットワークとジェンダー 英文学と宗教学の交錯するところ」で、
詳しくは→NIRC参照。オンライン参加もあり。申込みは3月30日まで。また、3月28日まで展覧会も開催中。
 なお、静坐社史料については、ネットで読める栗田英彦「南山宗教文化研究所所蔵静坐社資料 : 解説と目録 - 国立国会図書館デジタルコレクション」がある。この57頁の「12 カメレオン」は、「カメレオン小劇団創立一周年記念私演」の「告知」である。内容の説明として「野村(?)」、「福田(?)」とあるのは、野村梅吉、福田信子と思われる。拙ブログ「新村出・成瀬無極の脚本朗読会カメレオンの会と小林参三郎・信子夫妻ーーそして谷村文庫の谷村一太郎もまたーー - 神保町系オタオタ日記」参照。